先日、木村政雄さんにお会いしたとき、名刺を2枚目の前に置かれた。初対面でもないのに、あれ? なんと一枚は「和歌山県観光大使」、もう一枚は「鮎ラーメン名誉広報」の名刺であった。

「和歌山県観光大使」の名刺の半分には、観光地のカラー写真が印刷されていた。さらにポケットから名刺を取り出し、異なる写真の名刺を20枚近く見せていただいた。まるで永谷園のお茶づけにおまけで入っていた東海道五十三次のシリーズのようだ。

鮎ラーメン名誉広報」は、和紙に筆文字で鮎ラーメンという文字がシンプルに書いてある。木村さんがラジオで鮎ラーメンを紹介したところ、行きつけの天ぷら屋さんが送ってこられたという。
 木村さんのような方は、社会的に影響力のある方に日々お会いになられる。その都度、自分の名刺交換の際に配られる。これは、新手の人間フェリエイトです。

そんなことに関心していたら、人間アフェリエイトを事業化した青年社長が私の前に現われた。昨日、携帯電話でのコンテンツ配信サービスの広告宣伝で、代理店を大手家電メーカーの方が弊社にお連れするということでお待ちしていた。内心は、どうせ電通か博報堂のようなところだろうと思っていたら、ところが真逆の人でした。EQS(イクス株式会社)代表取締役社長の市野明宏さん。人は見た目で判断してはいけないと教えられてきましたが、ルックスは吉本新喜劇のMr.オクレが20歳若返り、飛び込みセールスでやってくるダスキンの代理店の新入社員といった感じでした。大丈夫かなあ・・・。

しかし、3分でその心配は消え去りました。やっていることは携帯電話でオーダーを受け、無料で名刺を作ってくれて郵送してくれるビジネスです。その代わりに名刺の裏が企業広告として使われる。企業広告も自分の好みで選べる。仕組みはきわめてシンプル。しかし、このビジネスは、学生の身分でなくては困難な入り込めないニッチな世界。現在、2万5000人のユーザー(無料の名刺利用者)を持っている。

弊社では、携帯電話のコンテンツサービスに4月から毎月、オクレさんの会社へ広告をお願いすることを決めた。携帯電話のコンテンツサービスのPRは、はっきり言って大手広告代理店を使ってもお金を捨てるようなものです。従来のメディア媒体に頼った広告は、携帯電話のメールやiモードのような利用者には通用しない。