
先日、ちかぴーさん(母娘で映画ブログを書いておられます)のブログを読んでいたら、『悪い種子』(1956)という映画が紹介されていて、とても気になったので鑑賞してみました@Amazon Prime Video。
作品についてはちかぴーさんのブログが詳しいので、ぜひご覧ください。
今回、とても引用が多いブログになってしまいますが、後半に私の感想を書きます。
(映画.comより)
8歳の少女が殺人事件を犯すショッキングなテーマを描いた作家ウィリアム・マーチの原作を「栄光何するものぞ」の脚本を執筆した劇作家マックスウェル・アンダースンが劇化、ブロードウェイで記録的上演を続けたものを「巨象の道」のジョン・リー・メインが脚色し、「荒野の貴婦人」のマーヴィン・ルロイが監督、同じくハロルド・ロッソンが撮影を担当した。音楽は「ながれ者」のアレックス・ノース。主演は、殆ど舞台そのままで主人公のローダに10歳のパティ・マコーマックのほか「ターザン砂漠へ行く」のナンシー・ケリー、「理由なき反抗」のウィリアム・ホッパー、「傷だらけの栄光」のアイリーン・ヘッカート、「ジャイアンツ」のポール・フィックスなど。
1956年製作/アメリカ/130分
原題:The Bad Seed
※↓映画.comの<ストーリー>で全あらすじが見られるので、映画は観ないけどあらすじを知りたい方はどうぞ。
子供がねえ…ちっとも可愛くなくて(苦笑)。
子供とは純真であるが故に残虐な本能を垣間見せることがある。が、度を越した残虐性はヤバイ。
まだ8歳の女の子ローダは、自分の欲しいものはどんな手を使っても手に入れようとする(欲望に対して純粋なのはエイリアンと同様)。子供が虫や小動物を殺すというのは比較的あるらしいが、その素質が殺人に移行しやすいのは確かだろう。ローダはいきなり8歳から躊躇いなく人を殺めるのだから凄い。
相手の死を何とも思っていない態度も、堂々たるサイコパスぶりである。
また、パーソナリティー障害も複数該当しているか、もっと深刻な脳の問題があるのかもしれない。
母親がカサンドラ症候群の様相を呈しているように見えるが、アスペルガーの家族という限定された分類だけで括れないような気がする。
アスペルガーを含む自閉症スペクトラム(ASD)は人の心を読むのが苦手であっても、残虐であるとは限らない。
子供が正常でなければ、よほど鈍感な親でない限り(親が子供以上に異常なケースもあるかもだけど)苦悩して当然だろう。しかもこの母親の場合、自分の実の母親が殺人鬼だったというレアケースで、悪い種子を受け継いだ隔世遺伝を気に病み、より精神衰弱になっていったようにも思える。
モノクロの古い映画で舞台と同じキャスティングというせいもあるのか、ちょっと舞台っぽい雰囲気の映画だなあと思いながら観ていた。最後の楽しげな役者紹介も舞台挨拶のようだ。
原作は映画と異なり、母親が死に、生き残った娘はこれからも自由に殺人ができる…みたいな結末らしいのだが、それではあまりにも陰惨…ということで、映画では母親も娘も助かり、その後、娘が湖で雷に打たれる。
大きい修正だと思うものの、何だかんだ言って、この映画はその後のサイコパスものの原型になったと思う。
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ここまで書くだけで、なぜかへとへとになってしまったので、今日の猫写真はお休みにします。
(最近、軟弱なんさ〜)
Bon Voyage★