お風呂上りに、ロビーの自販機でコーヒー牛乳を買って、ごくっと飲む。
隣でしょーちゃんも、コーヒー牛乳を飲んでる。
「あー!うまいなやっぱり」
嬉しそうな声でボソッと呟くしょーちゃんが可愛い。
唇の端から少しだけ零れてるコーヒー牛乳を指で拭ってあげて、その指をペロっと舐めてたら
「雅紀.....それエロいから外でやんなよ?」
「へ?エロ?」
「そう。わかった?」
「うん。わかった」
わかったって、つい答えちゃったけど実はよくわかってない俺のことをお見通しみたいな感じで頭をぽんぽんってされる。
不思議なんだよね。
しょーちゃんの方が俺より少し小さいのに、絶対しょーちゃんの方が俺を包みこんでくれる。
なんでだろうなーって考えてたら、もう1組の不思議カップルが幸せそうに手を繋いでやって来た。
あの2人も不思議なんだよね。
お互いにベタ惚れだから、お互いに対して甘々だけど、本当はちょっとだけニノちゃんのが背が高いの。
それでも2人並ぶと、絶対におーちゃんのが大きく見えるんだよね。
それって、ニノちゃんが猫背なせいだけじゃ無いと思うんだよね。だっておーちゃんも、結構な猫背だし。
なんてゆうのかな。おーちゃんとニノちゃんは、亭主関白って感じもする。
ニノちゃんが後ろをついてきてる感じ?
だけど、しっかり支えてる感じなんだよね。
ほら、今だって。おーちゃんがニノちゃんの手を引いて、ゆっくり歩いてる。
少し赤いニノちゃんを庇うように重なる肩のラインが、おーちゃんの愛情の深さを表してるみたい。
ニノちゃんもいつもより、潤んだ目で、甘えてるのがわかる優しい目をしてる。
「あ、待たせてたか?」
「いや、さっき出てきたばっかりだよ」
「2人ともコーヒー牛乳飲んだの?」
「そうだよー。ニノちゃん達も飲む?」
「あ、俺はいいや」
「おいらもいい」
ふたりして、首をフルフル振ってるのも、なんか可愛いんだよね。
お互いの答えを聞いて、顔を見あわせてクスクス笑ってる。
いつも思うんだ。
俺としょーちゃんも、いつかこの2人みたいに、2人でいるのが当たり前に見える。そんな2人になりたいなって。