宿で少し休んで、また、車で山道を登る。
そろそろ日をまたぐ時間だ。
どこまで登るのかなって思っていたら、山の中腹を過ぎて暫くして数台の車が停められる駐車スペースに、翔さんが車を停めた。
窓の外には、キラキラ光る夜景。
海に向うその駐車場は、街の灯りが綺麗に見えるポイントのようで、他にも車が停まってた。
「ここ、夜景が綺麗に見えるんだよ。どうかな?」
「本当に、綺麗ですね」
「うん。綺麗だ」
「しょーちゃん良かったねー。これも見せたかったんだよね」
「うん。なんだろうね、2人のことは、本当に親戚みたいな感じがするんだよね」
「翔くん、イイヤツだなあ」
「ふふ。本当にいい人ですね」
さとしと顔を見合わせて、ふふふって笑い合う。だって、そうでしょ?
俺たち、同じこと感じてたんですね。
「しょーちゃん良かったねー」
嬉しそうに相葉さんが、翔さんに話しかける。
はにかんだような笑顔の翔さんに言う。
「俺たちも、翔さんと相葉さんのことは親戚みたいな気がしてたんで、そうやって思ってもらえるの嬉しいです」
「だなあ」
「ね」
「そっか、通じ合ってるな」
「しょーちゃん、嬉しそう」
「雅紀もな」
くふふって笑う相葉さんは綺麗で、やっぱり美人さんなんだなあと、つくづく思う。
そんな相葉さんと見つめ合う翔さんも、くりくりのアーモンドみたいな目の、王子様みたいな人。
美人さん同士のカップルは、相葉さんの方が少しだけ背が高い。
そんな事まで俺たちと同じで、なんだか少し笑えてくる。
何事にも動じないさとしと翔さん。
すぐに狼狽えてしまう俺と相葉さん。
翔さんは、意外と相葉さんの気持ちには鈍感だったりして、時々相葉さんがムーっとしてるのも、俺とさとしに重なる。
「相葉さん、翔さん、これからもよろしくね」
「.....あ、うん」
「.....う、うん。もちろんだよ!」
何故か赤くなった2人に、さとしがムッとして
「和が可愛くても、惚れるなよ!」
俺を抱きしめて言った。