君がいるから113 | 愛すべき櫻葉の世界

愛すべき櫻葉の世界

甘々櫻葉と翔ちゃんへの愛を甘くおしゃべりしてます♡

そしてあれから一年後。

今日は雅紀の高校の卒業式だ。



オレが医大に通うようになってオレらの生活はガラリと変わっていた。
毎週、もしくは2週間に一度のペースでオレか雅紀んちのどちらかを行き来していたのに、それがなかなか出来なくなっていた。
月に一度逢えればいい方だった。





ただでさえ講義で忙しいのに、オレは免許を取得した。だって車がないと微妙な遠距離恋愛なオレたちはとんでもなく不便だったから。




逢えなくなってた分、こまめに電話で直接声を聴くようにしてきた。
夏にはなんとか時間を作って一泊旅行したり、雅紀の誕生日は雅紀んちでお祝いしたりは出来てた。



でも、確実に寂しい思いをさせたし、オレ自身も寂しかった。
だけど、雅紀の体調は安定していて、大きく体調を崩すことなくこの卒業式を迎えられたんだ。



で、オレは今、雅紀の高校の校門に来てる。
おばさんに高校の場所を教えてもらって内緒でここに来たんだ。
幸い医大は春休み。



雅紀、ビックリするかな。
      

卒業生がゾロゾロと校門に向かって出てきた。
最後のHRも終わったんだな。



「え??嘘??翔ちゃん??しょーーーちゃーーーーーーーーーーーーん!!!!!!」
「おっと!」
胸に飛び込んできた雅紀を力一杯抱きしめた。



「なんで?なんでここにいるの?ってかなんで高校の場所知ってるの?え?なんでスーツ着てるの?」
「雅紀は『なんで』ばっかりだな」
オレの背中のジャケットをギュッと握りしめながら、ぴょんぴょん飛び跳ねて嬉しそうな雅紀がめっちゃ可愛い。



「だって、だって……しょ、ちゃ……」
「こらこら!今度は泣くのか?」
クスクス笑いながら雅紀の頬を包み込むと


「きゃーーーーっ❤❤」
「うおおおおおおおおーーーー!!」
ってすげぇ声がした。
……忘れてた。ここ、校門だった。
卒業生、在校生、保護者の視線がオレらに集まってる。
ふと目線を下げると、これまた真っ赤になってボロボロ涙を流しながらギュウギュウ抱きつく可愛い雅紀。

チラッと周りを見ると、おばさんと目が合った。


おばさんも目が真っ赤だし。
そして頷いてくれたんだ。
「いいよ、行きなさい」って。





うん。
ありがと、おばさん。






「雅紀を迎えに来た」
「……えっ??」







オレはビックリして言葉が出てこない雅紀の頬の涙をキスで拭うと、手を引いて駆け出した。





そしてずっとずっと考えていた計画を実行にうつした。






ずっとずっと前から、大切に大切に思ってたこと。





そして






ずっとずっと前から、オレがやりたかったこと。





雅紀。
覚悟しろよ。





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えーと。
明日からの三連休。
7時と17時の1日2回更新ししますね。
ちょっと書きたいことがたくさんあって、下書きも潤ってますゆえ。
どうぞよろしくお願いします。