起業のすすめ〜さよなら、サラリーマン〜
佐々木紀彦 著



 
※少しネタバレあり
 
⭐️概要⭐️
 
●この本、どんな本?
マスコミやNewsPicks編集長などを経験後に起業した著者が語る、これからの日本で自由に生きるために起業をすすめる理由や、そのステップについて書かれた本。
 
具体的なデータを盛り込んだ根拠ある展開で、著者が起業家を輩出することに使命感を持っていることが伝わってきます。
 
●明治の志士がもし生きていたら
 
坂本龍馬、西郷隆盛、福沢諭吉のような維新の志士たちが生きていたら、何をするだろうか。政治家?官僚?大企業の経営者?私はどれも違うなと思いました。
 
彼らが選ぶのは、きっと起業家という道。今の秩序を疑い、世界中を飛び回り、次々と事業を立ち上げていくはずです。
 
今のインターネットやAIなどの分野で孫正義さんも超えるぐらいのスケールで大勝負を仕掛けていたでしょう。
 
●起業家に関する誤解
 
今の日本には社長として働いている人が何人いるでしょうか。
 
会社員からすると社長は珍しい存在かもしれません。
 
法人の数が385万(自営業者が半分)あるので、ざっと30人に1人は社長です。起業する、経営者になるというのは、そんなに大それた話ではないのです。
 
起業家というと世間のイメージはサイバーエージェントの藤田晋さんやホリエモンのようなイメージでしょうか。
 
起業家のことは英語でアントレプレナーと言い、アントレプレナーシップの「シップ」は「技量」や「能力」と訳されます。
 
イノベーションを遂行する能力や技能であり、それは後天的に学べるものです。
 
●起業家になるべき理由
 
なぜ起業家になることを勧めるのか。それは「サラリーマン思考からの卒業」。起業を通して「起業家マインドセットをインストールできる」から。
 
起業家とサラリーマンの違い
 
①不確実な状況下で成功する能力→サラリーマンは確実な状況下で成功する能力
 
②プロジェクトをみずから始め、自分のものにする強烈な願望→サラリーマンは既存のプロジェクトを引き継ぎ、会社のために成長させる願望
 
③他人を説得できるというかけがえのないスキル→サラリーマンは社内を説得できるというかけがえのないスキル
 
とはいっても、起業家に対して優しく、人格者だと思ってはいけません。
 
起業家とは何かしらの狂気を宿しており、生半可な気持ちで近づくと大火傷するからです。
 
 
●お金がもたらす3つの自由
 
たくさんのお金の話をしますが、なぜかというと、お金は自由度を格段に高めるからです。
 
経済的な自由は、精神的な自由につながり、人生の自由度を高めます。
 
①クリエイティビティの自由
世の中には、貧乏やハングリー精神から生まれるものはたくさんある。ただし、ことクリエイティビティに関しては、お金や環境に恵まれている方が、いいものが生まれやすいから。
 
②インプットの自由
本でも食事でも旅行でもアートでも、良質なインプットにはお金がかかるから。
 
③チャレンジの自由
一定額の資産は、人間を自由にする。本当にやりたいことに打ち込めるようになる。
 
東京では年収1000万円あっても、家賃や子供の教育費を考えるとカツカツ。3000万円ぐらいあれはインプットに惜しみなくお金を使えるし、仕事を選ぶ自由も出てくるから。
 
●起業にまつわる誤解
 
いくつかあるうちの一例で、「起業するには若くないといけない」というものについて。
 
東大在学中に起業したホリエモン(23歳)や、24歳でサイバーエージェントを創業した藤田晋さんなど、若くして起業する人はいますが、少数派です。
 
ボリュームゾーンは40代(38.1%)と30代(30.7%)。29歳以下は4.8%にすぎません。
 
ミドルエイジ起業の強みは「人脈と経験」です。
 
また、40代になると公私共に挫折を味わった経験があり、欲は落ち着いてきて、まわりに貢献したいという利他心が強くなります。
 
…他にも起業家型キャリアの5つのタイプ、起業を成功させる5つのステップなどありますが、続きは本書で♪
 
⭐️感想⭐️
 
わかりやすく、データもたくさんあって納得しながら読める一冊ですヽ(・∀・)
 
僕も起業して良かったと心底思えますが、こういった起業家マインドが広がっていくと日本はさらに良くなりそうですヽ(・∀・)