happiness 143 | 大宮さんと一緒 。。。

大宮さんと一緒 。。。

大宮さんの妄想BL小説です。
色々、大丈夫な方のみお読み下さい。

にのちゃん大好き♡嵐さん大好き♡

大宮さんに癒されて、ドキドキして、毎日幸せ。

嵐のみなさんずーっと、幸せをありがとうございます!



2階の廊下で、かずは座ったままでいた。


「かず、ご飯作ったから下に行こう」


小さく踞るかずの横に膝をついて話しかける。

目を覗きこむけど、俺の方を見ることなく膝の上に顔を乗せてる。


さっき見たスマホのかずの顔が頭を過ぎる。


「かず、かず」


返事をしないかずに、それでも声をかける。


声は聞こえてる。

ゆらっと目が揺れる。


だけど返事もしないし、俺を見ることもない。

そのことがどうしようもなく苦しくて、気持ちを切り替えたはずなのに、また泣きそうな気持ちになってイライラする。


俺ってこんなに女々しかったか?

それとも心が狭いのか?



これ以上かずになんて声かけたら良いのか分かんなくて焦る。

どうしたらいいんだよって思ってたら、相葉さんがかずに話しかけてくれた。



ご飯食べなきゃダメだって言う相葉さんの顔を見て、食べたくないって答えるかず。


相葉さんには答えるんだな。


相葉さんは、かずにとって大切な存在。
そんなこと分かってた。

だけど、こんな風にずっと俺の存在を無視されるのはやっぱりキツイ。


相葉さんも櫻井さんもキツイはずで、俺がかずを支えなきゃいけない時なのに。


あまりにも頑なに俺を拒否してるみたいなかずを見てるのが苦しい。


俺がここにいる意味ってあるのか?
かずに拒否されてる俺に何が出来る?



返事はしても相葉さんの言葉に従うわけじゃないかず。

青ざめた顔色で、どう見たって具合の悪そうな相葉さんが、一生懸命柔らかい声でかずに話しかけてるのに。



なんで?

大好きなんだろ?


分かんねぇ。
かずの気持ちが分かんねぇ。


分かんない自分にイライラがつのる。
こんなんで、かずを支えていけるのか?


話を続ける相葉さんの顔には疲労の色が見えて、相葉さんが少しだけ強い声でかずの名前を呼んだ。

その声に櫻井さんの柔らかい声が重なる。


「和」
「二宮くん」


静かな声だった。


「お願いがあるんだ。少し雅紀とふたりにさせて欲しい。休ませたいんだ。雅紀の顔色が良くないのは、二宮くんにも分かるよね?」


返事をしないかずに、それでも柔らかい声で話し続ける櫻井さん。


その声はかずだけじゃなくて俺にも響く。


ご飯は無理に食べなくても良いけど、食べた方がいいって。

親子丼、美味しそうだったって。


こんな時に美味しそうだったとか、この人ってズレてんのか?

だけど、ささくれだった気持ちが少しだけ楽になった。


櫻井さんの言葉に、疲れた顔の相葉さんも笑った。

そんな相葉さんを愛しそうに大切そうに見つめて、無理は良くないって抱きしめて、また髪にキスをして、それから静かな静かな声で言った。


「少しでいい。ふたりにさせて欲しい」


そうしなきゃいけないって、その声が教えてくれた。

櫻井さんの低くて静かな声は、焦ってた俺の気持ちも落ち着かせてくれるけど、それが心地良く感じるほど、どうしたらいいのかわからなくなる。



じっと相葉さんを見つめてたかずの瞳がゆらっと揺れて、俺の出してた腕につかまってフラフラと立ち上がった。


櫻井さんに抱きしめられる相葉さんを少しだけ見つめたかずは、ゆっくり歩き出す。


おぼつかない足元を支えるために腰を抱いたけど、嫌がられないことにホッとしながら、ゆっくり階段を降りた。





潤が、俺と潤の分の出前のカツ丼を並べて、お茶も用意して座って待っててくれた。



「潤、待っててくれたのか」

「どうせ食うなら、1人よりみんなで食った方がいいじゃん」

「うん。そうだな」

「二ノ、それ大野さんがマジな顔して作ってたぞ」

「.........」

「食おうか。かずも少しでも良いから食べような」

「.........」

「いただきます」

「いただきます」



かずは何も言わないままだったけど、レンゲを手に取ってじーっと親子丼を見つめてた。


俺と潤がバクバク食べる横で、そっと親子丼をレンゲに掬ってゆっくりと口に運んだ。


はむっと口の中に入った親子丼をもぐもぐ食べてる。


俺の作ったものを食べてる。

話はしないし、反応もない。


だけど、食ってくれた。


かずのことを意識しすぎないように、潤とくだらない話をしてカツ丼を食べた。


少なめに作った親子丼をかずは半分と少し食べて。


「ごちそう.....さま...」


レンゲを置いて、ゆっくりと手を合わせてごちそうさまって言った。


嬉しかった。

すげえイライラしてたのに、たった一言。

ごちそうさまって消えそうな声で言ってくれたことが、どうしようもなく嬉しかった。


気づいたらかずをぎゅっと抱しめてた。


「かず。食べてくれてありがとな」


腕の中のかずは無言だったけど、少しだけ耳が赤くなってて、可愛かった。



食器を流しに置いて、かずを洗面所に連れて行って歯磨きをするのを見守る。


それからダイニングで薬を飲ませて、ソファーに座らせた。



「かず、食器洗って来るから少し待っててな」


返事をしないかずの膝に小さなブランケットをかけて食器を洗いに戻った。