善人長屋の続編

「大川契り」「閻魔の世直し」

   西條 奈加  新潮文庫

を読みました。


「大川契り」は短編で、「閻魔の世直し」は長編です。


「大川契り」は、舞台である千七長屋(善人長屋)の差配の家、質屋千鳥屋の家族のことがだんだんわかってきます。

(主人公の千鳥屋の娘、お縫がだんだん知っていくというかんじです)


江戸時代だと、華やかで安定した時代だというイメージをもっていました。

読んでいると、特に女性や男性でも子どもだと売られたり、男性も酒や博打で転落していったりというリスクがすぐそこに転がっているというのを感じました。

これは、今の社会でも同じかもしれません。


「閻魔の世直し」は、“世の中を良くしたい”と思っている人が、善悪…白黒…1かゼロのように極端に考えているとどうなるか?というような話です。


これ以上書くとネタバレのようになってしまうので書けませんが、解説で書かれていたように、やはり現代社会にも通じるものがあるなぁと考えさせられます。


悪人は全てが悪か?

善人なら薄暗いような所は1つもないのか?


悪いことをするのは良くないと思います。

でもやってしまう時もあると思います。

そのあとどう思うか?


心の中では色々なことを考えてしまいます。

それを行動に移してしまうかどうか?


そのあたりで、人の善悪のようなものは考えられるのではないかと思いました。


お話しはおもしろいので、サクサク次が読みたくなりますよ。