「善人長屋」

  西條 奈加   新潮文庫


西條奈加さんは、「まるまるの毬」「無暁の鈴」を読んでおもしろかったので、この本も買ってみました。


2010年の本なのですが、帯にTVドラマ化のお知らせが付いていました。だから、目立つところに置いてあったのでしょうか…。


長屋の住人たちが、裏稼業(スリ、盗人、美人局、情報屋など)を使って、事件を解決していくというお話しです。


西條さんの文章が好きなので(するする読めてしまう)、どんどん読んでしまいました。

続編も出ているので安心です。


余談です。


文庫の表紙の絵のなですが、

水色の地に水色の月代(男性の頭のさかやき)が鮮やかに映えていました。


見ていたら、

「なんであんな髪型をしていたのだろう?」

と思ってしまいました。


調べてみると、

平安時代ごろは、冠や烏帽子をかぶっていたので髪の毛をその中に入れていたそうです。


それが戦国時代になると兜をかぶるので、

「合戦の時に頭に血が上がる」(蒸れる?)

から、髪の毛を抜くようになったそうです。

宣教師が血だらけになっている武士を見たとの文献もあるそうです。

 國學院大学 根岸茂夫 教授


髪を抜いたというのは衝撃でした。


江戸時代になると、兜も冠もそうかぶらなくなつたので、剃るようになり、ファッションになっていったようです。


総髪(剃らない)の人はいましたが、月代があるのに、カミソリもあてていない人は、不精者とかお金がないとか思われていたようです。


女性の結い髪も大変で、寝る時も、寝た気がしないのではないか?と思ってしまいます。

慣れなのでしょうか?


髪の毛のことだけでも、今の時代にいてよかったなぁ…と思ってしまいました。