ウソというものは、真に便利なものです。人間は言葉を持った動物であるからウソということは、当然、通用することになります。
言葉と実体は、一緒でなければいけないから、「ここに赤がある」と言ったならば、赤がなければなりません。「ここに赤があります」と言っても、ここに青があればウソになります。
そのように言葉というものは、必ず実体をともなっているということが大事です。ところが、言葉に何の実体もなくて空虚なものであったならば、空を相手にしているようなもので、そんなものがどんどん広がって国家全体に広がったならば、言葉の裏付けがないのですから、国家全体が空になってしまいます。
これは、「金の裏付けがないお札」と同じです。アメリカはニクソン大統領の時代に、「金と紙幣は交換しない」ということを宣言しました。ということは、アメリカの紙幣は実体がないのです。単なる紙なのですから、燃してしまっても問題はないのです。いくら「お金を持った」と言っても紙なのです。だから、金の裏付けはないのです。
我々も言葉で身を飾っていますが、言葉は便利なものです。「僕、東大を出ました」と言えばすぐに「東大出身」になれるのです。「僕、医者です」と言えば、すぐに医者になってしまいます。「僕は大資産家です」と言えば、大資産家になってしまうのです。
こんな便利なものはありません。なったと言ってもそれは実体がないのです。実体は、「東大卒」どころか、中卒だったりして、宮様でもないのに八百屋の倅（せがれ）が「宮様だ」と名乗ったり、そんな事件がありましたね。有栖川宮事件がありましたが、今でもまだ「宮様だ」と言い張っているのです。このような話は、実体がないのです。御落胤かどうかなど誰にも分かりません。「御落胤ではない」とは言えないのです。
御落胤がつくられたかどうかは分からないのですから、「私は御落胤だ」と言えば、一般の人は分からないのです。それは、普通の家系図にはでていません。「私は、御落胤です」と押し通せば、それで通ってしまうのです。これもウソで、中身が何もないのです。
ウソというものがあれば何にでもなれてしまうのです。お金と同じです。お金も非常に便利です。紙切れのお金があれば、なんでも買えます。どんな大豪邸にも住めて何でも買えますが、お金の中身はないのです。
そのように考えていくと、一番財産として価値があるものは何かというと、金だということが分かるのです。金が高くなろうが、安くなろうがそんなことは問題ではないのです。金の投資で儲かるかどうかではなく、金は中身なのです。金は、「お金」というものの、中身なのです。金は、減りようがないのです。真実の財産は金だということが分かります。
もう一つの財産は土地です。土地は、減りません。「ここに私の土地があります」と言って土地があるならば、土地は財産です。それと同じで中身がある言葉と、中身のない言葉があり、ウソというのは中身のない言葉の事なのです。
このようなウソが日本国中に広まっているのです。恐るべきことです。上から下まで全てウソつきです。本当のところ、福島県の原子力発電所がどれだけの放射能を出しているのか、誰も分かりません。日本政府や東電が説明していますが、ウソばかりです。
エイズもどれくらい広まっているのか、発表がウソなので分かりません。鳥インフルエンザも、ある説では「中国で１０万人が死んでいる」という人もいますが、そうではないとう説もあります。分からないのです。
人間は悲しい動物で言葉を持って考えることしかできません。言葉を持って「それはウソか、本当か？」と打ちかえしていくのですから、こんな便利な道具を使わない手はないのです。政治家は特にウソがお上手になってしまうのです。
選挙で「私は、○○をします！」と言いますが、これもウソなのです。始末に負えません。安倍さんは「ＴＰＰに参加しません」「憲法は改正します」と、ハッキリ言いました。みなウソだったのです。ＴＰＰには、参加を表明して、憲法改正はしないようなことを言っています。憲法を改正しないでウソをついて解釈改憲でやれば何だってできてしまいます。どんなウソでもつけるのです。
日本国憲法の中身は、ウソではなく真実です。憲法に書かれていることは、真実でなければいけません。「憲法はウソです！」と言ってしまったら、どうしようもありません。
憲法は日本国の中身です。中身が日本国憲法の中に詰まっているのですから、憲法は実体でなければいけないのです。それを「ここにこう書いてあるけれども、こうだ！」と言っているのです。自衛隊も本当は違法です。
「国を守る」ということが否定されているわけではないので、「そのために軍隊を持っているのだ」と、そのような解釈改憲から始まったのです。それをごまかして「自衛隊」と言っているのです。[Japan Self-Defense Forces, JSDF]という長い名前を使い誤魔化したのです。
「自衛権までも禁止されていない。自衛のための軍隊である」そのような理屈です。それが「日本を守るためだけではなくて、今度は外国を守るために自衛隊が出かけていくことができるのだ」となり、１個ウソを通過させてしまうと、みんなウソになってしまうのです。
それをやっていくと、政治に対してみなが無関心になってしまいます。「またウソを言っている。こんな奴らと話しても仕方ない。俺は１票を入れないぜ」となると、政治家の方はもっと便利になるのです。
政治家は自分のやっていることに注目してもらい、「政府が何をやっているのか？」ということを監視されたら参ってしまいます。国民がソッポを向いてくれたほうがやりやすいのです。国民が関心を持たなければ、膨大な、百兆円という予算が自由になるのです。政治家は、その金をどこにどう使おうが大判ふるまいで、バンバン使うことができるのです。
年収４８兆円、国債を入れて約１００兆円という大変な金額です。政治家は権力を持っているのです。我々は搾取されるだけで政治家の下には１００兆円というお金が集まるのです。
例えば、１兆円とはどのような金額かというと、神武天皇以来２８００年間、毎日１００万円使ってもなくならない金額が１兆円という金額です。それが１００兆円と言えば、如何に凄い金額かということが分かります。一般の庶民は計算もできない天文学的な数字です。
そのお金をどこに配るか、政治家はみな権限を持っているのです。政治家は美味しい仕事です。何でも自由にできてしまうのです。
もっと昔で考えてみるならば、秦の始皇帝に権力が集中して「あそこに墓を造れ！」と言えば、墓ができてしまうのです。「あそこにピラミッドをつくれ！」と言えば、言うだけでピラミッドができてしまうのです。この喜びはたまりません。「船を１万隻造れ！」と言えば、できてしまうのです。権力を握ると思ったことが何でも実現できてしまうのです。
安倍さんもそうです。自民・公明の連立は、３００議席を超えています。何でもやってしまいます。ということは、ウソのつき放題ということなのです。何でもできるということは、ウソのつき放題、ごまかし放題、出鱈目放題です。
だから「安倍晋三は覚せい剤中毒だ」と言われているのです。それも意味が分かるのです。覚せい剤は幻覚を引き起こすものです。ウソをついているということは、幻覚にのっかり、何でもウソをついていくのですから、覚せい剤中毒患者のように見えるのは当然のことなのです。
権力を握っている人間は快感のはずです。「こっち向け！」とひっぱると、国民が一斉にこっちを向きます。この快感はこたえられないのです。何しろやることなすこと、国民を引きずりまわすのです。「こっちへ行くよ！」と見せかけて、「違う、こっち！」と言うと、肩透かしをくらい国民はポカンと口をあいてしまいます。
何故、この時期に集団的自衛権を行使するのでしょうか？ ロシアのプーチンも「１７日でアメリカのドルは終わる。これからＢＬＩＣＳだ」と言っています。ＢＬＩＣＳは、世界の人口の３分の１が集まっています。実際、石油も中国の元や日本の円で取引されているのです。ということは、アメリカは基軸通貨から滑り落ちてもう終わりなのです。アメリカは産業がないのです。軍事産業しかないので、もう終わりなのです。
国民全体がウソをつくようになったら、その国は亡びるのです。ウソ・ウソ・ウソで会議をやってもみなウソの話なのですから、中身は何もありません。
それが国家になった場合は、遂にウソは国を滅ぼすのです。「ウソつきはドロボウのはじまり」と昔の人はよく言いました。そのことをしっかり知っていなければ日本人とは言えないのです。ウソに価値はないのです。真実に価値があるのです。
ウソを重ねると自分が空になってしまうのです。ウソで固めてしまうと、結局自分が無くなってしまうのです。だから、「信なくば立たず」です。「信なくば立たず」とは、政治家に言っていく言葉なのです。権力を持った政治家は、国民が信じられるようにきちっとやっていくことが政治の要諦です。一旦口から出たことは、謹厳にしていかなければいけません。出た言葉とやっていることが全て違うと、これはダメです。
皆でウソを見抜いていきましょう。ウソを許すな！
『中杉 弘のブログ』2006年より、好評連載中です！
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朝堂院大覚先生と中杉博士の対談「剣道と神道」
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【ＮＥＴ ＴＶ ニュース.報道】
朝堂院大覚 剣道と神道 2014 ・６・５
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