◎ビクターザウィナー、逃げ粘るも3着… 日曜の予想結果 | NAKAMEの中央競馬重賞予想

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2重賞ですんで恙なくやっていきます。

 

 

日曜に行われた重賞は高松宮記念とマーチSの2つ。まずは高松宮記念から振り返ってみよう。

 

 

勝ったのはマッドクール。スタート自体は五分という感じだったが押して行って道中はインの2,3番手辺り。モズメイメイが思ったよりゲートを出なくて進まず、テイエムスパーダはもう最初からハナは諦めていた感じで、ここでもスタートを決めたビクターザウィナーが先手を奪っていった。前半3Fは34秒9。重馬場だったことを考慮してもちょっとペースは遅すぎたかなという感じで、実際に後半3Fは34秒0と後傾ラップのスプリント戦。これはちょっと考えていなかった展開ではあるが、当日のバイアス的にインが強かったのは確かで、このスローとなるとインを回ってくる馬には絶好の流れ。押して好位を奪い逃げた馬のラチ沿い後ろを取ったこの馬として完璧なレースメイクと言っていいだろう。直線でもインに拘って押し進め、最後は詰められたが頭差振り切った。マッドクールは自分が持っている字面の印象程ピュアスプリンターではないようで、予想記事でもスプリンターズSのようなペースになれば前進と書いたが、今回の結果を見ても鞍上の好騎乗があったにしてもやはりこれくらい緩めの方が合うのだろう。非サンデーで短距離馬を多く輩出しているDark Angel産駒でデインヒルを持つ血統だから種牡馬としての価値は高いはずで、母父Indian Ridgeが非ノーザンダンサーという事でキンカメ肌との配合がしやすくヌレサドニアリーが作れるのも魅力的。今の日本は中距離質の緩さを抱えた繁殖が多いし、そういった繁殖に対しては期待を持てる種牡馬になりそうだ。と、ここまで将来種牡馬入りする前提で書いてるけど、そうじゃなかったらこの部分、まるで無駄になっちゃいますね。ともかくラチ沿いを使った器用な競馬が出来るのは強みだし、スプリンターズSでもそういった競馬をしたい。

 

本命のビクターザウィナーは3着。まずパドックを見た印象だとダンジグらしい後躯ではあったが全体的にはガチガチムッチムチという感じではなくて、案外普通だなというのが第一印象だった。レース後コメントで100%の状態ではなかったと言っていたし、その辺は遠征の影響があったのだろう。レースでは持ち前のテンの速さでハナを奪っていったが、前述の通り入りが34秒9でレース上がりが34秒0。道悪だった直近4回と比較してもこのレース上がりはちょっと異様に速くて、風の影響はなかったと思うし、バックストレッチとホームストレッチで馬場差が異なっていたという風に考えるのが落としどころとしては一番合点がいきそう。ただ、だとしてもペースを上げきれなかったのは事実で、簡単に先手を奪えてしまったが為に競る必要がなかったのでペースを落とし過ぎた面はあったかも。直線では外に進路を求めて、結果インに拘った馬のワンツーだから負け方としてはとても印象が悪いが、0秒5も離されたしストレートで内外を走る距離損というのは実際はほとんどなく、仮にインを選択しても差は詰まっても勝つまでの時計で走れた可能性は低いか。が、インにいた馬に蓋を出来るという可能性はあったかもしれない。個人的に一番差が出たのは馬場巧拙の差かなという印象があり、時計の掛かる馬場はいいがグリップ出来ない馬場はそんなに…、という馬かもしれない。香港で道悪はあまりないだけに、もし暮れの香港スプリントに出てくる事があれば、今回以上に日本馬の壁になってくる、という事はあるかもしれない。

 

2着ナムラクレアはまたまた2着で差も僅か。インに拘ったライン取りは良かったと思うし、今回は1200を使い始めてから初めて4角二桁番手の競馬を敢行。やはり本質は1400の馬だと今でも思っているのでこれくらい極端に走らせた方が本質に近いと思うし、1200で負けたレースとしては一番力を発揮できた負け方だったのでは。直線で右鞭を入れて左にヨレた後、再び右鞭でヨレて修正動作を入れているように無駄な動きがあったのは確かだが、最も力を発揮できるであろう乗り方で勝ち切れないとなると、少し年齢的な所が出てきた可能性はある。スプリンターズSよりも高松宮記念という馬でもあるし、この差をモノに出来たなかったのは痛い。平坦のGⅠを求めて海外に挑戦するのも選択肢だと思うが…。4着ウインカーネリアンは思った以上にテンに進んで行けたし、34秒9の恩恵もあっただろう、道中は手綱を抱えて運べた。ビクターザウィナーの外にいてそのビクターザウィナーが外を選んだだけにインへ切り返せなかったのは痛かったが、最後まで辛抱して頑張った。スローとは言え1200に対応したのは収穫だし、この経験を活かして安田記念に繋げたい。5着ロータスランドは大方の予想通りイン突きを狙った差しに回ったが、前にいたナムラクレアにしっかり離されたし展開が向かなかったとはいえ完敗。1400質の馬でペースは合っていたはずで道悪も結果を出していたし、言い訳はできないか。これで引退。ポイントはやはりスキャットダディの血を引いているという点で、サンデー肌と配合しやすいのは魅力だろう。父父ダイナフォーマーはブライアンズタイムの7/8同血なので、ダイナフォーマー≒ブライアンズタイムのニアリークロス3×4を狙うのも面白そうだ。6着トウシンマカオは時計が掛かる事自体は歓迎だが、ここまで緩んだ馬場は得手ではない。また内目の枠になってしまったのは外に行く馬が多かったことでキャンセルできたが、スローを差し切るタイプではない。ここは諸々状況が良くなかった感。8着ママコチャは外を回されたのも影響としては大きかったが、シラユキヒメの重さが薄れて牝系が本来持っている軽いスピードが出た馬なのでこういった馬場は合っていないのだろう。そして本質はこの馬も1400くらいだと思うので、平坦の芝1400で一番買いたいのだがそういうレースが全然ないですね。賞金は足りているんだしヴィクトリアマイルに挑戦するのも悪くない手だろう。ここが引退レースとなったメイケイエールは9着。この馬に対する思いの丈はXの方でちょろっと書いたのでそっちを見てもらえれば。まあ今年も馬場が悪かったのはあるけども、やっぱりこの距離の馬じゃないよなあという感想のまま引退するのは個人的にとても複雑。配合としてはサンデーとデインヒルのクロスでやることをやってる血統なので、まずはそれを希薄していく方向にもっていくところからだろうが、ミッキーアイルはフィリーサイアーだし母父としてもある程度成功していきそう。前述の通りシラユキヒメの牝系、ウェイブウインドの牝系は代を重ねるごとにスピードを伝えていく方向になってきているので、産駒はマイラー近辺に出る馬も多いのではないか。なのでちょっと柔すぎると中距離っぽい馬も出そう。1番人気のルガルは10着。バテて伸びなかったというよりはペースが落ち着いて良さを出せなかったような負け方で、前走なんかを見ても持続力に長けたタイプに思うし、ラストだけ脚を使う流れは得意ではないのだろう。京都がベストなのも戦績通りだと思うし、ここは展開負けと見ていいのでは。ここが引退レースとなったディヴィーナは11着。大幅な馬体増だったがそこまで太くは見えなくて、この距離に対応する馬体に作ってきたという事か。結果的には1200の適性で劣ったという負け方だったと思う。モーリス×ディープは良く言えば万能、悪く言えばどっちつかずなタイプになりがちで、これを繁殖として配合していくならやはりハッキリとしたキャラ付けをさせる配合をまずはするべきか。せっかくのマキャヴェリアン持ちだし、それこそマッドクールと配合するっていうのも将来的には面白いのでは。12着ウインマーベルは今年も馬場に泣き、バイアスも味方せず。阪神1400でお待ちしましょう。15着モズメイメイ、シンガリのテイエムスパーダは前に行くことが出来ずレースの参加もほぼ出来なかった。特にモズメイメイは後手を踏んでしまったここは参考外。もっと距離が欲しいしマイルに拘って使う方向性に持って行ってもいいのでは。

 

 

続いてマーチS。

 

本命のミトノオーは2着。スタートは五分。二の足が付いて先手を奪っていく理想の展開でいい形で序盤は入れた。ただバックストレッチに入るくらいのところからペースが上がって5Fのラップだと12.9-11.6-12.3-12.2-11.9で60秒9。3分割ラップだと36.8-37.2-37.7といった感じで中盤は緩むどころか上げている。それでも最後まで押し切れるかというシーンを作ったのだから強い競馬ではあるのだが、もうちょっとペースアップを抑えるか遅らせるかしてもらえたら…、というのは感想としてある。気性的に馬が近くにいると良くないだけあって今回のように気分よく運ぶと強いし、サドラー的に底力を発揮できる展開に持ち込めば次走以降も好勝負可能だろう。57.5で結果を出したのも収穫だし、後は道悪で結果を出せるかというところか。

 

勝ったのはヴァルツァーシャル。バイカターキンの産駒だけに1枠から外に出せるのかというのが最大の焦点だったが、ペースが流れた事で隊列が延び、4角で上手く外に出すことが出来た。そうなるとペース的に差しやすいし、本来はマイルでも行けるくらいの馬で有力馬に2000くらいがベストかなというタイプもいたので、高速巡行能力も上手くハマった。今回も504㌔でデビューしてから30キロ以上増え、いよいよ完成期に入った印象。坂でちょっと鈍ったところを見ると平坦の方がベターかなという感じもあり、京都の重賞なら今後も希望がありそう。地方へ挑戦するならやはり砂への対応というところがポイントだろう。それにしても母父エンパイアメーカー、バイカターキンは優秀っすね。

 

3着ペイシャエスは割と早い段階で手応えは怪しくなったし、1800自体は問題なくてももう少し落ち着いたペースの方がハマる馬で、それを思うと流石の地力を見せたのではないか。今回は前走から少し間隔が空いていただけに、ここを使って良化してくればもっとパフォーマンスは上がりそう。地方の砂も苦にしないし、2000前後の重賞で楽しめそうだ。母がワイルドラッシュ×ジャイアンツコーズウェイだから今回のような好位からの競馬がベター。4着キタノヴィジョンは差しやすいペースになってジワっと差してきたが、父のナスキロ的柔さを受け継いだ馬で実績通り良馬場よりも道悪というタイプ。この馬は雨が思ったより降らなくて泣いた1頭だろう。斤量がどうかという事になってくるが、今後も雨の馬場なら狙いの目は立つ。5着ラインオブソウルはペイシャエスと同様に早い段階で手応えは悪くなっていたし、5着といえどコースロスを抑えて差しやすいペースにもなってというところだから額面通りに受け取れない着順ではある。ただ前走は不利を受けて競馬にならなかっただけに、諸々状況が整えば重賞でも掲示板くらいは食い込めるというのは収穫。晩成っぽいイメージのシニミニ産駒なのでこのペースを経験できたのは大きいし、あとは別定戦でどこまで内容を上げられるか。1番人気のブライアンセンスは6着。今回は4番手の競馬だったが、京都で4着とはいえ本来は時計が掛かってこその馬だし距離は微妙に忙しそう。3番人気で13着だったウェルカムニュースも似たような馬で、ここはペースを追走するのに精一杯で余力がなかった。まだ未完成の馬でこれからだし、距離を延ばして走ればもうちょっと違う結果を期待できるかも。鞍上はハンデを気にしていたが、個人的にはそこまで大きな影響はなかったと見ている。8着ゴールドハイアーは勝負所で全然進まず、実質直線だけで差を詰めた。ちょっとよくわからないんだけども、進まなかった区間は寧ろペースがそこまで上がっていない区間だったし、過去に2000で勝った経験もある馬なので忙しくて進出できなかったのかも。そういう意味では東京ダ2100の方が適した条件か。あとこの馬も雨はもうちょっと欲しかった馬だったかもしれない。11着キリンジは中央だと現状スピードが足りない追うな感じで、今回は見せ場らしい見せ場もなし。牝系からして1周がダメではないだろうが、どうせの1周なら中央よりも地方の方が良さそう。

 

 

来週は2場開催で重賞も2つ。ようやく平穏な週末が訪れそう。4重賞土日ともに2つずつは体力的にとても大変なので今回限りにしてもらいたい。