大宮さんの妄想blブログです。
色々、大丈夫な方のみお読み下さい。
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繋がれていた手を離して部屋へと向かう。
「明日は午後イチでお迎えに来ます」
帰っていくマネージャーに挨拶をして、車を降りた。
「荷物、キッチンで良いですか?」
「ああ、うん。ありがと」
俺が、自分の鞄を寝室に置きに行く間に、キッチンで夕飯の準備が進んでる。
「山ちゃんさ、さっきの... 」
「和也さん、それ止めてください」
俺の言葉を遮った山ちゃん。
真剣な目をしてる。
「俺のこと、山ちゃんなんて呼ばないで下さい」
「あ、ごめん。山ちゃんって呼ばれんのやだったのか?」
「違います。本当に、激ニブですよね」
「は?なんだよそれ」
「俺は、和也さんが好きだから、もっと特別な感じで呼んで欲しいんです」
なんだよ...... こっぱずかしいこと。
だけど、素直に言われるのって悪くない。
「和也さん、耳、赤いですよ?」
「うるさい、バカ」
「バカって... 。本当に子どもみたいなとこありますよね」
「うっせ。で?なんて呼べばいいの?なんかあるんだろ。これが良いみたいなの」
「あります。涼介って名前で呼んで欲しいんです」
すごい真っ直ぐな目、してんじゃん。
「涼介って呼ぶの?」
「嫌ですか?」
「嫌じゃないけど、なんか照れるわ」
「ありがとうございます」
ずるいわお前。
計算も何もなく、俺を好きだって気持ちだけで俺を見る目。
本当に、思い出すんだよ。
あの頃、おーのさんしか見てなくて、おーのさんが全てで、大好きで、隣にいるだけで幸せだった頃。
おーのさんも、優しくて、時々、熱い目をしてた...してるように見えたから、告白したんだ。
あれから、ずっと側にいる。
だけど、永遠に手は届かない。
ずっと誰にも揺れなかった。
ずっと諦めきれなくて、未練がましくあの人に笑いかけてきた。
そんなの、もう、止めようか。
俺はこいつの、涼介の手を取っても良いのかな。