兵庫県立美術館から横尾忠則現代美術館へ① | dramatique

兵庫県立美術館から横尾忠則現代美術館へ①

 

昨日は何とか闖入猫チビクロを捕獲し、キャリーケースに入れて、あとはのら猫クリニックに連れて行くだけ…とひと安心したのも束の間、ケース脇のジッパーが開いていて…妙に静かだと思ったら脱走されていたのだった_| ̄|○

落胆して病院に電話をかけ、再々予約を済ませてから(この先も延々と繰り返しそうな予感…)、ショックから立ち直るために、まだ行ったことがなかった兵庫県立美術館へ出かけてみることにした(ついでに横尾忠則現代美術館をハシゴにひひ)。

今回は兵庫県立美術館について。
ハシゴした横尾忠則現代美術館については次回にするとして。

企画展で色々な作品を観たけれど、この美術館で何よりも素晴らしいのは、設計者である安藤忠雄のAndo Galleryが増設されていて、サムエル・ウスマンの詩『青春』に着想を得たモニュメント「青りんご」があること。

JR灘駅で降りて、南口からひたすら南へ。



海が見える際まで来ると、そこが美術館。

今回、決めて観に来たのではなく、今やっている展示を観に来たわけで(美術館の確認というか、美術館自体に行きたかったというか)、そういうことは珍しい。東京ではほぼ100%観るものを決めて出かけていたから。思えば、恵まれすぎた環境にあったと痛感する。

まずは、コレクション展Ⅲ[特集]「美術の中の物語」から。

物語と美術の関わり方は様々なので、いくつもの角度からのアプローチで展示が展開される。大変な量なので、各章から少しずつ写真を並べてみる。

I  私たちの物語
ここでは、明治から昭和の始め頃の作品を中心にして、神話や聖書、歴史的な物語を、作家がどのように解釈し、工夫を交えながら視覚化したかにということに注目。

神中糸子「桃太郎」


桃を小さく描くことでファンタジーを回避している。



和田三造「朝鮮総督府壁画画稿」


のろ鹿に導かれた樵が天女と結婚するという朝鮮半島の伝説を主題に描かれている。日本と朝鮮半島の文化的融和を目指した当時の政策が影響したのでは?と推測される。


他の作家の作品も、どっぷり物語というよりも、背景に何らかの意図を持った表現の印象がある。



Ⅱ 画と文の物語


マル・キ・ド・サドの戯曲『双生児あるいは困難な選択』をサルバドール・ダリが描いたグワッシュ原画によるリトグラフ。



すべて撮影したいくらい私のお気に入りだけど、「終わりよければすべてよし」をチョイス。



横尾忠則が柴田錬三郎の文に画をつけたコラボレーション『うろつき夜太』より。



たくさんあった作品の中から、最初に目に入った入った「うろつき夜太Ⅱ」。



Ⅲ 私とあなたの物語


ここでは、誰かの手によって記された物語だけではなく、作家個人の独自の物語を、美術ならではの語り口で鑑賞者と共有する世界が繰り広げられている。



森村泰昌の独裁者に扮したセルフィー作品。




やなぎみわ「案内嬢の部屋B1」で、視線や立ち位置が交錯する。


このコーナー、面白い作品がいっぱい。


Ⅳ 関西写壇物語


「安井仲治ー僕の大切な写真」の写真群は日本のノスタルジィが詰まっていて、撮影不可だったのでここに掲載できないのが残念。


魅力的な作品がたくさんある中で、異色な感じがしたのが…


椎原 治「PHOTO PEINTURE」



Ⅴ 近現代の彫刻ー彫刻の中の物語


そして、彫刻の部屋もあるのだった。




ロダンのドラマティックな「永遠の青春」や「オルフェウス」だけではなく、様々な彫刻作品がずらりとお出迎え。


軍団の彫刻って、得体の知れない圧を感じてしまうにひひ


シーガル,ジョージ「ラッシュアワー」



2Fの展示室へ移動。




Ⅵ 絵が語る人生


写真撮影不可だったので、備忘録メモにて。


小磯良平記念室では、洋画家・小磯良平の作家人生を語る作品たちがその転機ごとに集結。



Ⅶ 風景画は語る


この展示室も撮影不可。


金山平三記念室においては、現地制作を信条にした金山平三の、時代を記録し物語るドキュメントな風景画が展開されている。



[小企画]生誕180年記念「呉昌碩の世界ー海上派と西泠名家ー」

清末から中華民国時代に活躍した「清朝最後の文人」と言われる呉昌碩と、その師友や子息、交流のあった芸術家たちの作品が展示されている。




魅力的な印の数々。




やはり、Ando Galleryは外せない。




青いりんごが遠目に見える。




安藤忠雄が手がけた建築模型や構想スケッチ、ドローイングなどが展示され、自由に閲覧できるライブラリー・コーナーも。







初期に手がけた「住吉の長屋」もある。




以下、写真を並べてみる。







安藤氏が計画した公園も隣接していて、じっくり1日がかりで楽しめる美術館。


今回、横尾忠則現代美術館をハシゴするために、公園には寄れなかったけれど、次回はもっとゆっくり過ごしてみよう。


ここまでほんの一部を書くだけでもひと苦労という感じなので、駆け足だったけれど、今日はこの辺でおやすみなさい。


(電池が切れてしまったにひひ


…素敵な週末を…


Bon Voyage★