「これは戦争です!!」
月曜日20時からのマクロン大統領のメッセージで何度も繰り返された言葉でした。
土曜日の夜、日付が変わる日曜日0時から薬局、食料品店以外は全て営業停止、国民は外出を控えるように発表されました。
ウィルスがフランス国内をまわっているのではなく、人がウィルスを運んでいるのです。だから・・人の動きを止めなければならないのですと。
実際、日曜日の街は静かでした。
でも・・・・残念ながらお天気が良かったこともあり、多くの人たちが公園などに集い、いつもと変わらない状況となってしまっていたのです。
カフェやレストランが営業停止になるって聞いた人たちが、「これが最後の晩だあ!!」とカフェなどに集合し、禁止されているキスやハグをし、さらには同じグラスからお酒を飲んだり。この緊急事態に、まるでお祭りのような盛り上がり・・・
一人一人が自覚を持つしか、この目に見えない敵と戦うことは出来ないのに・・・
こんな状況になっても、こんなことしているなんて・・・・
なぜこんな大切なメッセージに耳を傾けられないのだろう?なぜ、自分たちには関係がないというような行動をとるのだろう?
自覚のない人たちがお祭り騒ぎをしている同じ町の中で、眠る時間もないまま、感染された方々のケアを必死にしている人たちがいることを知っているはずなのに。

日曜日の午後あたりからある情報が流れてきました。
「どうやら、月曜日の夜にマクロン大統領がまた会見をするらしい。それは・・・・一切の外出禁止のアナウンスになるはずだ。そしてその期間は45日。」
あちらこちらから、いろいろな人達が情報を共有し始めました。
「45日間、家の中にいなければいけないなんて。外出が完全に制限されるなんて・・」呆然としました。
彼と私は、それでもパリにとどまりたいと思いました。窮屈で、不自由でも自分の家ですし、私は家にいればやれることはいくらでもあります。
でも、子供たちは・・・・
田舎に家のある人たちは、荷物をまとめてパリを出ていきました。まだ、マクロン大統領が会見したわけではないのですが。
子供たちには外で遊ぶ時間も必要だからと、友人が彼らの田舎の家を貸してくれることになりました。
月曜日の朝、彼と私はまだ迷っていました。離れるべきか?とどまるべきか?
やっぱりとどまりたい!!
でも、子供たちは田舎に行く準備を始めていました。
彼はオフィスに向かいました。すべてのスタッフが出社し、パソコンや資料をまとめて、帰宅しました。彼は最後の戸締りをしに行きました。
戻ってきた彼は涙目になっていました、「つらいよ・・・こんなことが起こるなんて・・・」

田舎に向かうことに決めました。
車につめる荷物は限られています。家からは出られません。服は各自2枚、多くの食料品を準備。彼も私も気を抜くと、動きを止めると涙が出てくるので・・・
ひたすら動きました。様々な状況を想定し、子供たちの健康手帳やパスポートも準備。
勿論、ピュイック、ONEKO,カナリア4羽も一緒に移動です。





家にカギをかけ、車に乗り込みます。
これは夢の中の出来事なのかな?と思います。急いで荷造りして、重い気持ちでドアに鍵をかける・・映画のシーンで見たことあるなと思いながら・・。

パリからおよそ1時間。周りにはほとんど家もなく、人との接触はないでしょう。
少なくとも、庭があり、子供たちは遊べます。
ピュイックも、カナリアたちも、ONEKOも快適だといいなあ。

20時、マクロン大統領の会見がはじまりました。
「これは戦争です。ほかの国や軍隊との戦いではなく、目に見えない敵との戦いです」
人との接触を避けてほしいと伝えたが、日曜日は多くの場所で多くの人が集っていました。
一人一人が責任をもって行動しなければならないときです。
これからやってくるパンデミックの大きなおおきな波を抑え、ブレーキをかけるためにはみなさんの努力が必要です。
「明日12時(火曜日12時)をもって国境を封鎖します。国民のみなさんには不自由な思いをさせますが、今、抑えなけれななりません。これから少なくとも15日間、フランス全土、外出を禁じます。
家族や友人たちとは電話で近況を話してください。薬局と食料品の買い出し以外の外出は禁止です。
人との接触も禁止です」

ここでブレーキをかけなければ、当然、
15日ではなく、その期間は延長されるでしょう。

火曜日からタクシーやホテルは医療関係者のために使われます。

日々の生活、健康面、そして経済面のサポートについても話をしていきます。
経済面では、大企業から個人商店に至るまで、税金が免除されます。電気、ガス、家賃は国が負担します。だから・・・経済面でのストレスをかかえないでください。
出来るだけのことはします。国は35兆の予算を捻出します。

だから・・・あなたたち国民の協力が必要なのです。

火曜日の12時から、人の動きが止まります。
彼のオフィスに日本人スタッフの方がいらっしゃいました。もし45日間(朝の段階ではそう思っていました)家にとどまることになったらご両親も心配するだろうと月曜日の朝、彼はエアを探し、1席だけ空席を見つけました。
そのスタッフの方は午後2時半の飛行機に乗りました。
もし・・1日づれていたら・・・・
彼女は日本に戻れませんでした。

これからどうなるのか?
ただ、自分がやれることをやるだけです。

日本の状況はフランス比べたら、ずっと良いのだと思います。
専門家でもない私が言うことではないのですが、どうか気を抜かずに気をつけてください。
大きな制限がないのかもしれませんが、人の移動がウィルスを運びます。
70歳以上の方々、持病のある方々はどうぞ外出をしないでください。集わないでください。
長女のクラスメートの親戚の方は健康な男性でしたが、52歳で亡くなりました。
元気だから、軽症で済むって100%の保障があるわけではないのですから安心しないでください。

この規制はスタートしたばかり。
子供たちのオンライン授業もスタート。
どうか15日間で終わりますように。

またご報告しますね。