2重賞ですんで恙なくやっていきます。
日曜に行われた重賞はマイラーズCとフローラSの2つ。まずはフローラSから振り返ってみよう。
勝ったのはアドマイヤベル。スタート自体は五分で出て道中は6番手。途中でエルフストラックが動いていったが他の馬は追随せず、というか動きやすいコースではないので隊列に大きな変化はなし。先手争いはユキワリザクラとメアヴィアで割と競ったが、内だった分メアヴィアが先手を奪ってペースメイク。5F通過59秒7は馬場を思えばまあ平均ペースかなという感じでスローではなかったが、最近は中弛みするレースが多い中で今年は12.6-11.1-11.9-12.0-12.1という5Fの後、12.3-12.0-11.6-11.6-11.8と若干緩みはあるものの誤差くらいの感じで、フローラSとしてはしっかりしたペース。その中で折り合いはちょっとギリギリかなと映るところもあったと思うが、直線ではしっかりと伸びた。俊敏というよりは緩慢なストライドでジワっと伸びてくるが、やや前向きな所は姉と似ていて、ベルクレスタも前向きが過ぎるレベルだった。なので今後もテンションがどうかというのは付いて回ると思うが、広いコースが合っているのは間違いないし、血統から距離は延びても問題ないはず。オークスは桜花賞組が中々に手強そうで斬れる馬もいるし今回ほど走るかは何とも言えないが、時計的には悪いパフォーマンスではなく将来的にはもう一度タイトルを取る可能性もあるだろう。この馬はリヴァーマンのクロスを持つが、リヴァーマンはフランス血脈らしい斬れを牝馬の方が伝えやすい。ただ母ベルアリュールの場合は牝馬でもこの馬のようにジリっとしたところを伝えやすい傾向は見受けられ、これはリヴァーマンとかニューメラスではなくてケネーン、トゥルビヨンなんかの影響が強いんじゃないかなと。ある意味ナイトインロンドンと近いイメージでもいいのかもしれない。
本命のバロネッサは7着。内容を簡単に言っちゃえばゲートが決まらず後手に回って良さを出せず、というところで、兄とタイプが違うとはいえこの血統が東京で後手に回ったらどうにもならない。前走は決まったがその前はずっとゲートが良くなかったし、その辺は経験が必要だろう。で、本筋とはズレるんだけども、津村騎手のレース後コメントが『ゲートが全て。浮き上がるスタートで…(以下省略)』とまあ、要約するとこんな感じなのだが、じゃあどれくらい遅れたのかいざ映像を見てみようと思って公式映像に行きついても、東京2000はスタートが真正面のアングルなのでどれくらい遅れたのか伝わりづらいしわかりにくい。この真正面アングルに関しては以前からずっと文句は言っていて、民放と公式の併用で映像を確認するのは骨が折れる。どうにかならないものか。馬自体はいい能力があるし、兄よりは1800寄りというか巡行して強いタイプだと思っているので、まずはスタートを良くしてもらって段階を踏めば自己条件でいい勝負が出来ると思う。
2着ラヴァンダは父がシルバーステートでやや曲飛っぽい様にも見えたので東京で長く脚を使う展開だとどうかと思ったが、レースではインに拘って抜け出すのを我慢できたし、対東京という意味ではいい競馬が出来た。オークスとなると距離が延びてプラスがあるか微妙だし、東京だと追い出しを我慢したいタイプなので枠の注文も付く。再現度という意味だと次は微妙と言わざるを得ないか。今回はペースが流れたし、マイル経験もいい方に出たのでは。3着カニキュルはやはりパドックを見ても東京向きだなという印象で、ただ少し細いかなという身体。レースでは序盤唸っていて、この辺りがこの馬の難しいところではあるのだが、ラストも良く頑張っている。まあこのペースで唸るのは能力の証拠だし外々を回して脚を使えたところからも地力はうかがえる。今後、どれだけ成長してくれるか。4着クリスマスパレードは終始折り合いが微妙な所で、ペースで唸るというよりも単にテンションが高かった印象。パドックでは耳がピンっと立っていたし、初の東京競馬場の雰囲気にちょっと飲まれていたかもしれない。直線ではずっと進行方向左側に行こうとしていて鞍上もムチを使うに使えず。最後は開き直ってステッキを入れたが内にヨレて制裁の事象にもなった。もう少し時計が掛かった方がいい血統だと思うし東京向きって感じでもないので、見直すなら中山の時だろう。5着トロピカルティーも東京よりは中山向きかなという印象の馬で、東京で上がりを使いましょうという展開は合っていないはず。この馬も中山替わりか時計の掛かる馬場で見てみたいところ。6着エルフストラックはスタートが変な格好になってテンに進まず。東京2000では珍しい道中で動く形のやや強引な競馬となったが、その割には見せ場を作ったと思う。俊敏に脚を使う馬ではないのは確かだと思うが、今回の走りを見ると逃げ一手ではなくて揉まれなければ差しOKという印象も。オークスは出れないだろうが今後への収穫という意味では大きな意義のある競馬となったのでは。
続いてマイラーズC。
本命のニホンピロキーフは3着。スタートというよりは二の足が良く付いて、結果的には中団だったが位置に関して苦労する入りではなかったのはとても良かった。45.6-46.9という前後半で道悪なのに昨年よりも速く、過去10年では阪神開催を除くと過去最速の前半4F。その中で中団に収まったのは自然の成り行きというか、馬に無理をさせなかった、馬のペースで運べた証左でもある。ハイライトはなんと言っても4角の下りで、ソウルラッシュよりもいい手応えで回ってきた時はプリンスリーギフトやなーサーゲイロードやなーと思ったものだ。直線でも見せ場は十分だったが最後は上位2頭に地力の差を見せつけられた。気持ち踏むのが早かったかなという気はしないでもないが、全体的にはいい競馬が出来た。見立て通り、血統通り京都はベストで合っているし、京都に出てくるときは常に注意しておきたい馬だろう。ただ京都外回りの重賞自体はそこまで多くないんですよねえ。今回のペースで脚が溜まっていたのも今後に繋がる。
勝ったのはソウルラッシュ。これまでは高速馬場でも結果を残していたが、父がルーラーシップなので時計一つ掛かった方が本来は合うタイプ。少し忙しそうに見えた気もしないではないが、直線での伸びっぷりを見ると今まで経験してきたレースが違うのよ、とでも言いたげな走りで、着差通り完勝と言っていいだろう。急遽の代打騎乗でも特に癖のない馬だから乗り手を選ばない強みがこういう状況で真価を発揮したと思うし、前哨戦としては言う事なし。安田記念に向けてはやはり時計への対応と相手関係。ピュアマイラーではないから1線級が揃うメンバーだと不利を受けやすい側面も。6歳になってより重厚味が増したように思うし、出来れば今回のように雨でタフな競馬になってくれた方がいい。
2着セリフォスはプラス12㌔という程ダルンダルンではなかったが、少し余裕があるように思ったし、最近は後肢の踏み込みの浅さが気になる。レースでは今回もやや唸りそうになってはいたが、ペースが流れた事や出来上がってない身体で単純に上げられるギアが制限されていたこともあったのか、当社比で言えばまだ折り合いは良かった方。馬場もダメという印象はなかった。直近2走が唸り倒して脚を残せない負け方をしていたし、そういう意味では悪い2着ではないのだが、逆に次に向けて身体をバッチリ作ってきたらどういうテンション、折り合いになるのかというのが不安になってくる。この手の激しい馬は川田騎手があまり得意とするところではないのも引っかかるところで、次に向けて状態と共に評価も上げられるわけではないだろう。久々だったエアロロノアが4着。京都は昨年のマイラーズC以来だったが、当時よりも着順が上がった。ただ内容としては前を追いかけすぎなかったことや雨の馬場になって上がりだけではない競馬になったのも良かったはずで、今回の4着で地力証明、とはならないか。どちらかと言えば京都よりも阪神の方がいい馬だろう。5着ソーヴァリアントはマイルCSよりも後ろの位置になったが、本来はマイラーではないし、今回のように流れたペースなら間違いなく後ろにいる方が脚は溜まる。鞍上によるとスタートでバランスを崩して後方にとのことだったが、ここではそれがむしろ良かった。4角の下りはやはりステイゴールドっぽいなという感じでとても上手。直線で伸びあぐねたのは最近は緩慢な走りになってきたところもあるか。ここにきて適舞台がわからなくなってきたが、少なくとも京都自体は下手ではない。それはマイルCSの敗戦から払拭できる事だろう。7着トランキリテは流れたペースを後方から進め、それでいて上位馬との差を詰められないわけだから、少なくとも今回の上位3頭とは力の差を見せつけられたと言わざるを得ないか。馬場も決してダメではないはずだから、そうなるとますます重賞級ではちょっと足りない。京都金杯勝ち馬コレペティトールは8着。この馬場は合っていたと思うが、金杯と今回では相手のレベルが違っていたかなという感じで、また当時はバイアスも非常に極端だったのを味方につけた面もあった。インを狙う金杯の時を倣った競馬ではあったが京都適性以上に地力の差があったかも。京都金杯組の中では最先着だからある意味格好は示しているので、今後は相手関係次第という事になるか。
ちょっとね、復習する時間がなくて雑な感じで短く終わっちゃいましたけども。足りない部分はあとで書き足しましょうか。それか個人でお願いします。そして天皇賞春のお話もYouTubeにあげてるんでよろしくお願いします。