夕方のニュースで、すっかり機嫌を損ねたこの人は、俺の手を握って離さない。
楽屋で珍しく真面目な顔で、じっと俺を見るから、何かと思ったら
「かず、今日はお仕置きだからな。」
って、いやいやいや、おかしいでしょうよ?なんでお仕置き?
しかも、そうゆうことをなんでくそ真面目な顔で言うかな?
本当に意味わかんないんですけど。
そう思って、一言文句言おうと思ったのに、真横で相葉さんが翔さんに、おんなじこと言ってるのが聞こえて。
ってか、見えて。
おかしいよね?絶対。
一瞬、戸惑ってたら、サッと手を取られて、綺麗な指が俺の指に絡んだ。
そのまま、立ち上がらされて、智のマネージャーの運転する送迎車に、乗せられた。
手を繋いで車に乗り込む俺達を、チラッと横目で確認したマネージャー。
「明日も5人の仕事です。お迎えはお二人一緒で良いですか?」
「うん。」
「了解しました。お迎えは10:15です。よろしくお願いします。」
「うん。」
「メールもしておきますね。」
「ありがとう。」
俺達のことを知ってて、守ってくれてる事務所の人たち。
その一番の功労者は、やっぱりマネージャー達だ。
ところ構わず、俺を独占しようとするさとしを、この人達と、嵐のみんなが抑えてくれたから、俺達の今がある。
「大野さん。」
「ん?何?」
「二宮さんに、あまり無理はさせないで下さいね。明日は、スチール撮影ですが、新しいカメラアシスタントが入るそうなので、危険は、なるべく排除したいので。」
「了解。気を付ける。」
はあーーーー。
理解がありすぎて、気がよくつくこのマネージャーは、時々、こうやって恥ずかしいこと言ってくる。
確かに、昔、さとしにイ かされ過ぎて、次の日の仕事で、色気が凄いとか言われ捲って、挙げ句、カメラアシスタントが俺の座ってる椅子を直しに来たときに、キスされそうになったことがあった。
俺達の撮影に慣れてる、いつものカメラマンさんも
「今日のニノ、ヤバイよね~」
「いいね~、エロいな~」
って、変態っぽい声かけ、多かったな。
その時のこと、代々のマネージャーに申し送りされて、要注意事項になってるらしいから、ガックリする。
俺って、そんなに頼りない?
一応、俺だって男なのに。
夜のそうゆうことまで心配されて、俺達のプライバシーって、どこにあんの?
そんなこと考えてるうちに、車はさとしのマンションに着いた。
『お疲れさまでした~。』
「お疲れさまでした。」
マネージャーの声に送られて、車を降りた。
手を繋いだままでマンションに入って、部屋に入るなり、玄関で、唇が重なった。