その日のミーティングは、なんだか楽しくて笑ってばっかりいた。
逆バンジーしようなんて潤くんが言い出して、翔さんが固まって、まーくんはワクワクしてた。
さとしは俺の顔を見て、ニヤッと笑って
「それ、決定な」
って、嬉しそうに言った。
後で、なんで?って聞いたら
「みんなの前でもイチャイチャ出来そうだったから」
なんて真顔で言っててそれが面白かった。
「じゃあ、今日はここまでにしよう。続きは明日、よろしくお願いします」
潤くんの言葉でみんな立ち上がって部屋を出て行く。
スタッフがみんな出て行ったところで、おーちゃん...じゃなくて、さとしが話しかけてくる。
「かず、どっち?」
何のことだか分からなくて首を傾げた。
「可愛いなぁ」
俺を見てニヤけるおじさん。
「さとし?どっちってなんのこと?」
「だから、おいらん家とかずの家のどっちに帰る?」
たずねる俺に、なんかドヤってるさとし。
いや、意味わかりませんけど。
「俺は俺ん家で、あなたはアナタん家に帰るんじゃないんですか」
「違うよ!より戻したんだから一緒に帰るんだよ。明日もミーティングだから、一緒に帰って一緒に来ればいいだろ?」
「マジ?」
「マジ!!」
「ひゅー!おーちゃん積極的ー!!」
「だろ?」
「てことは、初夜?」
「そうだといいんだけどなぁ」
楽しそうに話し出す天然な2人。
待って。
色々ついていけてないのは俺だけなの?
より戻したんだから一緒に帰るってなに?
しょ.....初夜とかっ..........。
ダメだ。恥ずすぎる。
カバンを肩にかけて、コソッとドアに向かったら後ろからガシッと手首を掴まれた。
「逃がすかよ」
捕まったのは俺で。
捕まえたのはさとし。
「行くぞ」
グイッと引っぱられて、手首の熱さにドキドキしながら部屋を出る。
「じゃあな」
「また明日ね」
「いい夜をー!」
訳のわからない声援が、閉じかけたドアの中から聞こえた。
ヤバイよ。
顔が熱い。
アンタに掴まれた手首も熱いけど、気持ちが昂って落ち着かないよ。
ねぇ、さとし。
どんな顔してるの?
俺は、心臓破裂しそうなくらいドキドキしてるよ。
本当に俺、今夜アンタのモノになるの?
どうしたら良いのかわからないまま、さとしの後ろを歩いた。