若獅子インマイマイン | プロレスラーにあこがれて

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@nakamuraigf

※このブログ本文は8月末に書き終えましたが、気に入らなかったので公開しなかったものです。しかし北村選手が亡くなった今、当時の彼への気持ちと今の気持ちを絡めて発信したいと思ったため公開しました。亡くなった方への不適切な表現もあるかと思いますがご了承ください。
北村克哉選手のご冥福をお祈りいたします。

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「ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!ササキ!」
教室で男子高生たちが一人の生徒を取り囲む。中心の男は何かに取り憑かれたかのような表情で天を仰ぎ、服を全て脱ぎ捨てる。

映画「佐々木、イン、マイマイン」の回想シーン。
クラスのカリスマ"佐々木"の友人だった主人公・悠二。高校を卒業して9年間、売れない俳優として冴えない日々を送っていた。そんな時に思い出すのは佐々木たちとの楽しかった日々。しかしある日突然、佐々木が死んだという報せが届く。
俺は佐々木と、青春の日々とお別れができるのか?



佐々木の名を叫んだ悠二のように、かつてあの選手の名を叫んでいたプロレスファンは多いのではないか。
カリスマヤングライオンだった北村克哉。
彼の退団と現状は悔やんでも悔やみきれない。
北村がまだ新日をやめてなかったら…何度思ったことか。私はプロレスラー北村克哉とお別れできていなかった。
何度か彼が出場する格闘技のPPVを買ってはボロ負けの結果に落ち込んだ。

また、ヤングライオン杯で片鱗を見せながらも新日本を退団した若手有望株は他にもいる。当時ヤングライオンだった八木や、北村が優勝した次のYL杯を制したカールフレドリックスも新日を辞めた。YL杯は呪われているのか?

「お前はいつだって言っているんだ。さよなら。さよなら。なぜならそれが人生だからだ。」
映画「佐々木、イン、マイマイン」のラストシーンでは、主人公悠二が戯曲「長いお別れ」のセリフを叫びながら思い出の通学路を逆走する。
役者としても人としても吹っ切れ、青春を思い出に変えた彼は未来へと進んでいく。さよならだけが人生だと。


あの頃の未来を感じさせたプロレスラーたちが何らかの道で成功している現在を見届けられたとき、私はプロレスファンとして、プロレスラーの彼らとお別れできる気がする。(カールはプロレスを辞めてないので、絶対に活躍してほしい。)
みんな今何やってんのかなぁ。SNSを開くと、みんなに好かれようとして顰蹙を買い炎上している北村がいた。あなたは早くプロレス界に戻って来なさい。

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10月14日、北村選手が亡くなったというニュースを見た。数日前にSNSで元気な姿を見ていたから信じられなかった。最期まで突拍子のない行動でファンの心を揺さぶる選手だった。こんな揺さぶり方はされたくなかったけど。

我々の魂を揺さぶるに揺さぶったあげく、北村克哉は新日本プロレスを辞めた。だけどいつかまた、北村のプロレスが観れる日が来ると私は信じていた。
佐々木がクラスメイトを熱狂させていたように、北村選手も同じくらい私の魂を揺さぶっていた。私は彼を忘れることはないだろう。

劇中で悠二ら友人は佐々木を、"佐々木コール"で盛大に送り出した。
ちょうど声出しが解禁され始めている会場で、あの頃のような北村コールで盛大に送り出してあげられたらなぁ。