「あずかりやさん 桐島くんの青春」

    大山淳子  ポプラ文庫

を読みました。


特に、一番最後の“海を見に行く”が良いなぁと思いました。


桐島くんが通っていた盲学校が舞台です。

誰もが持っている、青春時代の不安。

それにプラスして、目が見えない不安、見えなくなっていく不安。


結果を出しているのに認めてもらえない。

(盲人ということで、まずかわいそうと思われる)

反面、自分はできていると思うが、知らない場所に行くとなにもできなくなってしまう。

海に連れてきたはずの女子 石永さんの方が人に声をかけてどんどん進んでいけることに気が付く。


そして、桐島くんは家に戻ってあずかりやさんを始めようと思う…というところに繋がっていきます。


心に引っかかった文


◯ふたりがぼくを不幸だと決めつけていることがくやしかったのだ(P.205)

→わたしは、人からかわいそうと言われるのが嫌いです。まだつかみきれていないのですが、ここが自分のなにか考えなければならない所だと思ってはいます。


◯「はず」という側は案外確信を持っているんだと気づいた。そして言われるほうは不安なのだ。(P.214)


◯見えない目標に向かって試行錯誤するのが芸術家で、見えている目標に向かって試行錯誤するのが職人。(P115)


まだ続きの巻が出ているので、読んだあと最初から読み返したいと思いました。