『孤高』@フィリップ・ガレル監督特集 | dramatique

『孤高』@フィリップ・ガレル監督特集

フィリップ・ガレル監督特集にて『孤高』を鑑賞@恵比寿写真美術館。

2回だけの貴重な特別上映の2回目とあって、いつもより混雑気味の写美。

モノクロ・サイレント映画の35mmフィルム上映で80分、場内はシーンと静まり返り、皆一心にスクリーンを見つめている。すげーなシネフィル…って、自分もその中の1人だったわけだけれど、くるくる表情が変わるジーン・セバーグに見つめ返されて息が詰まりそうになる。

彼女はこの5年後の1979年にルノーの中で謎の死を遂げ、ニコはそのまた後の1988年に事故死してしまう…

皆、あまりにも早く逝ってしまった。

『孤高』と題されているもののタイトルもエンドロールもなく、いきなり始まってブチッと終わる、極めてプライベート色の濃い、それでいてとびきり贅沢な緊張感を孕んだフィルムだ。

これだけ孤高な女優や男優が信頼を寄せ、打ち明け話でもするようにカメラを見つめるほど…モテる魅力がガレルにはあったのだろうか。至近距離で実物を観察してみたい気がする。


以下、HPからの作品情報です↓


ガレル自らがカメラを回し、J=L・ゴダールの『勝手にしやがれ』(59年)のヒロイン、ジーン・セバーグ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの歌姫であり妻であったニコを撮ったサイレント映画。その他『唇からナイフ』(66年)、『ベルトルッチの分身』(68年)のティナ・オーモン、ガレルとは『現像液』(68年)で出演経験のあるローラン・テルジェフが出演している。 「心臓の代わりにカメラを」持つフィリップ・ガレルが自ら「アンダーグラウンドの時代」として分類している時代の代表作。

1974年|フランス|80分|モノクロ|サイレント 【35mmフィルム上映】 
監督・撮影・編集:フィリップ・ガレル 
出演:ジーン・セバーグ、ニコ、ティナ・オーモン、ローラン・テルジェフ、ジュン=ピエール・カルフォン



Bon Voyage★