◎ダノンマッキンリー、インで消化不良… 日曜の予想結果 | NAKAMEの中央競馬重賞予想

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データと血統を中心になるべく穴っぽい馬を狙うスタイルです

2重賞ですんで恙なくやっていこうと思います。

 

 

日曜に行われた重賞はNHKマイルCと新潟大賞典の2つ。まずはNHKマイルCの方から振り返ってみよう。

 

 

勝ったのはジャンタルマンタル。スタートの出は一番良かったくらいで、その後は主張してきた馬に前を譲って道中は5番手前後。結局キャプテンシーが先手を取ってペースメイクをしたが、前半4Fが46.3、後半4Fが46.1という事で馬場を思うとややスローといえるペース。ハイペースというほど流れたわけではなく、18年と同じ入りでこちらの方が緩急のつき方としてはやや波が大きめか。8枠だった事や1番人気という事もあり、インに入れるというよりは内の馬を締めるポジショニングで前に置く競馬ではなかったが、馬自身はこのペースでもよく折り合っていたし、前走が2000でこのペースというのも運びやすかったか。直線では追い出しを待ってしっかり抜け出し快勝。インがゴチャついてそれに有力馬も巻き込まれ、それがなかったらどういう着差になっていたかはわからないが、こういった立ち回りの上手さこそこの馬の一番の武器で、派手さはないが実に堅実。これは血統の北米的スピードが源泉で、時計の出る馬場も上手くフィットした。ゴリゴリのマイラーというよりは1800型かなという感じで中山記念とか完勝しそうな印象だけども、そういったタイプを今後どういう馬に作ってくるのか。北米的な馬だから現状の完成度も高いと思っているし、秋になっての成長度というのも一つポイントになるだろう。状態としては前走以上と感じるところはなくて、ローテや前走で走り切ったところからもそれはまあ致し方なし。それで着を崩さないところがやはり完成度なのだろう。今年に入って3戦。もう1戦するとすれば安田記念になるだろうが、今年は海外勢の参戦も検討されている。ちょっと分が悪そうだ。

 

本命のダノンマッキンリーは13着。後ろから行くのは想定内。道中は唸って追走出来ていたが直線では伸びるというより流れ込んだ感じで前走ほどの脚を使えなかった。状態は決して悪くなかったが、ペースが落ち着いてマイラーが爆発する流れではなくなってしまったし、馬群が近いとエキサイトしてしまうのでスローで馬群が固まり切れ目がなかったのは歓迎とは言えなかった。マイルがダメな馬ではないが、どうにも乗り方が難しいのとペースが流れてくれないので、現状ではレースがしやすいのは1400の外枠という事になりそう。まあイメージとしてはサトノアラジンですかね。外枠まで待ちましょう。

 

2着アスコリピチェーノは出来としては前走と同等か良くなったかなという印象で、反動や状態落ちというのはなかったように思う。この馬のハイライトはやはり直線。裁決としてはこの馬とマスクオールウィンが内側に斜行し他馬の進路を妨害。それぞれ過怠金を貰う格好になっているが、進路スペースとしては内に入っていくにはやや不十分だったかなという感じで、自滅に近い不利という印象も否めない。ジャンタルマンタルが外にピッタリ張り付いて外の自由がなく、半ば苦し紛れに選んだインなのだろうが、入っていくタイミングとマスクオールウィンがささるタイミングがほとんど同じという不運もあった。ただマスクオールウィンは右手にムチを持っていたし普段だったら人気馬に乗ってリスクのあるインを選択というのはあまりしないはず。この辺りは復帰初日だったルメール騎手の中に焦りの気持ちや勘のズレというのも少なからずあったのではないか。それでも巻き返して2着までやってきたところが地力の高さ。ペース的には勝ち馬よりも1800質が強いこの馬に分はあっただろうが、この世代では上位というところを負けて強しで示した。春はもう使うレースがないだろうが、秋に向けて秋華賞なのかマイル路線なのか、その辺をまず注目したい。3着ロジリオンは1着2着馬を前に見る位置で運び、大きな不利を受けることなく運ぶことが出来た。だからこそアスコリピチェーノに差されたのは着差以上に力の差を見せつけられたのだが、立ち回りの上手さを見せたのは今後に繋がるし、落ち着いたマイル戦でも脚が使えるのなら今後の選択肢も増える。母がビービーバーレルで自身はヘイローのクロスだから小回りも問題ないはずで、中山やローカル1800でもある程度やれそうだ。4着ゴンバデカーブースは今回は枠なり出たなりという感じの競馬で組み立てた。馬群を捌けない馬だけに乗り方は正解だし、ピュアマイラーではないのでペースも良かったが、今回は流れが落ち着きすぎて差しづらい展開となったのが響いた。ただ中団から差してきたのはこの馬だけで能力は見せたし、久々という事もあり仕上げとしてもまだ上げる余地はあるはず。父からしてダービーへ挑戦するのも面白いだろう。5着イフェイオンは直線で切り返すロスはあったが、ラストまでしぶとかった。広いコースが合っているのもそうだが、前走よりも気持ちだけペースが流れてくれたので走りやすかった側面もあるだろう。マイラーだと思うので今後もこれくらいの距離が合いそう。ちょっと緩慢さもあるストライドなので、欲を言うともう少し外目の枠の方が競馬がしやすそうだ。この辺はシアトルスルーの影響かもしれない。全体的に差しづらいペースになったので6着チャンネルトンネル、7着ディスペランツァ、8着ウォーターリヒト、9着アルセナールは着順によって評価を下げる必要はないだろう。ディスペランツァは直線で前をカットされて切り返すロスがあったしアルセナールは出遅れ。そもそもアルセナールはマイラーではなく2000くらいは欲しいイメージでこの距離は根本的に短い。4頭ともに距離は延びていいしウォーターリヒトは実績通り京都巧者。それぞれ見直す時はやってくるだろう。16着シュトラウスは今回も後ろでジッとする他ないという競馬だったが、この状態でGⅠを使う事に理由があるのかは疑問に思う。レースは練習ではないし前走で後方から行ったのが今回のためではないのだとすれば、点はずっと点のまま。線を迎えることはないだろう。常にリスクと隣り合わせにあるのが競馬だし、それを恐れて何もできない、何もしないのは馬券を買った人、出資者への裏切りともとられかねない。もっと勝負してほしかったというのが本音。厩舎力が問われている。17着ボンドガールの致命傷はやはり直線の不利だが、それまでの手応え的に不利がなかったらどこまでやれたかは正直不透明。状態は悪くなかったと思う。ただこのペースだと斬れ負けしていた可能性はそれなりにありそう。今回は度外視したい1戦。

 

続いて新潟大賞典。

 

本命のダンディズムは10着。出遅れたが元々そんなに速くないので特に気にしてはいなかった。行くと思われたセルバーグがスタート後に躓いてハナを取れず、外でスタートの良かったヤマニンサルバムがペースメイクする形。12.8-11.8-12.3-12.3-12.4と前半5Fは61秒6とかなり遅くなり、直近10回では2番目に遅いペース。昨年も同じく61秒6だが不良馬場だった事を思うとレースの質としは今年の方が遥かに遅く、スロー。1000を過ぎてからセルバーグが捲るプランBが発動したが6F目が12.4と全然ペースアップしておらず、後続の態勢も変化はないまま。こうなるとダラっと差してくるこの馬としては厳しい流れで、ラスト2Fは11.0-12.1と落ちてはいるが、レース上がり3F34秒4の時点でもう斬れ負け。これでは差せない。好走の窓口がとても狭い馬なのは間違いなく、まだやれると思うが狙うタイミングはとてもシビア。付き合いが難しいですね。

 

勝ったのはヤマニンサルバム。この馬が好走するときは大概スローで展開に恵まれた時というのがとても多いが、今回もセルバーグが出遅れてペースが上がらず、後ろも付いてこないでマイペースを保てたのが大きかった。ただホワイトマズル×トニービンだから前で受けると本当にしぶといし、逃げるくらい積極的な方が持ち味は出る。今後も好走出来るかどうかは相手次第というか同型次第というところだが、血統背景から5歳の今年は完成期。左回り専用ではないと思うので右回りでもマイペースならやれていいはず。サマー2000とか狙ってみてどうでしょう。

 

2着キングズパレスはペースで最後差し損ねた格好ではあるが、最近見せていたモタれる面が左回りでそこまで顔を見せなかったのは大きな収穫点。能力自体はある馬だし2着で少しは賞金を積めた。目黒記念はちょっと距離がどうかというのはあるしエプソムカップだと逆に忙しいかもという懸念はあるが、右回りを使うくらいなら距離を誤魔化してでも左回りに拘った方が現状は良さそうだ。相変わらず挙動はいい馬。少しはハビタット的な加速もあるかも。3着ヨーホーレイクは59㌔で差してきたことを思えば頑張った方だろう。ディープ×フレンチデピュティという形だけに急坂から平坦に替わってスピードが足りるかというのが懸念材料だったが、ジリっと脚は使っていてそれなりに適応した。ペースが遅くて走破タイムが伸びなかったが、こういう時計の伸びない形よりも、馬場がタフで時計が掛かるという方がハマりやすい馬。長欠明けから2走ボケせずに走れたのは良かった。4着デビットバローズはカナロア産駒としても結構クロスのフックがないタイプで、普通なら短距離馬に出る配合。それでいて2000、2200で結果を残したところを見ると母方の影響が強いのだろう。今回は展開も向いた上で4着で最後は脚がなくて言い訳のできない負けだが、この距離が若干忙しい可能性がありそう。馬体重は結構あるがそういった重さは感じさせない馬で、京都2400とか広いコースの2200、2400がベストかも。という見立てで。5着リフレーミングはダラっとした脚を使うので大崩れはないが勝ち切れないキャラで、ここでもそんな感じの競馬。ベストは中山2200と見ていて、今後もGⅢの相手なら大崩れはないだろうが、勝ち切るまでの内容となると展開の恵まれが欲しい。7着マイネルクリソーラはこのペースで差し切れるほどの斬れはないし、ペースに泣いた。広いコース自体はこなせない馬ではないし、もう少し時計の掛かる馬場になってくれれば。8着ノッキングポイントは斤量がちょっと重いのもあったが、それにしても格好がつかなかった。揉まれず運ぶことが出来たしペース的にも脚を溜める事は出来たはず。運び方も良かったと思えただけに物足りなさが残る。現状では急坂の方がいいのか、現時点でははっきりした敗因がわからない。1番人気のレーベスティールは11着。元々右後肢の入りが良くない馬だが今回はいつにも増して良くないように見えたし、毛艶や緩さもイマイチだった感じ。香港大敗からの帰国初戦で立て直す難しさが出た感じ。レースとしても見せ場がなく、今回は状態面という事に敗因を結論付けたい。

 

 

中目黒さんのゴールデンウィークは終わりました。一日遅く始まり、一日早く終わる。何の罰ゲームなんでしょうね。労働頑張ります。