「はるなつふゆと七福神」
賽助 ディスカバー文庫
を読みました。
会社をクビになった、榛名都冬(はるな つふゆ)のもとに、七福神の福禄寿と寿老人が訪ねてきます。
ニ柱は、七福神の中でも地味なので、インターネットを使って宣伝してほしいというのです。
そして、都冬のところに神様や妖怪が出入りするようになります。
そんな中、大黒天と恵比寿が戦いを始めてしまいます。
影響は、都冬の妹、友人を含めた人間にも及んできます。
五柱の七福神と妖怪、都冬が戦いをどう収めていくか…というようなあらすじです。
賽助さんは、ゲーム実況グループ「三人称」の鉄塔さんだそうです。
ゲーム実況というのがどういうものかわからないので、イメージで…。
実況というのを生業にされているのだから、話の描写が生き生きとしているなぁ…と感じました。
物語では、都冬の想い人、仁谷くんが言ってくれた、
「内角の和は同じ…ダメなところもあるけれど、他のどこかがいいかもしれない」
という言葉を大切にしています。
自分はダメダメだけど、どこかいいところがあるはずと…。
都冬の場合、神様や妖怪と知り合いで、交渉もできちゃうというところなのですが、普通はなかなかいいところなんか思いつきませんよね。
でも、悪いところばっかりに目が行くと、ちょっとしたいいところ(ホント些細なことが多いと思います)に気づかなくなってしまいます。
そして、長所短所は裏表…自分がダメだと思っていることは、実はいいところともとれるかもしれない。(悪いことをいいように言い換える)
けっこうこういうことが、生活していく時に大事なんじゃないかなぁ…と思っています。
ポジティブシンキングというよりも、生活の知恵という気がします。
都冬の部屋に神様や妖怪が集っているところは、ほのぼのしたかんじです。
その中で、福禄寿と寿老人の連れている、鶴のおつうと鹿のひよどりがなんだか可愛かったです。
この子たちを、お話に入れてくれてうれしかったです。