※鏡忍寺は日蓮宗総本山の一つで日蓮聖人の小松原の法難の地に創建された名刹です。 文永元年（1264年）日蓮が念仏宗の東条景信に襲われた（小松原の法難）際に日蓮を守るために討ち死にした鏡忍坊と天津城主 工藤吉隆を供養するために弘安4年(1281年)に建立されました。
人類を救う １００万人の法華経入門 『妙法蓮華経法師功徳品第十九』について ２５
「是の義を解（げ）し已（おわ）って、能く一句、一偈を演説すること、一月、四月、乃至一歳に至らん。」
是の義を解（げ）し已（おわ）って、能く一句、一偈を演説すること、一月、四月、乃至一歳に至らん。
「諸の所説の法、其の義趣に随って、皆実相と相違（あいい）背（はい）せじ。」
諸の所説の法、其の義趣に随って、皆実相と相違（あいい）背（はい）せじ。
「若し俗間の経書、治世の語言、資生の業等を説かんも、皆正法に順ぜん。」
若し俗間の経書、治世の語言、資生の業等を説かんも、皆正法に順ぜん。
「俗間の経書」とは、経済の書です。「治世の語言」とは、政治学です。「世の中は、このようにすれば、よく治まります」ということです。
学問の勉強をして、これらの法を説いても、正法を保った人が説くならば、それは全て正法に変わります。正法を勉強した人が、経済学や政治学を勉強すると、その極意がわかっているから、全てが正法として蘇ってくるのです。
正法を保っている人が、学問を説くと世の中が良くなるのです。何でも良く変わるのです。反対に悪人が法を説けば、全て悪くなってしまいます。本当に正法を保った人が経済学を説くならば、国民の間にお金が循環して、貧乏人がいなくなり、社会全体が潤ってくるのです。
正法を保った人が経済学を勉強して説けば、人々のために役立つことになるのです。全て正法に変わるのです。武術ですら、そうです。「殴った、蹴った、勝った！」とやっているのです。何も知らない人が武道をやれば、「この野郎、俺のほうが強いだろう」となるので、何の意味もありません。
正法を保っている人が、武道を習得するならば、すごい力を発揮することができるのです。正法の正義を守るために武道を習得しているのですから、体も蘇ってくるのです。
日蓮大聖人様の時代もそうです。昔のお坊さんは太刀をもっていました。太刀は差すのではなくて、「太刀を佩（は）く」といいます。お坊さんは、太刀をもっていたのです。道中には山賊がいます。
大聖人様の弟子に鏡忍房日暁というお坊さんがいたのです。そのお坊さんは、剛力で、東条景信の軍勢と戦ったのです。「日蓮を殺せ」と言って、軍勢で押しかけてきたのです。
小松原法難は、文永元年（１２６４年）に、天津に向かっていた日蓮一行が小松原（現千葉県鴨川市）に差し掛かった際に襲撃された事件です。
日蓮大聖人様による念仏批判を受けて、激しく敵対心を抱いていた東条景信らが日蓮大聖人一行を襲撃した事件です。
弟子の鏡忍房日暁と信者の工藤吉隆が殺害され、日蓮大聖人様も額を斬られるとともに左手を骨折するなどの重傷を負ったのです。斬りつけた東条景信も落馬して逃亡したことにより、日蓮大聖人様は難を逃れたと言われています。
東条景信は、馬に乗って殺しにくるのです。それをどうするのでしょうか？ お弟子さんが１０人くらいいて、日蓮大聖人様を守ったのです。守っているから、当然、斬り合いになったのです。
そのような時の斬り合いは、法華経の行者を守るためです。これは、よいことです。悪い奴に殺されて死んでしまったら、法華経の布教はできません。そのために武道を習い、力を強く保つことは、即正法になってしまうのです。正法を保った人が武道を習得すると、即正法になってしまうのです。
「武道を習ったのは、人殺しをするためだ」「すごい槍が手に入ったぞ。この槍で殺しにいくべ」というのは、いけません。
正法を保った人が、槍を持って、「正法を守る」と心に誓ったならば、殺生も正しくなってしまうのです。そのようなことです。（２６に続く）
『妙法蓮華経法師功徳品第十九』
是の義を解（げ）し已（おわ）って、能く一句、一偈を演説すること、一月、四月、乃至一歳に至らん。
諸の所説の法、其の義趣に随って、皆実相と相違（あいい）背（はい）せじ。
若し俗間の経書、治世の語言、資生の業等を説かんも、皆正法に順ぜん。
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