大宮さんの妄想bl小説です。
色々、大丈夫な方のみお読み下さい。
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今日は、新人歓迎会。
朝からソワソワしてたみたいで、お母さんにも不思議がられた。
「和くん、今日はなんか落ち着かないみたいね。どうかしたの?」
「あ... え?そうかな?」
「うん。目がキョロキョロしてる。」
「本当?わー、気を付けよ。」
「今日、何かあるの?」
「ほら、今夜は新人歓迎会があるから、帰りは遅くなるよ。それでちょっと、ソワソワしてるのかな?」
「ああ、そうだったわね。
帰り道、気を付けてね。」
「うん。潤くんも、准一くんも居るから大丈夫だよ。」
「そうね。あ、行ってらっしゃい。」
「はーい。行ってきます。」
お母さんは、あれから特に変化はないけど、優ちゃんのことを口にだす回数が減った。亡くなっていることは、まだ思い出せてはいないようだけれど。
あの、成人式の振袖を着て、写真を撮ってから僕を優ちゃんと思う日も、少なくなっていた。
お母さんの頭の中の記憶は、都合よく作られていくようで、優ちゃんは音大に通い、大学院に進んで、今は寮で生活していることになっている。
時々、思い出したように僕に
「優ちゃんは、冷たいわ。たまにしか家に顔を見せないんだもの。
今度は泊まっていってね。」
なんて、話しかけてきてはいた。
だから、仕事を始めた時も、社会人になる時も、混乱なく日常は過ぎていった。
会社に着いて、チームの部屋に行くと何時もより一際オシャレな剛さんとワイルドな智也さんが、ワイワイやってた。
「おはようございます。どうしたんですか?」
「おー、おはようさん。いやな、松本の服見てみ?えらいことなってんで。」
剛さんは関西弁だ。
言われて、部屋の奥にある営業部が見える窓に近づく。
何でか仕切りの壁や、あちこちに窓のあるうちの会社。
社長の“風通しの良い会社にしよう”ってゆうモットーに合わせて、窓がある。
その窓から覗いて、納得した。
今日は歓迎会だから、全社員がスーツではなく、私服通勤を許可されてる。
当然、オシャレな潤くんは私服な訳で、僕はもう見慣れたけど、ファッション誌でしか見ないような服を着てる。
今日は、少し優しそうなマトリックス?
センスのない僕にはよくわかんない。
オシャレ星人の剛さんは、潤くんが超気になるみたいで、ずっーと観察してた。
お昼ご飯に潤くんが誘いに来た時に、どこで買い物してるのかとか、ずいぶん話し込んでた。
終業時間がきて、貸し切りにした居酒屋に皆が、移動し始める。
僕も、チームの皆と潤くんと准一くんと一緒に移動した。
そうそう、今日のお昼を一緒に食べた准一くんの1年先輩の、営業部の若手ホープの呼び名も高い翔さんも一緒だった。
翔さんとは、僕が雑用係時代に一緒になることもあったから、すでにかなり仲良くしてたけど、本当に仕事が出来るみたいで、しょっちゅう外出中でなかなか社内では会えない。
とてもクレバーで、しっかりしてる翔さんは、例のデザイン担当さんと同期入社だ。
詳しくは知らないけど、学生時代の知り合いらしい。翔さんは、留学してたこともあるって言うし、もしかして留学生仲間なのかもしれないななんて、思ってた。