潤んだ瞳のかずが、俺を見上げてる。
ゆらっと瞳が揺れて
「さとちゃん... キスして...... 」
そんなこと。お前。
俺をどうするつもりだよ。
酒が入って、普段より潤んだ瞳と、舌ったらずな話し方。
子どもみたいな顔してんのに、お前の瞳は、大人の色気が漏れてるよ。
アンバランスで、ドキドキする。
その顔で、一緒にお風呂入ろうとか、俺、本当に昨日からずっと我慢してんのに。どうしたいんだよ、俺を。
大人になったかずに、キスをしたかった。
もしも、もう一度会えて、気持ちが通じてたら、絶対キスするんだって思ってた。
だけど、もう一度出会ったかずは、俺の想像よりもっと綺麗になってて、キスだけで我慢なんて出来そうに無くて。
でも、勢いとかそんなので、キスの先に進むのは違うと思ったから、昨日から一緒に居るのに、キスさえ出来ないでいた。
かずに触りたい、触られたい。
誰も知らないかずを見たい。
かずの全てが欲しい。
そんな俺の気持ち、分かってんのか?
キスしてなんて、そんなこと、この状態で言われて、我慢できる程、出来た人間じゃ無いんだよ俺。
なあ、良いのか?
お前を全部、俺のもんにしても。
「かず、好きだよ」
目を閉じたかずに、キスをした。