本が好きで、以前は日本で大量の本を買って、船便でフランスに送っていました。
早ければ1か月ほどで届くのですが、時にはどこをさまよったのか?忘れたころにボロボロであちらこちらガムテープで補強されたかわいそうな姿の段ボールが我が家に届いたことも。
以前と言っても・・・もう15年以上前。子供を出産してからは、本を読むペースが遅くなり、いえ、むしろ読めないことのほうが多くなってきました。
次女出産後、授乳なども落ち着き、生活リズムがだいぶ出来上がってきたころ、「よし!!!本棚に積み上げられた未読の本たちを片っ端から読んでいこう!!ここにある本がすべて終わったら新しい本を買おう!!」と意気込んでいたのですが・・・・
その時には”老眼””がスタート。人生初の眼鏡をつくり、お風呂につかりながら本を読む・・なんてことは出来なくなってしまい・・・涙・・・・。
ベットサイドのライトで本を読むのも辛くなり・・・・
などなど、言い訳は一杯。つまりは本を読む機会がぐ~~んと減ってしまったわけです。
大学時代の仲間が自費出版で本をだしました。
”Over the wall 自閉症の息子との18年間”
彼女の息子 陽ちゃんとは夏に会いました!! 仲間で集まってランチ。私も久しぶりで、ただただ楽しく、時間の経過も住んでいる場所の距離も、仕事も・・なにもかも全く関係なく、おしゃべりが弾み、大笑いし、別れがたく・・・
その会に陽ちゃんもママと一緒に来ていました。大きくなったなあ~~と思いながら、小さいころから変わらないきりっとした表情にハンサム度が加わり、よく食べている姿にみんなが喜んでいて、あたたかい空気があふれていました。
自閉症とひとことでいっても、様々な違いがありますし、その一人一人の状況で、向かっていくべき道が違うのでしょう。
でも正直、私にはわかりません。
陽ちゃんだけでなく、今住むパリでも自閉症のお子さんをもつパパ、ママ仲間がいます。
この本を読んで・・・こんなにも苦しんでいたことを私は初めて知りました。
じゃあ、その時の彼女の大変さを知っていたら何かできたのか?自問しますが・・・きっと思いを寄せることは出来ても・・・それ以外のことは出来なかったと思う。
自分と同じような境遇にいらっしゃる方たちに読んでいただき、もし落ち込んでいたら顔をあげてくれたら!!
私だけじゃない!!って思ってもらえたら!!
色々できることがあるから!!という彼女のメッセージ。
”知っていそうで 知らないフランス””
なんと副題は” 愛すべきトンデモ民主主義国”
2001年に出版された本ですので、もうおよそ20年前。購入当時、ちょっと読んで・・途中でやめてしまっていました。
当然、情報としては古いものも沢山ありますが、それこそ昨年の12月にスタートしたデモのことを考えるとき、本を読みながら「なるほど~~」と今更ながらに理解できることもあるのです。
婚姻システムとか、労働体系だとか、移民問題・・・
20年住んでいたって、まだまだ知らないことが多いわけで、「こんなことも知らなかった・・」って反省しながら読んでいました(笑)
”BIRKIN” ジェーン・バーキンの言葉
ご存知のようにエルメスのバック”バーキン”は、エルメス社の社長さんが、ジェーン・バーキンが何でもかんでもかごバックに放り込み、いざ何かが必要な時にバックの中を探さなくてはならない様子をみて・・「あなたの必要とするバックをデザインしませんか?」と提案し生まれたものです。
それ以上に私にとってはやはりセルジュ・ゲンズブールと一緒にいた時代の彼女のことが一番、ジェーンのイメージとなっています。
でも・・・本を読んで、ジェーン・バーキンという女性がどうしてこんなにも人々を魅了するのか?
その理由が分かった気がしました。常にファッションアイコン。でもファッションアイコンであるまえに、彼女の真摯な思いや人柄がもっともっと魅力的!!
新しい本は買わないと決めていただけど、やっぱり興味のあるものは次から次へと出てきてしまいます。
この間、日本で買ったのは・・
”銃・病原菌・鉄” 1万3000年にわたる人類史の謎
なぜ人類は5つの大陸で異なる発展をとげたのか?タイトルも強烈で・・・
あとはロベール・ギラン著 ”日本人と戦争”
戦前に特派員として来日したフランス人記者が見た太平洋戦争。日本を愛する著者が目の前でみたこと、その時の日本人の様子をつづったもの。
日本を心から愛するフランス人の友人(彼は日本語を話すし、読み書きも完璧!!)から全く違う視点で読める本だと勧められたもの。
もう出版されていないのかも?私も購入した時には中古で・・・送料のほうが本代よりも高かった!!
本を読むと・・・現実逃避が出来たり、全く別の世界に自分が入り込み、世の中の様々な音から解放される感じがします。
とはいえ、気になるニュースはあるわけで、毎日チェックしないではいられません。
どうしても心が落ち込むし、自分が出来ることは限られていて、それ以上のことはもっと大きな力ある人たちに託すしかないという現実にイライラしたり。
だから、いつもより本を読むようにしています。
今、読んでいるのは再読ですが アレクサンドル・デュマの”仮面の男”と永井路子著 ”歴史を騒がせた女たち”
歴史を騒がせた女たちは前回読んだ時はどうやらお風呂の中で読んでいたようで・・・本がパサパサになっていました(笑)
穏やかに過ごせる1週間でありますように。