最近の自宅鑑賞メモ | dramatique

最近の自宅鑑賞メモ

 

直近で観たいなあと思う映画は、公開が明後日に迫る『ありふれた教室』と『関心領域』だ。チケットも既に押さえてある。

他にも、『ヴァージン・スーサイズ』を新開地パルシネマとやらで上映するらしいので、久しぶりに観てみたいと思ったりする。

そういった予定や希望の前に、最近の自宅鑑賞について、例によって備忘録として簡単に書いてみたい。
気になっていたけど劇場に行けなかった作品などが、そんなに間を置かずに放映されて、ちょっと嬉しい気分なのだったにひひ


★『帰れない山
都会っ子と田舎っ子(男同士)の長きにわたる友情が、大自然をバックに描かれている。映像が素晴らしいのだけど(何とあの『チタン』でも撮影監督を務めている)、いかにも大変そうだ。

途中まで何だかモヤモヤさせられる展開で、それは友情形成のプロセスでありがちなのだが、都会っ子が田舎っ子に嫉妬したりする捩れから醸し出されている。
彼らの関係性は、都会っ子の父親が父親不在の田舎っ子を評価したり、しいては都会っ子の母親も含めて田舎っ子を支援しようとする微妙なパワーバランスによって成り立っている。
それに対して都会っ子は嫉妬し、本能的に妨害したいとさえ思う。

青年になった2人は、都会っ子の父親が亡くなるまでいったん疎遠になるのだが、その後、山の上の家づくりで協働しながら友情が育まれていく。友情というかほとんど恋愛のようだ。
それぞれのパートナーとなる女性も登場するのだが、この映画において女性はまるで添え物のようで、卑小な存在でしかない。

…などと色々思いながら適当に観ていたら、終盤に向けて、いつしか深くしんみりと引き込まれていた。

結局、何だかんだ一言では終わらないなあにひひ


★『理想郷


ずんぐりとした体格の夫と、ちょっと知的な感じのする妻。フランスからスペインの田舎町に移住し、野菜を栽培しては売っている。夫は古民家を改造してスポットにする夢を持っているようだ。だが、地元の人たちは他所者に冷たい。しかも、この夫も頑強な態度なので、どんどん関係が悪化していく(特に頭が悪そうな兄弟2人組と)。

そして険悪の極致を超えたところで、妻目線の状況にシフトする。後半は妻が自分の置かれた苦境をどう乗り越え、辛抱強く決着に落とし込んでいくか…が見どころになる。

理想郷というのは、最初からあるわけではなくて、作り上げていくものであったり、もしかしたら全然別のものに姿を変えてしまうこともあるのかもしれない。それが自然の中でだと、より一層生きもののように有機的になるのだろう。


★『苦い涙』


私の好きなフランソワ・オゾンだけど見逃していた作品。ファスビンダーが1972年に手がけた作品を新たにユーモアたっぷりに構築した。

恋人と別れて落ち込んでいた著名な映画監督が、知り合いの大女優(イザベル・アジャーニ)が連れて来た新たな若い男に惚れ込み、感情のダダ漏れみたいになっていく。相手にとってどう映るのか考えもしないところが、地位を得たオヤジのだらしない我儘三昧でしかないのだが、もうどうしようもないのだ。
年をとったからといって恋愛に長けるわけではない。
しかも相手は売春婦のような男なのだから。
オゾンがオヤジ監督をいたぶりながら面白がっているのか、我が身を省みているのかどうかは不明だにひひ


★『ベネシアフレニア』
チラッと見かけた時にエキセントリックな映像がタイプだと思ったのに、録画に失敗してしまい、オンデマンドも面倒臭いのでまだ観ていない。観ていないけれど観たくてたまらないので、ここに書き留めておくにひひ

オーバーツーリズムをテーマにしたヴェネツィアを舞台にしたホラーらしく、耽美的な雰囲気がとても気になっている(早く観ろよ^^;)


★『プー あくまのくまさん』と★『マッドハイジ』
は、やはりチラ見した時に、ここまで開き直って作るなら有りかもね、と感じたので、余力がある時にちゃんと観たいと思う。だからここに書き留めておく。

森の中に捨てられたくまのプーさんが殺人鬼になる発想はわかるけど、ルックスがあまりに脱力系なので、怖がっていいのかどうか?こちらも困ってしまうにひひ

マッドハイジはプーよりもバシッと力強く撮れている。

いやー、映画って本当に面白いですねえ、、、

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コクトー「忙しくても僕と遊んでよね黒猫




ルナ氏「フガフガムニャムニャ…ネコ



Bon Voyage★