いつもの店で飯を食って、老舗のワインバーで偶然居合わせた結構仲のいい女優さんにびっくりしながら挨拶して。
予約した席に案内されて
『カンパーイ』
先輩とゆっくり飲み始めた。
「ニノ、いい仕事くるんだよなぁ」
「本当に恵まれてます」
「がんばれよ」
「もー、心臓バクバクですよ?」
「大丈夫だよ、ニノは天才肌だから」
「それ、もう准一クンのギャグみたいになってんじゃん」
「ばーか。本気だわ」
「ふふ。相変わらずですねぇ」
「素直にありがとうって言っとけ」
「ありがとうございます」
「そうそう。本当にお前、可愛いよなぁ」
いつもみたいに楽しく飲んで、ちびちび食べて。
そして、今。
先輩を帰りの車に乗せようと思ってたら、俺の家に行くって言い出して、ワガママ大王の顔を全開にしてる。
「いいから見せろよ」
「やですよ」
「なんだよ、俺の言うこと聞けないんだ?」
「そっ、そうじゃないけど。でも.....」
「じゃあ見せろよ」
本当、なんでこの人の呼び出しに応じちゃったんだろなんて、今更なこと考える。
いや、大好きですよ。
大好きな尊敬する先輩ですよ。
だけどさぁ、どうゆうわけか昔っから俺には甘えてくる癖があるっつーか。や、俺もね、嵐としてどう頑張っていったら良いのか悩んでた若い頃から、この人に相談したことは多々あるから、なんとなくこの人には弱いっつーか。
あー、もう。どうしようかなぁ。
ただでさえこんな時間になっちゃって、さすがに朝帰りだろって言われそうな時間も近づいてて、これ以上ぐずぐずしてらんないのに。
「なぁ、お前ん家行かせろって」
「もー、マジなの?」
「マジだわ!」
「ちょっ、声大きいよ」
「見せろよ、アレ」
あーあ、この状態になったら、もう何言ったって無駄だもん。
仕方ない.....。
仕方ないんだけど.....明日、しょーちゃん怒るかもなぁって思いながら2人でタクシーに乗りこんだ。