◎ アジアカップ総括 | スマイルノート♪/なかしまたかおベイベー☆

◎ アジアカップ総括

(『イラン戦 ~レビュー~』のつづき)



今回の敗戦や監督の采配を受けて解任の声があがってるようだけど、個人的には実は続投でいいかなと思ってる。
1年前なら解任一択だったけども、この一年で監督自身の成長も見てとれたので今後も続投することで改善されることもあるんじゃないかという思いがあります。

ここ1年で改善されたポイントを挙げると…
・選手選考に偏りや変な好みが無くなったこと。
・ターンオーバーの傾向がある程度出てきたこと。
・W杯から逆算して目の前の試合に臨むことが出来るようになったこと。

そして。
森保さん自身に戦術がないことは今回で重々わかったけれど、森保さんが監督でいることの強みは一つあるなと思うわけです。
それは、日本人コーチを現場で育成できるということ。
今は名波・斉藤・前田コーチらが名を連ねていますが、大会前には憲剛・内田がロールモデルコーチとして就きました。
これはデカい。
場合によっては俊輔をFKコーチに招いてもいいでしょうし、GKが弱点なら川口や楢崎を雇い入れることも容易い。
仮にプライドや能力に色濃い監督がトップにいたら、そういったことはなかなか難しいはず。
森保政権の利。

あと金銭面の部分。
例えばクロップが今シーズン限りでリバプールの監督を退任すると表明いたしまたが、彼みたいな人物が日本代表の監督に就いてくれたらば そりゃぁもう有難いわけです。
でも いくらかかるの?という話。
“良い監督”はやっぱりお金がかかる。
森保さんの年俸は2億円らしいですが、そのギャラで雇える一流監督がどのくらい“余って”いるか。
そういった点でも、森保さんで妥協するというのも悪くはないのかなと。



名波コーチ・森保監督



監督よりもコーチよりも選手よりも何よりも、今回は協会の至らなさを痛感してしまいましたね。
伊東純也の事件を受けて、彼の所属先であるスタッドランスは“動かず見守る”という決断を公式で発表しました。(※ソースはコチラ。)
これがワールドスタンダードな対応だと思うのよね。
JFAはスポンサーの圧力や世間体に押し負ける形で“推定有罪”という判断をしてしまった。

昨今の日本人選手たちというのは次々とステップアップを果たしていて世界基準たる人材が豊富になってきました。
だけど協会は完全に取り残されている。
JFAがどうにもこうにも世界基準になれないでいる。
来月 田嶋会長が退任して新たに宮本ツネ氏が会長に就任する見込みだけども、彼が抜本的な改革を何かおこなってくれればいいが。。。
“前に倣え”じゃ日本サッカー界は次のステージには進めないと思います。

今回のアジアカップで最も痛切に感じたのは そこでしたね。
ピッチ外の部分。
これは切ない。



田嶋会長・宮本専務理事



テーマが少々広がってしまいましたが、ミクロな部分に目を向けると 日本代表が早急に手を打たなきゃいけないのは やっぱセットプレーでしょうね。
攻守において稚拙すぎる。
攻撃時にはアイデアが全くないし、ゾーンで守るやり方はミスマッチを起こしやすい。特にファーサイド。
きちんと取り組めば一週間で改善できるような問題を、5年余も放置しているのはいただけない。
一体いつになったら着手するのだろうか?という思いがずっとあります。

カタールW杯からなんだかんだで一定の結果を出し続けていた日本代表でありますから、鼻がグングン伸びていた部分もあるでしょう。
それをアジア相手に折られてしまったというのは少々ショッキングな出来事ではあったけれど、いい薬になったかも知れません。
ここで優勝なんかして、結末としてジーコやザックの二の舞になるよりは良かったと捉えることも出来ましょう。



ジーコ・ザッケローニ



日本代表目線ではそんなカンジで大会全体に目を向けると、日本・韓国・オーストラリア・イラン・サウジといった優勝候補たちが全滅するという なかなか荒れた展開で。
傾向として そういった ある程度ヨーロッパナイズされたチームが、荒々しくも情熱的なチームに迫力で負けたという部分があったような気がしてます。

あと5-4-1でブロックを敷くチームがやたら多かった印象ですね。
韓国も途中から5-4-1に変えたし。

日本がW杯で勝っていく上で、これらの傾向は大いに参考に出来るところかと思います。
ディフェンシブでありつつ情熱や勢いでもって攻撃を仕掛け、相手を凌駕していくということ。

・・・ん?待てよ。
これってカタールW杯のときの日本代表やん。
あれを徹底すればいいんだ?

嗚呼。。。
ここ1年の“能動的なサッカー”という取り組みが全部 間違いのような気がしてきたぞ。


(敬称略m(_ _)m)