それを思うと、坂本企画『抱えきれない わたしを抱いて』東京公演の会場であった「三鷹SCOOL」さんのトイレは素晴らしかった。







 場内に一箇所しかないため、スタッフ陣も俳優陣も、お客さんもみんなみんな入れ替わり立ち替わり使うことになる。






 そうなると、脱臭や遮音の問題が出てきそうなものだが、「三鷹SCOOL」さんのトイレは違った。およそ半畳ちょっとのスペースしかないのはどこのトイレも似たようなものだが、この会場には大型の換気扇がついているのである。






 「うわデカッ!」と誰もがツッコむハズである。個室には流石に大きい。頭でっかちな感じ。しかも驚くことに、通常の小さな換気扇も存在しているのだ。もちろんそれは常時運転中。それに加えてこの大型換気扇。外付けのスイッチをオンにすれば、ガチャリという音とともに、大きな大きな換気扇がドッコイショと重い腰を上げ、すぐさま強力な排風が始まる。この大きさのトイレにこの換気扇というアンバランスな組み合わせは42年間生きてきて一度も見たことがない。この大型換気扇のおかげで、脱臭の問題は難なくクリアされた。






 しかも、この換気扇、轟音である。流水音に頼らずとも完全に音をかき消すことが出来るのである。大型換気扇一つで、脱臭と遮音の問題はクリアされたのである。