週末の重賞 3/16,17 | NAKAMEの中央競馬重賞予想

NAKAMEの中央競馬重賞予想

主に重賞を中心にNAKAMEさんが予想します
データと血統を中心になるべく穴っぽい馬を狙うスタイルです

基本、予定が入ったりやることが増えてくるとてんやわんやする人なのですぐに忙しい忙しいとほざいちゃうんですが、今週は特に参った。まず土曜まで仕事で競馬は3場開催4重賞。そして高松宮記念の動画なんかも撮りたいと思っていて、この競馬まみれのスケジュールと仕事で潰れて1つしかない休み中に編集という予定もプラス。更に更に車のガソリンがちょっと心許ない上に花粉まみれで洗車もしたい。もうね、時間も人数も足りてないんですわ。なのでこっちもこんな余談はさっさと切り上げて本題に入ろうと思います。

 

 

今週行われる重賞は4つ。まず土曜のファルコンSとフラワーC、そして日曜のスプリングSと阪神大賞典。いづれも動画等は作っていないのでここで掘り下げていこうと思う。

 

 

まずはファルコンS。

のちの優秀な短距離馬を輩出している、とは言えないが、20年2着ラウダシオンはNHKマイルCを勝ったし注意は必要なステップ。過去10年の前半3F平均タイムは約33秒9。道悪の年も含めてはいるのものの、実は良馬場だけに限っても約33秒9なのでほとんど同じ。つまり道悪の年でもこれより速い年がそこそこあるという事。中京芝1400は3コーナーまで約400M近くあり、阪神程ではないがバックストレッチを長く走るコース。なので単純にそこだけ見るともっと前半は競りそうなものだが、中京の場合は最初の2Fが登り勾配になっているので序盤平坦な阪神と比べて実はテンは飛ばしづらいレイアウト。それだけに33秒台でもそこそこのハイペースで、そこに道悪が重なると完全なオーバーペース。道悪で前半3Fが33秒台だった3回の3着内馬9頭の4角位置は7,9,10,5,4,8,12,13,2。逆に良馬場で3F34秒台だった年の4角位置は12,9,3,4,4,7,10,3,3。まあ完全な前残りとは言わないが比較的先行勢が手堅い。今年はまさにシュトラウスの運び方がレースの流れを大きく左右しそうだ。血統的には直近2回は道悪を考慮すべきとはいえダンジグ持ちが3着内を独占。良馬場の年でもルークズネスト、グレナディアガーズ、ハッピーアワーなどがダンジグ持ちで相性のいい血統と言える。ディープ持ちは正直不振もいいところだが、好走時は良馬場の時が多く、ストームキャットも良馬場の時の方が買いやすいか。今年の出走馬ではまずソンシに注目してみたい。日本ではちょっと危ない印象もある名前だが、父はNight of Thunderで母父がNayef。父Night of Thunderはドバウィ産駒のイギリスで走っていた馬。海外では既にGⅠ勝ちを収めた産駒もおり、ドバウィの血を次代に繋いでいく役目を十二分に担っている。母方を遡るとエルナンドなども出てくるが、近親のEfaadahは短距離戦線で活躍した馬でこの馬自身はグリーンデザートの4×5。前走なんかを見ても前半3F35秒台の流れを唸りながらなんとか折り合って、というレースだったし、馬体なんかを見ても後躯が立派でダンジグっぽさを感じる。距離は1400が将来的にはギリかもしれないが、2走前がそこそこ速い流れでそして前走がスローでしっかり対応した点は強みだし、クラスが上がった方が折り合いも楽だろう。またこの馬はグリーンデザート以外にもサドラーもクロスになっていて、5代母はバックパサーのクロスとパワーに優れている。坂のあるコースも合うだろう。間隔が詰まるので精神的な所が課題になるが、中内田厩舎のダンジグ発現系は早期に買うのが吉。11.4-11.4-11.0でノーステッキだった前走を見ても素質は高い。他にはナムラアトムか。父はリアルインパクトで母父がストームキャット。ナムラクレアの半弟で世界的名血クードフォリーの一族出身。ディープ×ストームキャットは言わずと知れたニックス配合ではあるが、それは孫産駒の代でも概ね同じ傾向が出ていて、それこそこのレースで2着だったラウダシオンもリアルインパクト×ストームキャット。そこにクードフォリーの牝系だからリアルインパクトとしては柔いスピードに振った斬れのあるタイプで、前走にしても外差しの馬場とは言え必要以上に外に振られる不利を受けながら加速ラップで差し切った芸当は非凡さを感じる。なので意外と馬場が渋ると良くないかも、という見方はできるのだが、今年は1月の中京開催がなく状態のいい芝となっているし、良馬場で臨めればここでも楽しみはある。まだまだ奥のある血統でもあると思うので、ここでダメでも将来的にはいいところまで楽しめそうだ。相手関係的に強気にはなれないが距離は延びても問題なさそうなアンクルクロス、難しいタイプだが1400までは守備範囲のミルテンベルク、1400ベストのロジリオンなども上位候補。

 

続いてフラワーC。

桜花賞へのトライアルは全て終了したが、間隔的にはここで賞金を積んでも出れないことはなく、昨年勝ち馬エミューは桜花賞へ参戦。オークスを睨む馬も多いが、どっちに出るにしても内容は要チェック。中山芝1800重賞が多い時期なので繰り返しになってしまうが、1角までが短いコースなので前半はペースアップしづらく、スローの前残りかロンスパ持続戦のどちらか、という競馬になりやすいコース。その中でフラワーCに関して言えばハッキリスローになりやすくて前残りも目立つ。差し差しで決まったのは昨年ぐらいだ。3歳牝馬限定の1800、2000のOP・重賞級はそんなに多い番組ではないので、中距離志向の馬が王道クラシックローテ以外で歩むにはうってつけのレースだし、それだけによりスローになりやすい側面がある。今年は頭数がそんなに多くないし逃げたい馬もあまりいない。その辺をどう考えるかだろう。血統的にはヌレイエフ、サドラー=フェアリーキングとヌレサド持ちがよく走っていて、またスロー故にキンカメ×ローザネイ、ルーラーシップ×スペシャルウィークと中距離×中距離がハマりやすいのも特徴。またホウオウイクセルがノーザンテーストのクロス、アブレイズがヘイローのクロスと、スローの中山らしく機動力に優れる配合も上位が目立つ。血統からは外れるが、小柄な牝馬でも上位に入っているのは特徴的かも。今年の出走馬ではまずラビットアイか。父はエピファネイアで母父がニューアプローチ。ダンジグが入るエピファネイア産駒という事で早期から走るパターンではあるが、祖母がクリテリウムドサンクルーで2着など2歳時から活躍していた馬で、そういう意味でも比較的仕上がり早というイメージは持ちやすい。この馬自身はサドラーの継続クロスでそういった重厚感も感じる体つき。前走は前半で力んだうえに動きの多いレースでイレギュラーな展開。その中で斬れ負けした感じだったから展開もコースも合わなかったという負けに見えたし、中山内回りがベストという事はないだろうが坂のあるコースの方が合うのは確かだろう。こういったカリカリしたところのあるエピファネイア牝馬は父の気性を受け継いでいると見ていいが、それだけに未勝利勝ちした時のように逃げたり揉まれず先行が良くハマる。枠の並びと当日のテンション次第だが、ここは行けるなら行きたいし、その方がチャンスは広がるだろう。中山っぽくない馬が多いから、だからこそ前で受けたい。他にはテリオスサラか。父はロジャーバローズで母父がシャマーダル。父ロジャーバローズはジェンティルドンナの親戚で、ディープ産駒ではあるがしぶとさを武器にしていたタイプ。それだけに母父にストームキャットを持ってヘイローのクロスも入るシャマーダルを迎え入れる配合はベター。高い打点になるかは別として、配合の方向性としては至極当然で素直に褒められる。母方はミエスクを輩出している同じの名牝系で、祖母サマナケイはヌレサドの3×3。なのでそこにロジャーバローズだとちょっと重そうだが実にしぶとさに優れた先行馬、というイメージ。前走は斬れ負け、2走前は出遅れと結果が出ていないが赤松賞でステレンボッシュの2着があるだけに全く力がないわけではないと思うし、スタートは相変わらずの課題だが延長も中山替わりも歓迎。先行出来ればもっとやれていい能力は秘めているだろう。結局のところディープ後継種牡馬は牝馬が良く走りそうだなという印象もあって、そういう意味でもここは前進を期待。前走のように先行すればしぶといエルフストラック、中山向きではないだろうがエピファネイア×ゼンノロブロイという配合は売りのカニキュルなども上位候補。

 

続いてスプリングS。

このレースも中山芝1800なのでコースの特徴は割愛。ただフラワーCに比べるとこちらの方がペースは比較的速くて、ダービーに繋がっていくともなかなか言い難い傾向となっている。牝馬と比べると牡馬の方がカテゴリー毎の番組の整備、割り振り的な所が整っているので2000使う前にここで中距離適性を試したいマイラーや気性が前向きな馬が集まりやすいのかもしれない。10頭立てだった20年は流石に超スローだったが、良馬場でそれなりの頭数が揃えば道中は12秒前後のラップで構成されることがほとんど。なので単なる前残りというのはあまり発生していない。今年は微妙な頭数だが果たしてどんなペースになるか。皐月賞、そしてNHKマイルへは正直微妙な立ち位置にあるが、エポカドーロやキタサンブラックはそれぞれ先行策で皐月賞でも好走。エポカドーロは5F60秒を切ってラスト1Fも12秒を切っていたし、キタサンブラックはスローだったがレースのラスト3Fが11.8-11.2-11.5としっかり上がっている中での押し切り。同じ先行策で勝ったビーアストニッシドは道悪とは言え5Fが60秒以上でラストも速いラップを踏めなくて皐月賞は着外。次を求めるなら相応のパフォーマンスを求めないといけないだろう。血統的にはアイドリームドアドリーム牝系の馬が2年連続で3着内に入ったり、ダンジグ、ロベルト持ちが最近は好走中で、マイラーっぽさを備えた機動力とパワータイプが走ると言えるか。カナロア産駒が2勝、他にもマインドユアビスケッツやキンシャサ産駒が好走しているところからも速力という意味で短いところの血を持っていた方がベターだろう。今年の出走馬ではまずシックスペンスに注目してみたい。父はキズナで母父がTwirling Candy。母はアメリカのダ7FG1勝ち馬で、近親に日本で活躍した馬はあまりいないものの、全体としてマイル寄り中距離馬が出ている印象。母がダンジグの4×4で完成度を出す配合となっているし、将来的にはパワーマイラーっぽい感じになるかもしれないが現状では1800も十分こなす。勿論中山向きのパワーと機動力も持っているだろう。フォトパドックを見て他の馬と比較すると、割と肩が立っている。母はダンジグの4×4だが、もう一つ強烈なクロスとしてクリプトクリアランスの3×4というのを持っている。このクリプトクリアランスはホイストザフラッグ→トムロルフというラインからリボーの血を引いているが、リボーは肩が立ちやすい特徴を伝える血統でもあって、この馬はこういった母方の影響が出ているように思う。立ち肩は前肢の出がゴツゴツした感じの硬めになるのと、冬場は成績を上げづらいところがあって、そういう意味だと暖冬はプラス。後は時計が掛かってくれるとなおいいかもしれない。速い流れを経験していないだけに重賞の流れで脚が溜まるかというのがポイントにはなってくるが、マイルの距離を使ってきたのはここに向けていい伏線になりそう。他にはルカランフィーストか。父はイスラボニータで母父がマンハッタンカフェ。母は中距離馬だったが祖母は短距離馬で、牝系そのものはゼダーンなどフランスの血が強い。デビュー戦は好発外追走から好位押し切り。しかし2戦目は不自然に反応が悪く全く走り切らないような負け方。そして前走は外から豪快に差し切りと、好走した時は外に出して脚を使うというのが共通点で、これは牝系に入るオリオールの影響だろう。だとすると内枠でずっと周りに馬がいた2戦目の敗戦も説明が付く。見た目のフットワークからして広いコース向きだろうから中山はベストではないだろう。ただ前半から速い流れを経験しているのは強みだし、ノーザンダンサーが1本しか入っていない血統だから本来はもうちょっとゆったりしたペースの方が合うはず。この馬の揉まれ弱さと持ち味を考慮すれば小頭数はプラスといえるだろう。ハイペリオンも薄いので重賞級の底力かどうかは微妙な所だが、馬場も合いそうで展開次第ではチャンスが。短縮で折り合いたいジュンゴールド、キャリア1戦でローテ的にはきついが距離は合いそうなスティンガーグラスなども上位候補。

 

最後は阪神大賞典。

毎度お馴染み、春の阪神の名物レース。内回りを2周するので基本的に前半はゆったり入るが後半5Fないし6Fからペースアップする持続戦になりやすい。内回りのレースだから穴をあけやすいのは前で受けた馬だが、持続戦になりやすいだけに前だけで決まることはなく、それこそジャスティンパレスやユーキャンスマイルといった広いコースの方が合いそうなタイプも地力で上位に入ってくる。長丁場で直線に坂もあるコースだから確かな長距離適性と持続力を問いたい。血統的にはディープボンドが連覇、昨年はディープ産駒のジャスティンパレスが勝利とディープ持ちがよく走っていて、これ以外にはナムラドノヴァンやトーセンカンビーナ、メイショウテンゲンもディープ持ち。他には阪神らしくヌレサド持ちも十分脅威。阪神開催だった天皇賞春とは結びつきはそこまで強烈ではなかったが、京都に戻った昨年は勝ち馬がそのまま天皇賞春を勝った。京都の天皇賞春に繋がっていく馬は大多数がディープ持ちかステゴ持ちで、そういった馬が好走した時は本番でも注意したい。今年の出走馬ではまずサヴォーナか。父はキズナで母父はスニッツェル。スニッツェル母父として有能説は毎度毎度提唱させていただいております。スニッツェル自体はリダウツチョイスの産駒なので基本的には短いところの適性を伝えやすい血統ではあるが、リダウツチョイスがデインヒル×Best in Showという底力100点満点な血統構成で素晴らしいし、母父として有能な血も多く持っている。スニッツェル肌は繁殖のレベル的に中々超大物というのは出ないかもしれないが、コンスタントに活躍馬は出せる血統だと思っているし、自分が母父としていいぞと言っているのはやはり血統から。そしてこの馬の場合は母方のハイペリオン的スタミナが良く体現されている馬で、斬れないがバテないというタイプ。なので本来は京都よりも阪神向きの馬だと思うし、内回りは久々になるが寧ろ合っているはず。この世代は低レベルだと言われ続けているが、長距離路線に関してはそんな印象が自分にはなくて、この馬もまた、これからの長距離路線を引っ張っていく存在になると見ている。相手が強くなるとちょっとパンチは足りなそうで、そういう意味でも前哨戦向きかなと思うし、ここは引っ張ってくれそうな馬もいるのは何より。好位追走から再び踏ん張ってくれるだろう。他にはシルヴァーソニックか。父はオルフェーヴルで母父がトニービン。エアトゥーレの牝系出身で親戚には平地でも障害でも鞍上にビシバシ追われ、そしてステッキをバシバシ入れられたクランモンタナなどがいる良血。トニービンが入るのでオルフェ産駒としてはそこまで前輪駆動ではないが、オルフェ産駒だからトニービン持ちとしては下りが上手。ファイナルファンタジーで言うところの赤魔導士みたいな感じでどっちつかずだが、それだけに阪神でも京都でも大崩れはない。オルフェ産駒はステイヤーも多く出しているがこの馬もまさにそういった感じで長丁場での安定感が光る。昨年の天皇賞春から休養が長引いた理由が調べた限りだとちょっと釈然としないのだけども、元々足元がそんなに強くない馬だし一昨年も長期休養を挟んでいたので何かしらの反動があったのだろう。それだけに動ける態勢にあるかは注意点だが、オルフェ×トニービンだから年齢を重ねてこそ真価を発揮する血統だし当初はサウジを目標にしていたくらいなので状態が上がらずここに出るわけではない。実績では上位だから決して侮ることはできない。鞍上との相性はちょっと疑うところがありそうだが、古豪として踏ん張ることができるか。ベストは広いコースだが復調してきたテーオーロイヤル、京都で買いたい馬だが目下の充実ぶりは目を引くブローザホーンなども上位候補。

 

ほんと4重賞は狂ってますよ。大変すぎて。来週もこんな感じなので是非お付き合いください。