芸能論へのいざない(10)―山科言継短冊―。最後に紹介したいのは、山科言継の和歌短冊。戦国時代の一級史料『言継卿記』の記主として知られます。 山科家は、代々内蔵頭を世襲。天皇の装束と朝廷の財政を担当しました。 また各方面の芸能に通じていたことで知られます。戦国時代の内侍所御神楽では、笛を長く担当。 過去の芸能は形に残りませんが、当時の資料を集めることで、その手触りだけでも確かめたいと思っています。