◎ピューロマジック、逃げ切り連勝! 日曜の予想結果 | NAKAMEの中央競馬重賞予想

NAKAMEの中央競馬重賞予想

主に重賞を中心にNAKAMEさんが予想します
データと血統を中心になるべく穴っぽい馬を狙うスタイルです

2重賞なので恙なくやっていきます。

 

 

日曜に行われた重賞は北九州記念とラジオNIKKEI賞。まずはラジオNIKKEI賞の方から振り返ってみよう。

 

 

本命のシリウスコルトは2着。スタートは五分という感じだったが外の馬が結構積極的で、この馬としては最初から控える決め打ちではなかったと思うがペースの中で中団の競馬になった。入りの3F34秒5は直近10年では3番目に速いラップで、5F58秒4も直近10年で2番目の速さ。それを思うと中団からの競馬というのは馬のペースでその位置になったと見るべきだろう。インベタで折り合いもよく、5Fを過ぎてからサトノシュトラーセとショーマンフリートがやや強引に位置を上げて、位置を取りにいった馬にはかなり負荷の掛かる展開。展開や位置などはもう完璧で完全な勝ちパターンかと思ったが、最後は後ろで我慢していた馬にやられてしまった。ただベスト条件と思われる舞台で格好は付けたし、この手のペースは経験していたから力はしっかり出し切った。身体は増えていたが太い感じではなく、以前と比較するとややマイラーっぽくなってきた感もあった。父マクフィは牡馬だとややパワー偏重な所があり、溜めるよりは好位でしぶとく踏ん張るタイプに出やすい。この馬もそういったタイプに完成してきたかなと思うし、将来的にダートを試しても面白いと思う。日本には1周1800の重賞が芝ではかなり少ないので狙いどころは限られてくるが、今回の程度の相手で戦えるのであれば今後も上位を狙えそう。

 

勝ったのはオフトレイル。今回のメンバーの中では最もスタートを出なかったこともあり、道中は最後方から。前走は先行して2着だからまるっきり正反対の競馬をしたわけだが、今回はそれがドンピシャでハマった。田辺騎手は良くも悪くもダラっとした競馬を好むタイプで、テン乗りのスタイルチェンジが良くハマる。最近で言えばホウオウエミーズもテン乗りで重賞を勝った。父Farhhはマイルで活躍した馬でピヴォタルにドイツ血統というちょっと重めな血統でもある。母方はデインヒルにサーアイヴァーが入ってるところもわかる通りオーストラリアで走る産駒が多いようで、これまでマイルを中心に使われてきたのはある意味血統通りではあるが、果たして時計に対応できるのかというところは懐疑的に見ていた。しかし蓋を開けてみればしっかり対応したし、勝ち方自体は展開に恵まれたとはいえ収穫もあった。440㌔台という馬体重なのでそこまで筋肉質という感じではないが、やや体高が低く寸の詰まったような体型なので距離はこれ以上延びると良くないという印象。将来的にはマイラーだろう。急坂でどうかというのは今後の課題だが、これから成長してくれば質のいいマイラーになるかもしれない。

 

3着ヤマニンアドホックは淡々と流れた中でも序盤は結構行きたがるところがあった。それでも終始手応えは良かったし、シリウスコルトにも離されず食らいついていた。前進気勢の強さは恐らく母方譲りなんだろうけど、ペース・展開を思えば強い3着である程度目途は立ったと言える。ノヴェリスト×ダイワメジャーだから周回するコースの方がベターだし、1周2000のコースなら自己条件でいい勝負が出来そう。ただ鞍上がずっとテンションが、テンションがと言ってるので、そこが気になる。変に抑えつけるような競馬をしなければいいが…。4着メイショウヨゾラは淡々としたペースで早めに来られて楽ではなかったか、最後まで踏ん張っていた。トップハンデ馬とは7㌔差あったように軽斤量の恩恵で粘れた面もあるので額面通りに4着を評価するのはちょっと難しいが、勝ち上がったのは1800だったし、現状ではマイルよりはもう少し距離があった方が競馬がしやすそうだ。母父ヨハネスブルグはディープ系種牡馬で成功しやすいと思っていて、特にストームキャットを持っていない所謂黄金配合ではないディープ系種牡馬×ヨハネスブルグは結構勝ち上がりが出ている。まだまだ地力強化は必須だが、配合としては今後も手堅く走っていきそう。5着ショーマンフリートは強引な競馬になった割には着をまとめた。シアトルスルーのクロスに母父シユーニ、父スワーヴリチャードなので根本的に小回り適性は低い血統だから今回くらい流れてコーナーで加速しない競馬は誤魔化しが効く。前走のようにある程度の位置が欲しい馬でもあるので、今回がいい経験になれば。2番人気のウインマクシマムは7着。中団から追走したが特に見せ場はなかった。基本的には1800よりも2000というタイプだと思っているし、これだけ流れてしまうと追走で手一杯というところなのかもしれない。調教師は仕上がったと言って、鞍上はレース後コンディションが良くないと言っている。一体どちらが本当なのかわからないが、松岡騎手は基本的にじっくり育てたいというかあら探しと言われてもおかしくないレベルで悪いところを探るタイプ。騎手コメの要約をすればまだこれからという事だろう。1番人気のサトノシュトラーセは9着。レース後コメントでは小回りは向かないと出ていたが、5F58秒4でグンとコーナー加速できる馬がいたら余裕でGⅠを勝てる。それくらい無謀な乗り方をしていた。5Fを過ぎた後も全て11秒台のラップとそこまで落ちていないし、それを後ろから捲ったらそれはそれは苦しい。まだ緩いし踏み込みも深くないし、血統背景からもこれから成長する余地は十分ある。自己条件から地道に成長していければ。10着ミナデオロはこのペースでもガツンと行きかけていて、父の産駒に見られる折り合いの難しさが出た感じ。基本レイデオロ産駒はステイヤーではあるが入りから流れ続ける、タイトなペースは得意ではなく、ロンスパ戦のようなラスト5F特化みたいな競馬の方がベター。今回はペースがこの馬のゾーンに入ってこなかった。母方が短いところ向きなので通常のレイデオロ産駒よりも中距離系、2000前後が良さそう。

 

 

続いて北九州記念。

 

本命のピューロマジックは1着。スタート自体は至って普通だが二の足が速く、今回も注文通り先手。内からテイエムスパーダも出てきたが、しっかり締めて譲らず。前半3Fは32秒3。割と雨がしっかり降ったので思ったほどの高速馬場ではなかったが、追い風でもあり32秒台で突っ込んで行けるくらいの馬場。決してスローではなく、平均的な淡々とした流れ。重くない斤量という事もあってテンのスピードがダンチでも200を過ぎる頃には手綱を抱えていたし、余力を持った中での32秒3と見ていいだろう。後続を離して直線を迎えると、流石に最後は脚色が鈍ったが並ばせず逃げ切り。タイムは1分7秒9。もうちょっと出るかなと思っていただけにそこに関してはちょっと物足りなさはあるが、雨の影響が思った以上にあって風も強く直線向かい風。それを思えばそんなに悪いタイムではないかもしれない。非常に軽いスピードで走る馬で、テンの速さからもストームキャットっぽいのかなと思うが、32秒で入って最後まで踏ん張れる逃げ馬というのは大事な存在。こういった馬がピュアスプリンターを強くしていくし路線の底上げの役にも立つ。何度も書いてきた通り、今の日本の短距離界はかなりの底、相当レベルが低下してきている。こういった純粋な短距離馬が出てきたことはとても嬉しいし、当然GⅠでもこのスピードで勝負してほしいと思う。中山の坂は歓迎ではないだろうが、高速決着で1分6秒、7秒の勝負になれば楽しみも出そうだ。気のいいタイプだから長距離輸送にならないのもプラスだろう。

 

1番人気のサーマルウインドは12着。好位に収まっていたが、スタートしてからずっと促すような形で追走するのに精一杯という感じに。直線で内から寄られる不利もあったが、その前から伸びは怪しかったし仮にそれがなくても結果に大きな影響は与えなかっただろう。初の1200戦だった前走は33.4-33.7と結構スローな感じだったのに対し、今回は32.3-35.6と3秒以上の前傾ラップで、1200らしい流れになっていた。ドレフォンの牝馬は確かに短距離馬に出ることが多いが、祖母がライクザウインドだから牝系そのものはステイヤー。短いところを走れるのはライクザウインドの気の良さが出ているからで、根っからのスプリンターではない。今回は本質的な距離適性の差が出たと見ていいだろう。1400に伸ばした方がいいと思うし、京都外回りの1400とかは合ってるんじゃないですかね。

 

2着ヨシノイースターは8枠という事もあって今回もスタートをしっかり出ることが出来た。結果を先に言ってしまえば勝ち馬に脚を潰されたという感じだが、まずスタートを安定して五分で出れるようになったのはかなり大きいし、最近の安定感はそれも一因。しっかり捕まえに行っての2着だから内容もいいし、6歳ながら充実ぶりが目立つ。母アースプレイは晩年こそ中距離も使われていたが、若い時の主戦場は1200だった。このペースを追っていっても踏ん張れたのは母方の影響が強いのだろう。その母方は様々な名血がふんだんに入った良血。GⅠ級かはさておいて、その母方の底力がこの年齢になって体現されるようになってきたのだとしたらこの先が楽しみ。雨が降っても問題ない血統で、サマースプリントを狙う手もある。後は別定戦になってどうかというところ。3着モズメイメイは今回もゲートが良くなかった。最近はそういった場面が目立つ。それでもインを淡々と回ってきて最後までしぶとかった。まさかこんなに走るとは、という感じなんだけども、GⅠを除けば今回が1200戦で最も後ろで競馬をしたことになる。葵Sの幻影に引っ張られて位置を欲する競馬が続いていたが、本質的には1200よりもマイルという馬だし、今回はこの馬の適正ペースに近いところで無理せず追走したことが何よりの好走要因だろう。前走から1秒も速くなったのに位置がそれほど変わらないところで競馬をして潰れたサーマルウインドとは実に対照的だ。ラストに速い脚がある馬、淡々と行ってしぶとい馬、それぞれ特徴はあるが、それを発揮できるのは適正ペースで走ってこそ。そういういい例なのかなと思う。モズメイメイは適距離がどの辺にある馬なのか、というのを理解してもらういいきっかけになって欲しい。4着カンチェンジュンガ、5着ショウナンハクラクは共に4角二桁番手からの差し。インが渋滞する中で外を回せたのは大きかったが、好走要因としてはペース的に差しやすかったというよりも雨が降った恩恵があったのではないかと思う。特にカンチェンジュンガの父、ビッグアーサーの産駒は芝1200で1着馬のタイムが1分7秒台以内か、1分8秒台以降かで成績が結構変わってくる。今回は2着馬から1分8秒台という決着になった分、上位に入れたところがあったと思う。カンチェンジュンガ自身母父がノヴェリストだから余計にそんな印象も。4着という字面ほど評価できる内容かと言うと微妙。ショウナンハクラクに関してはフランケル×ショウナンアデラなので1400かなという感じなので、このペースなら後ろで構えて正解。サーマルウインドと同じで、この馬も基本は前後半の差があまりない1200が一番脚が溜まりそう。2番人気のナナオが6着。道中からしてちょっと忙しかった感じで、道悪は上手いタイプだからもう少し雨が降って欲しかったか。直線は踏ん張っているがこれは52㌔の分もあるのだろう。斤量差がもっと縮まっていたら着も大きくなっていたか。母方は割と晩成の印象だからこれからまだ成長できる可能性は大いにあるし、今回の結果からして距離は1400がいいかもしれない。どうしても位置ありきの競馬をしてしまうのは鞍上の癖なので仕方がない。9着エイシンスポッターは道悪歓迎のクチで平坦も合っているが、1200は気持ち忙しく微妙に脚が溜まり切らない。直線で不利を受けたが、前に1番人気の馬がいたしインの捌き方としては理想的で、立ち回りそのものは悪くなかった。ベストは京都外の1400。1200なら雨が降ってもっと時計が掛かって欲しい。昨年勝ち馬ジャスパークローネは16着。スタートで後手を踏んだのが全てだが、順調に結果も出ていた昨年の充実期もそこまで速いペースで突っ込んではいなくて、ピューロマジックのペースをがっぷり四つで受けたら結構きつかったのでは。ローテ的にも海外帰りの休み明けで使ってからと言える感じだったしハンデも重かった。ここを使ってどれだけ良くなってくるか。4番人気ペアポルックスが17着。割と余裕を持って追走していたように見えたが、4角では既に一杯に。キンシャサ産駒だから時計がきつかった、というわけではない負け方に見えたし、現状ではよくわからない。祖母はアイビスサマーダッシュ勝ち馬でもあるので、直線競馬で変わってくる可能性は残っている。

 

 

6月が終わり、月曜から7月。2週間後には函館に行きます。それに向けての準備も進めたいですね。