「和.....起きれるか?」
頬に手のひらの感触。
ふうっと目を開けたらさとしが笑ってた。
「和、家着いたぞ」
「ほえ?」
「家、帰ってきたよ」
「え?あ、えーー!!」
優しいさとしの声を聞いてて、なんだかまた眠くなりそうなんて思ってたら、え?嘘でしょ?俺、ずっと寝てたの?
「ごめんなさい!ずっと寝てたなんて」
「なんで謝るのー。可愛い寝顔ごちそうさまだよ。ね?しょーちゃん」
「ん?そうだな。智くんがニノのこと好き過ぎるから仕方ないよなあ」
「和の寝顔もおいらのだぞ」
「はいはい。おーちゃん今日は、ゆっくり休んでね」
「おう。ありがとなあ」
「あ、ありがとうございました」
なんだか恥ずかしいこと言われた気もするけど、車から降りてくれた翔さんと相葉さんから、自分達の荷物を受け取る。
バイバイまたねーって、手を振って見送って。
少しだけ寂しい気持ち。
楽しいお出かけや、集まりの後はなんでだろうね、お留守番の子どもみたいな気持ちになる。
自分だけ取り残されてしまったような
世界に一人ぼっちになってしまったような
その寂しさも、今はそんなに感じなくなった。
だって俺の隣には、いつもこの人がいるから。
隣に立って、俺の手をぎゅっと握る男の人。
その手はいつも俺を守ってくれる。
顔を見合わせて、少し笑って部屋に戻った。
お正月休みは、近所の神社に初詣に行ったくらいで、後はお家でのんびり過ごした。
TVをつけて「このタレントさんさとしに似てるねー」とか、「いや、アイツが和に似てる」とかそんなこと言い合ったり、ひたすらゲームをしてみたり。
さとしは、山での景色をいくつも鉛筆でスケッチブックに描いたりしてた。
明日からはまたアルバイトだねって話してた時、さとしから聞かされた話に、俺はびっくりして1も2もなく頷いていた。