最近は日本刀によく似た刀が出回っています。安い物は9,800円、高い物は15万円くらいまであります。これらは本身(ほんみ)ではありませんが、昔から見たら随分よくなってキレイになっています。
これをめぐって「模造刀とは何ですか?」という質問がよく出てきます。模造刀は本来観賞用の刀です。見て楽しむ、飾って楽しむ、この刀を使って居合の練習をしたり、剣道の型を行ったりするのものではなく見るだけです。目的が違うのです。
その次に居合刀があります。居合刀は実際に練習するからもっと強固にできています。見た目は変わりません。模造刀も美術刀も居合刀も変わりません。構造が違います。刀を振り回していると刃が吹っ飛んでしまうと大事故になります。居合刀はそうであってはならないのです。だから頑丈につくってあるのです。
まして剣道の型で使えるのは、打ち合いがあっても折れない、曲がらないものでなければダメです。それによって値段が違うのです。「美術刀で人を殺せますか?」「居合刀や美術刀に刃をつけたらどうなりますか?」という質問が多いのです。
まず、恐ろしいことを教えてあげましょう。居合刀は刀です。美術刀も刀と言えます。何故かというと、古代の秦帝国で使っていた刀は青銅製です。今の模造刀はアルミダイキャスト、アルミ刀、青銅の刀もあります。
古代の軍勢がもっていた刀は青銅です。その刀で実際に戦っていたのです。青銅の刀で十分人は殺せたのです。上野の美術館で始皇帝の展示会があり、見に行ったことがありましたが、すごいものです。細身の3センチくらいの長い刀でピカピカに輝いていて中身は青銅です。
青銅は放っておくと劣化してきます。だからクロムメッキしてあるのです。クロムメッキが行われたのは、18世紀頃です。それまで人類はクロムメッキなど知らないはずです。ところが秦の始皇帝陵にあった兵馬俑からクロムメッキされた青銅の剣が出てくるのです。ものすごくキレイな剣です。
「触ると手が切れてしまうから注意してください。手袋をして触らないと危険です」と書いてあります。そう考えると何もためらうことはありません。我々が居合刀を持っていたらそれは青銅の刀と言えます。十分人を殺すことができます。
グラインダーで刃をつければ何人でも殺せます。首も切れます。居合刀は立派な刀です。古代はこれが刀だったのです。始皇帝陵の兵馬俑から出てきた刀は青銅にクロムメッキをしたものです。
9,800円くらいの模造刀には刃はつきませんが、10万円以上の居合刀ならば、立派な刃がつきます。そのように思って刀を持つと気合が違ってきます。「俺の刀は本身だ!」と思ってくるのです。偽物ではないのです。
日本でもそれをやった人がいて、僕も1本持っています。刀に砲金を使うのです。砲金とは、大砲の地金です。青銅に様々な物質を混ぜてつくるのです。砲金は鉄ではありません。それで刀をつくると、すごい刀ができます。その刀は青銅ですから銃刀法にはひっかからないのです。この青銅の刀で薪割もできます。
砲金の青銅の刀は500年でも錆びません。刀は放っておけば、100年も経たないうちに錆びてしまいます。すごいものです。
これを日本でつくった人がいます。さむらい刀剣博物館の刀匠の柳田さんがつくったのです。10本つくって、僕も1本買いましたが、なくなってしまいました。すごい刀で一撃です。
模造刀、居合刀といっても、中身はいろいろありますが、モリブデンを入れて固くしてつくったものもありますが、これは本物の刀です。そのような自覚で持ったほうがよいのです。
事実、勝新太郎の息子が模造刀で立ち回りをして、首を刺して相手は死んでしまいました。模造刀でも十分殺傷能力はあります。どのような刀をもっているか、ちゃんと見ましょう。大丈夫です。本物と同じです。そのように見ると手ごろな日本刀が手に入るでしょう。
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