『ボーはおそれている』ぐるぐるぐると悪夢は続くよどこまでも | dramatique

『ボーはおそれている』ぐるぐるぐると悪夢は続くよどこまでも

 

最近、映画館通いが復活した勢いで、アリ・アスターの最新作『ボーはおそれている』をポイント鑑賞@TOHOシネマズ西宮OS。

鑑賞後、気に入ったからパンフレットを買いたいというよりも、どういうつもりで撮ったのか知りたくて売店に寄ったら長蛇の列だったので(この映画の観客ではないと思う)、買うのは止めてひとまずレストランへ。何せ西宮ガーデンズとかいう巨大なショッピングモール内なので、ほとんどの有名店が網羅されている。

ただ、ここのTOHOシネマズは、異様なくらいガシャポンだらけで、バーのように微妙な暗さの照明とカーペットが敷き詰められ、とても洗練された雰囲気とは言い難く、もし私にリニューアルさせてもらえるなら、もう少しだけ明るい開放感を持たせて、スタンディングテーブルを幾つか設置したいと思った(余計なお節介かもね)にひひ


パンフレットを買わなかったので、これを書く前に1つだけ、アリ・アスター × 井之脇海の対談記事に目を通してみた。アリ・アスターは本作を「悪夢コメディ」として撮ったらしい。


例によって、とりとめなく感想を書きかけていたら、「ナワリヌイ氏死亡」のニュースが飛び込んできて、ショックを受けている。


(映画.comより)

日常のささいなことでも不安になってしまう怖がりの男ボーは、つい先ほどまで電話で会話していた母が突然、怪死したことを知る。母のもとへ駆けつけようとアパートの玄関を出ると、そこはもう“いつもの日常”ではなかった。その後も奇妙で予想外な出来事が次々と起こり、現実なのか妄想なのかも分からないまま、ボーの里帰りはいつしか壮大な旅へと変貌していく…



冒頭から、ホアキン・フェニックス演じるボーが、とんでもなく治安の悪い地区に住んでいることがわかる。


眠れぬ夜を過ごしたせいで寝坊をして、忘れ物を取るために鍵を鍵穴に差したまま荷物をドア前に置いて一瞬部屋へ入ったら、荷物と鍵を盗まれ、母親に会いに行くための飛行機を逃し、そのことを母親に電話で告げた直後に母は怪死。その後もさらなる怪事件ばかりが彼を襲う。


そういった最中にも、ボーはずっと優柔不断なものだから、どんどん巻き込まれていく。不謹慎ながら笑っちゃったりしながら観ていたのだけど、出会う人がみんなどうかしているのを眺めてると、そもそも人間って変な生き物なんだよね、と思う。


ただ、笑ってるうちはまだ良かったのだけど、延々と手を替え品を替えて続く(繰り返されると言ってもいいくらい)悪夢に、だんだん食傷気味になってきて…


そんな後半、ボーの実家(つまり母親の家)にやっとこさ辿り着いた時には葬儀が終わっており、さらなる展開が待ち受けているのだった。


実は、ボーの母親は偉大なる事業家だったので、とてつもない大邸宅なのだが、そんな御曹司のボーが、なぜ治安の悪い場所に住んでいたのか、そこで何をしていたのか、謎であることに改めて気づく。


母親に反抗して、家を飛び出していたのだろうか?


よくわからないことだらけなのだが、ずっとボーはオロオロし続けているのだけは確かで、だからこそ「ボーはおそれている」というタイトルなのだろうか。


極私的な感想だが、『ヘレディタリー・継承』や『ミッドサマー』(私はこの作品に登場する植物や民俗学的要素が好きだった)に比べると、本作は主人公の外側で起こる数々の事象よりも、主人公本人の不安な存在感ばかりが際立って映画を占めているように感じる。


それは、もしかしたら、ホアキンが演じているから余計そう感じるのかもしれない。それくらいホアキンで充満しているのだ(ホアキンだからこそ演じられたとも言える)。


アリ・アスターの性格が反映されているであろう本作、ひょっとしたらアリ・アスターはマザコンなのかな?…と思ったりする。


封切りの少し前頃から、ボーのパジャマ等が当たるキャンペーンを見かけたのだけれど、もし当たったとしても、何だか悪夢を見てしまいそうだにひひ




遅めのお昼ごはんに、とろサーモンといくらのアボカド丼/お茶漬けをいただきました。




今日は疲れたので、これにて。


作品情報や追記修正など、後ほど戻って来て加筆するかもです。


Bon Voyage★