芸能論へのいざない(68)―大江戸芝居年中行事⑤―。 | 新潟大学 中本真人研究室

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長くみてきた『大江戸芝居年中行事』もいよいよラスト。

https://ameblo.jp/nakamoto-geino/entry-12828787414.html

 

 

「披露目の口上」は「役者の自から述る口上に本式と略式あり。下に画く図は其本式にて、昔名優と聞えし市川男女蔵が倅男熊・女寅両人の改名披露の口上を述たる所なり。男熊は常盤津の家元文字太夫となり、女熊は女形市川門之助となる。何れも名人と賞されし人なり。殊に常盤津が柿の裃を用ゆるは、此時より始まれりと聞く」。

 

 

これをAIに現代語訳させると「役者が自ら行う口上には、正式なものと簡略なものがあります。下に描かれている図は、その正式な口上の一例で、かつて名優として知られた市川男女蔵の子供である男熊と女寅の改名披露の際に述べられたものです。男熊は常盤津の家元である文字太夫となり、女寅は女形の市川門之助となりました。どちらも名人として評価されている人物です。特に常盤津が柿色の裃(かみしも)を使用するようになったのは、この時から始まったと伝えられています」。

 

 

この現代語訳、かなりいい線行っているように思います。

以上で『大江戸芝居年中行事』のすべての絵を紹介。