日本は連休だったのですね。

2年前から手帳に日本の祭日を書きこむようになったのですが、ここ数日はあまり手帳を見ることもなく、先ほど気づきました!!

先週からフランスは深い悲しみ、怒り、恐怖の感情であふれています。

もう私がご報告をする必要もないことで、日本でも連日報道されていたと思うのですが、

パリでテロが起こりました。

 

犯人が殺害されるまで、誰もが緊迫し、話に出るのはこの凶悪な事件のことでした。

スーパーに行ってもレジ係りの人たちがレジを打ちながら大きな声で「危ないから妹には家から一歩も出るな!!って言ったのよ」などとテロの話をし、そして誰もが亡くなった方々の死を悼み、悲しい思いで一杯でした。

金曜日の夕方、丁度子供たちを学校にお迎えに行こうとアパルトマンを出たら、仲良しファミリーのパパが「あ~~よかった。シャルル・エドワード(彼です)に何度連絡をしてもつながらないから・・・えりこに知らせなきゃと待っていたんだ。

今、○○広場に武装した警官が集合してきているんだ。

危ないから子供たちを迎えたらすぐに家に戻ったほうがいい」と。広場は自宅や学校から徒歩10分のところ。

学校に着くと、先生も保護者も緊張した面持ちで・・・長女は私を見るなり泣き顔で「こわいよ~~」と手を握ってきました。

本来でしたら放課後、クラスの先生とお友達と発表の準備をするはずだった息子も、先生から「こういう事態なので今日はこのまま連れて帰ってください」と言われ、

何も知らない次女だけが早く帰宅をしたい私たちの横で、楽しそうにお友達と走り回っていました。

誰もが言葉少なく、足早に帰宅をしていました。

夜になってこの情報はデマというか、間違った情報であったことが判明しましたが、本当に様々な情報が飛び交っていたのです。

友人の学校では放課後の課外授業などは中止となり、当然、どの学校も政府から遠足などのイベントは当分中止と報せをうけています。

日曜日にはパリだけでおよそ150万人が参加、ほかの地域でも計60万人が参加しての犠牲者追悼のマニフェスタシオンがありました。

当初、子供たちも連れて参加をする予定だったのですが、集合時間のかなり前からものすごい人が集まり、通りが埋めつくされ身動きが取れないほどだという連絡が入り、

諦めました。

彼の親友の仕事仲間が銃弾を受け、今、病院にいます。

幸い命に別状はないのですが、彼が受けた傷や恐怖は想像をすることが出来ません。

 

フランスには様々な国籍、宗教の人がいます。

私たちのまわりにも多くのイスラム教徒がいます。

表現の自由があるように、宗教の自由があります。

自分の物差しで、自分と違うことを否定する権利はありません。

勿論、中々理解できないこともあります・・・でも、違いをも尊重したいと思っています。

テロの翌日、息子のクラスでは子供たちがイスラム教徒の同級生に

「君たちが何も悪くないことは、僕たちは知っているよ」と話をしたそうです。

イスラム教と過激な思想はまったく別のものなのだということを7歳の子供たちはシンプルに受けとめています。

 

私自身は普段、テレビをほとんど観ません。

ニュースはラジオから入ってきます。でも私の語学力では半分も理解をしていないでしょう。でも・・・金曜日の犯人殺害のニュースまではテレビを見ることが出来ませんでした。

実際に土曜日にニュース番組を見始めた途端、涙が止まらなくなってしまいました。

映像はやはり強烈です。

被害者のご家族の声も、ラジオだったら何とか冷静に聞けるのに、テレビで映像で見てしまうと・・・

身体が震えて、いつの間にか泣いています。

 

悲しいことですが・・・これが“終わり”ではないのです。“終わり”だったらいいのに・・・と心の底から思います。

テロのことをフランス語で“アタンタ”と言います。

子供たちに「アタンタって何?」と聞かれて、フランス語で上手く説明ができず、長女が辞書で調べて、弟に説明をしていました。

木曜日から子供たちは新聞を読んでいます。

 

何があっても時間は過ぎていき、生活をしていかなければなりません。

家にこもっているわけにもいきません。

ラジオでは専門家がこのテロをどのように子供たちに説明すべきか、話していました。

この専門家曰く「包隠さずに伝えること。子供が知りたいと思うことには、曖昧にせずちゃんと話すこと」と言っていました。

子供たちの想像力は、時には事実をはるかに上回るものになってしまうのだそう。

曖昧に伝えることにより、想像力をかきたててしまう。それは事実よりも数倍、暴力的なものになってしまうだろうと。

この数日間、仏教も含め、宗教についても話しました。

テロリストたちの生い立ちについても話しました。

 

悲しみは時間が経つほどに増していきます。

亡くなった警察官や犯人と対峙した警察官たちにフランス国民は多くの感謝の気持ちを込めて拍手を送りました。

 

また新たな1週間のスタートです。

何でもない毎日を、何事もなく過ごせることに感謝をしなくてはならないと思っています。

年を重ねるごとに多くを求めなくなりました。

今またさらに健康で、笑顔でいられたら・・・それでいいと・・・

 

穏やかな地球であってほしいと思います。