「かず」
「なんですか?」
「今日、一緒に帰ろ?」
「なによ、急に.....」
「いいだろ?」
「いいけど.....あんた今、忙しいでしょ」
「お前に会うのは別。こっちのが大事」
そうゆうこと、なんで普通の顔で言っちゃうのかな?
なんでみんながいるのに、そんな甘い顔しちゃうのかな。
「仕方ないから、行ってあげます」
「ありがと」
ふにゃんと笑ったあなたに、惚れ直しそう。
相葉さんが「素直じゃないなあ」とか言ってるけど、これでも頑張ってるんです。
さとしは、みんなの先生。
みんなが1歩前に進むのを、後ろから支えてくれてる。
俺はね、そんなさとしを癒してあげたい。
だってさとしは、いつだって俺の先生だから。
ずっと憧れてた。
ずっと好きだった。
あんなふうに、ブレない人になりたい。
「かずぅ」
「なんですか」
「おいらって、お前の何?」
「さとしは、俺の先生です」
「えー!なんで?恋人じゃないの?」
「うん。さとしは、先生」
「えー!!」
さとしの部屋、お気に入りのソファーで、俺の膝に頭を乗せてコロンとしてるさとし。
質問に答えたら、口を尖らせてぷーっとしてる。
「ね。さとし」
「なんだよ」
不貞腐れたさとしの耳元で、小さな声で囁いた。
「だって、俺の初めてはさとしから全部教えてもらったでしょ?」
ピクッとして俺を見て、ニヤっと笑ったあなたの目に、ギラっと光るものが見えた。
「じゃあ、かずの知らないこと教えてやるよ」
起き上がったさとしにソファーに押し倒されて、見上げたら男の色気を纏って、揺らめいて見えるくらい。
それから、さとしの愛をイヤって言うほど教えられて、愛されて幸せでいっぱいになる。
俺もあなたを幸せにしてあげられてる?
いつまでも追いつけない。
追い続けたい。
さとしは、俺の先生です。