大宮さんの妄想bl小説です。
色々、大丈夫な方のみお読み下さい。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。
誰かが、髪を優しくすいてくれる。
意識がボンヤリする。
身体が重い。
ああ、そうか。
俺、おーのさんにヤられたんだ。
なんで、あんなこと?
うちに来て、落ち着かない様子のおーのさんに、コーヒーをと思った途端に襲われた。
何回もやだって、やめてって言ったのに。
俺のこと、好きって言ったのに、なんで俺の気持ち確かめずに、あんなこと....。
考えても、考えてもなにもわからない俺の耳に、ふっと聴こえた大好きな人の声。
「かず、ごめんな。愛してる」
その声の優しさが、大切なものに触れるような、その手の温もりが、この人の言葉が
本当だって教えてくれる。
唇に優しく触れるモノ。
キス......したの?
唇が離れて、目を開けたら俺に背を向けるおーのさんがいた。
ねぇ、なんであんなことしたの?
ねぇ、なんでキスしたの?
ねぇ、なんで愛してるって言ってくれたのに、あなたは俺に背を向けるの?
歩きだそうとした、あなたのTシャツの裾を掴んだ。
「ねぇ、どこ行くの?」
恐ろしく掠れた声に、自分の声だと思えないくらい。
「ねぇ、俺のこと、捨てていくの?」
バッとあなたは振り向いて、俺を見た。
その目に、涙が浮かんでた。
「かず......」
「なんで、行っちゃうの?なんで、あんなことしたの?なんで、キスしたの?ねぇ、なんでなんでなんで!!」
話してるうちに、興奮してきて、気持ちがコントロール出来ない。
「かず、かず、落ち着いて」
抱きしめられた腕に、少し安心する。
あんなに酷いことされたのに、まだこの人を好きだなんて、俺本当にどうかしてる。
俺は、ずっとこの人に抱かれたいと思ってた。だけど、あんなのは違う。
辛そうな苦しそうな顔で、愛してるとも、好きだよとも、言われないままで、なんでって聞いても答えてはくれなくて、やだって言っても、やめてくれなくて。
俺を抱いてるけど、俺を見てくれないなんて、あんなにつらいのは初めてだった。
酷いことをしたこの人の腕の中から、どうしても聞きたいことを言った。
「おーのさん、どうして俺を抱いたの?」
おーのさんは、苦しそうに顔を歪めたあと、話だした。
「ごめん。おいら、かずが好きなんだ」
「はい」
「お前が、山田とキスしてるの見たんだ。そんで、山田とかずが恋人になる前に、お前をおいらのもんにしなきゃダメだって思ったんだ」
びっくりした。
あの涼介とのキスを見られてたなんて思わなかった。
それで、あんたは俺を無理矢理にでも自分のモノにしようと思ったの?
なんだよ、それ。
あんた、めちゃくちゃ俺のこと好きなんだね。
どうしよう。
嬉しい。