happiness 202 | 大宮さんと一緒 。。。

大宮さんと一緒 。。。

大宮さんの妄想BL小説です。
色々、大丈夫な方のみお読み下さい。

にのちゃん大好き♡嵐さん大好き♡

大宮さんに癒されて、ドキドキして、毎日幸せ。

嵐のみなさんずーっと、幸せをありがとうございます!




家に着くと、かずはハルの様子を確認して、よく眠ってるのを見ると安心したように少し笑った。


それからコーヒー淹れるって呟いてキッチンに入っていく。


いつもよりハッキリした口調が、耳に残る。


松にいの家で見せた、あの強い視線のせいなのかな。

どこかふわふわしていた足どりが、しっかりとしてるような気もする。


色々気になってかずの後ろ姿を見ていた。


コーヒーを手に振り返ると、そのままリビングに歩いていく。


いつもの場所で、俺がカバンから取り出した『MUSIC』を膝の上にのせてページをめくっていく。


何度も何度も繰り返し読んで。


かずの目がキラキラしてて、泣きそうなのに笑ってるようにも見えて。


そんなふうに分かりやすく表情が出ている事が、かずに何かが起こってるって教えてくれる。


じーっと絵本を見つめては、ページをめくっていくかず。


その目にはやっぱり感情が見えた。


久しぶりにそんなかずの目を見れたことが嬉しくて、嬉しすぎて少し胸が苦しくなるくらいだった。














五線




ぼくのせかいは五線紙のせかい。


音が

聴こえた


スティックを振れば音符がはずむ。


1歩。


ぽろん。


2歩。


ぽろんぽろん。



手をかざす。


しゃらららん。


ひびく

ぼくのせかい。



音。音楽。ミュージック。


はずみだす 

ぼくのせかい。


ぼくのせかいは音楽のせかい。






ある日星空が浮かぶ海でキミを見つけた。


星がながれたら

音がひびいた。



つなぐから。



ぽろんぽろん。


ひとりなのにふたつの音。


歩く

あしもとから。



しゃらららん。しゃらららん。ぽろろろん。


ほらね


音が一緒に、おどりだす。










どれくらい経ったのか、ふっと窓の外を見るとノートパソコンを持ってきたかず。



一心不乱に文字を打ち込んで、時々無意識に首をコキっと鳴らしては、またカタカタとキーボードを鳴らしていた。


周りの音も、時間も感じてないみたいに、かずはのめり込むようにキーボードを叩き続けてた。


それは声にならない何かを書いているのか、それともかずの中から溢れ出る何かを書いているのか、俺にはわからないけど声をかけることもできなかった。



静かだけど激しいその姿は、俺がまだ見たことの無いかずの姿で、作家ってこうなのかと目を離すこともできなかった。


何時間過ぎたのか突然腹の音が鳴って、時計を見るととっくに夕飯の時間で。


冷蔵庫にあった冷ご飯をレンジでチンして、おにぎりを作った。


かずにおにぎり食おうって声をかけても反応しないから、肩をトントン叩いたけどダメで。


もう一回「食うぞ」って言ったけど全く反応しないから、口に無理やり突っ込んで何とか食べさせた。


その間もパソコンを叩く手は止まらなくて、薬も口に突っ込んで、その後水をどうにか飲ませた。


風呂も入るぞって言ったって当然反応しないから、明日の朝にでも入ろうって気持ち切り替えて、カタカタ鳴り続けるキーボードの音を聞いてた。



寝る時間になってもかずが寝る気配は無くて、もう色々諦めてただかずの横顔を見てた。


休みなく指を動かしながら、小さくほころぶ口元や、ぐっと眉間に寄るしわ。


小さいけどその変わっていく表情が、書いてる話を表してるようで、飽きることはなく見ていた。



カタカタと鳴るキーボードの音と時々フーッと吐く息の音だけが響いてた。



いつまで書くんだろうなって何度目かに思った時、ふと瞬きがゆっくりになって、ゆらっとかずの身体が揺れたと思ったら、隣に座ってた俺の膝にくたっと倒れてきた。


倒れたのかって慌てて顔を覗き込んだら、目を閉じてスヤスヤと眠ってた。


指はまだピクピクと動いてて、パソコンの電源も入ったままだった。


寝落ちしたんだなってホッとしたら、俺もめちゃくちゃ眠くなってきて、俺も身体に力が入ってたんだって気づく。


ソファーの上の毛布を引きずりおろして、二人で包まってそのまま眠った。