あれからもう10年以上経って、今も俺の隣にはカズがいる。
喧嘩もしたし、別れそうになったことも1度じゃない。
お互いに忙しくなって、嵐としても忙しくて、それでもやっぱり俺にはカズしかいなくてカズにも俺しかいない。
喧嘩する度に、どうゆう訳か智くんと相葉くんが間を取り持ってくれる。
カズには智くんが。
俺には相葉くんが寄り添って、気持ちが落ち着くのを待ってくれているように。
智くんは、カズが淋しがりなのをよく知ってるから、そんな時は甘やかしてスキンシップも激しくなる。
相葉くんは、独特の穏やかな空気で、俺を冷静にさせてくれる。
大抵は、カズの人懐こい魅力にやられた人達を見て、俺が嫉妬するのが原因だから、冷静になってごめんって謝れば、カズはすぐに許してくれる。
喧嘩のあとは、とびきり甘いキスと甘い時間を過ごして、カズに尽くす。
普段はカズが俺の世話をしてくれてるから、そんなときくらいは頑張らないと、誰かに盗られるぞって智くんに脅かされて以来のルールだ。
年齢を感じさせない童顔で、いつまでも変わらないカズ。
俺たちにだけ見せる安心しきった顔も、俺しか知らない妖艶な顔も、テレビの中のキメキメの顔も、どんな表情も、どんな仕草も可愛くて仕方ないと思う俺は、昔も今もカズには甘いんだろうな。
昔みたいに、すぐにキレるなんてことはないけど、それはカズのおかげかもしれない。
いつも、フラットなモノの見方をするカズ。
普通ならムカッとするようなことも、受け入れて受け流したり、参考にしたりしてる。
隣でそんなシーンを何度も見るうちに、俺もそうすることが出来るようになってきた。
潤も同じように影響されてる。
俺にとって、かけがえのない大切な人。
ずっと側に居てくれた、誰よりも大切な人。
誕生日の今日。
隣にはお前が寝てる。
一緒にいるのに、一番におめでとうのメールを送るんだって、時計とにらめっこしてたカズ。
その後、また新しいしょーちゃんだねって、笑うカズ。
俺の腕の中で、淫らに燃えるカズ。
どんなプレゼントより、どんな言葉より、カズの存在が一番の贈り物だ。
今年も、隣で笑っててくれてありがとうな。
これからもずっと、俺の隣で。
眠るカズの指に、銀色の指輪を滑らせた。
なあ、起きてこれに気づいたら、どんな顔するんだろうな。
楽しみだよ、カズ。
おしまい