BSプライムニュースで「資本主義は終わるのか?」という番組をやっていました。非常に興味深く見させてもらいました。
昔、ラビ・バトラという経済学者が「共産主義は終わる」と予言したのです。共産主義は、その通りになったのです。ところが、ラビ・バトラは「資本主義も終わるのだ」と予言しています。まだ、それは実現していません。
この話とは関係がないのですが、資本主義はどのような形で終わるのでしょうか。この結論を考えてみました。資本主義が進むと、いくら物をつくっても売れなくなってしまいます。
ということは、物が飽和してしまい、市場がないということです。市場がないのに、いくら自動車を1千万台造っても、買ってくれるところがないと、アップアップです。結局、日本の資本主義は後進国に拠点を移していくのです。日本で造っても売れないと仕方ありませんから、販売も製造も後進国に移っていくのです。
後進国に移っていくと、日本が中心で周辺国に援助をしているような形になりますが、実はそれは違うのです。援助した国に力点がいってしまうのです。日本は物が売れなくなり、利益をうまなくなってしまうのです。
資本主義自体はなくなったわけではないのです。資本主義はお金を投下して利益を出すことです。日本の国内で投資をしても、投資に見合った見返りがなくなってきています。でも、資本主義は消えないけれども、利益を生まないから物が売れなくなってしまうのです。後進国は新天地(フロンティア)であり、誰も車を造ったことのない何も無い所に自動車を造れば、自動車は売れてくるのです。
売れていくと、後進国が儲かります。後進国が儲かっても、日本は利益が出ない状態がこれからずっと続くのではないかと言われています。
アベノミクスもそれが問題で、第一の矢、第二の矢、第三の矢、などと言って、金融を緩めても誰も投資しないのです。投資する物がないのです。自動車はみな持っています。コンピュータも持っています。テレビも冷蔵庫も持っています。何を造ればよいのでしょう。
日本国内で投資をしても、新しい洗濯機を造っても伸びないのです。市場が行き詰まり、でも資本主義は続いていて、利益の上がらない資本主義になってしまいます。むしろ、海外の方がフロンティアですから、自動車を造れば売れるという構図になり、利益が後進国に行ってしまうのです。
そうなると、お金を持っている人は、日本に投資をしないのです。どうやって儲けるのかというと、金利の方に行ってしまうのです。日本国内で工場を造っても儲からないので、お金は持っていますが、そのお金を生むためには金利を生まなくてはいけません。株や、アメリカの国債を買うと利益を生みます。お金を持っている人は、どんどんと利益を生んでいくことができるのです。
お金が無い(資本が無い)人は、人にお金を貸すことができないので全然儲からないのです。物価は上がり、苦しい状態が続いて、お金持ちだけが利益を生んでいけるようになっていくのです。そして、その資本主義の末路は、お金をタップリ持っている人と、何も持たない人と別れて、日本では30%の人が無産階級です。財産が一銭もないのです。すると、「FROM HAND TO MOUTH(フロム・ハンド・トゥ・マウス)」で、食っていくだけで必死で、何も考えないような無産階級が増え、完全に二極化していくのです。これは、資本主義の終焉の形を示しているのです。
「資本投下するものがない」と、テレビでは言っていました。でも、これは違うのです。良い物を造れば売れるのです。洗濯機でもまだまだ余地があります。凄い洗濯機を造れば売れるのです。テレビも3Dテレビ、飛び出すテレビや、新しい発想の物ができてくるでしょう。画像だってもっと綺麗になります。そのようなとびぬけた物を造り、民衆が飛びつけば物は売れるのです。
日本製品は、最高レベルまで来ているように思いますが、いくらでももっと良い物が出来るのです。カメラにしても、船にしても、自動車にしても、まだまだ日本には売れる贅沢品があるのです。絶対に手を抜いてはいけないのは、「皆が欲しがる物をどう作るか?」ということです。良い物ならば、絶対に買ってくれるのです。
「日本の物は凄い」「日本の物は高いけれど欲しいな」と思うのです。人間は高くて手に入らないと憧れの的になってしまいます。「なんとしても欲しいのだよ」と思うと、安い物は手に入っても満足しません。万年筆も、10万円の物もあります。日本製の高級品の10万円の万年筆ならば、誰でも「欲しいな」と思います。
時計も安い時計ばかり開拓しているからいけないのです。カルチェや、ローレックス、ブルガリは、時計が何百万円です。それでも売れるのです。そのような時計も、日本の時計にはかないっこないのです。日本の時計が一番良いのです。安く売っているからいけないのです。
ベンツも売らないのです。ベンツを「欲しい」と言っても、「待ってください。6か月間は手に入りません」と言われるのです。6カ月手に入らないのですから、ますます「欲しいな」と思うのです。「なんとしても、俺はベンツが欲しいのだ」と思ってしまうのです。日本車のようにバンバン造れば、「なんだ、ニッサンか」と言われてしまうのです。
戦略として、どこにも負けない絶対に良い物を造れば産業は活気づいてくるのです。方向が違うのです。「安くて良い物をたくさん作ろう」というのはダメなのです。
本当に良い物、高くても良い物で「日本製は凄い。どうしてもあれが欲しい!」と言われる物を造っていけば、物は売れるので経済が落ち込むことはないのです。
これからは、その方面にシフトしていかなければなりません。これを失敗するとダメなのです。でも、日本人は器用だから、世界の誰もできない物が出来ると思います。
(続く)
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