◎ジュンゴールド見せ場なく… 日曜の予想結果 | NAKAMEの中央競馬重賞予想

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データと血統を中心になるべく穴っぽい馬を狙うスタイルです

2重賞で大変なのでさっさとやっていきます。

 

 

日曜に行われた重賞は日経新春杯と京成杯。まずは京成杯から振り返っていこう。

 

 

勝ったのはダノンデサイル。スタートは五分で道中は5番手辺りのまま追走。レースとしてはアスクナイスショーが先手を取り、ドロンと緩んだスローで12.3-10.7-12.6-12.1-13.0の5F60秒7。今の中山はかなり時計の出やすい状態で、土曜の夜に雨雪が降ったと言っても良に回復したし、その中で60秒7、13秒台のラップが入ってくればスローと言っていいだろう。特に動きはない道中で後半も12.6-12.4-11.9-11.3.-11-6と早めに踏むという事はなく、スローのまま流れてペースアップも至って普通というか、最近よくある前後半だけ見るとスローだけど実は中盤から流れ続けたという事ではなかった。こうなるとまず有利になるのはイン前で、日曜の全体的なバイアスでもイン前がやたら強かった。実際に3着馬は2番手で運んだ馬でペース的にも普通はそういった馬で決まりそうなもの。その中で比較的前にいたとはいえ、外を回り直線を向く時にミスステップで外に膨れてやや減速したことを思えばよく差し切ったと思う。姉のスタティスティクスはハーツクライ産駒でいかにもな大箱タイプではあるが、この馬の場合は父がエピファネイアに替わりロベルトのクロス。シアトルスルーも入りその影響も強そうだが、ロベルトクロスだから中山で好位の競馬をする下地も入っている。スタートが安定しなかったりミスステップをしたりまだ完成度はこれからというところだろうが、ゆくゆく良くなってきそうだ。

 

本命のジュンゴールドは12着。スタートは悪くなかったが今回はハッキリと行かないという感じの意思を示して勝ったダノンデサイルの後ろを追う形。道中はずっと手綱がガッチリでやや頭を上げる感じにもなり、スローの中で折り合いを付けるのが難しかったようで、見た目に良い感じに運べたようには見えなかった。4角では既に余力がなく後退。中山がダメとは思っていないけども、現状2000だと折り合いが難しいのかもしれない。前走で結果的には逃げる形になったが、これは押して先手を奪ったわけではなく、言ってみればスイッチを入れて逃げてはいないので折り合い面への影響はほとんどなかったと思う。ここまで全てのレースで手綱を取っていた鞍上を以てしてもこういう事になると、距離を短くするかワンターンかというパターン、或いは間隔を空けて臨むことになるパターンのどちらかになると思う。友道厩舎が2歳12月、もしくは3歳1月に中山のOP以上のレースに出走させた時の成績が0.0.1.11で、唯一の3着が前走から中10週だったホープフルSのヨーホーレイクだけ。そもそも友道厩舎がこの時期に中山の重賞を狙ってくる事自体があまり勝負手ではないのかもしれないし、サトノヘリオスなんかは強行軍の中山遠征だったので、色々事情があるのかも。

 

2着アーバンシックはだれが見ても明らかだとは思うが中山よりも東京向きの大きなストライドで、果たして器で適性を凌駕できるのか、そこだけが焦点だったように思う。大方の予想通り後方から進めて、直線で内にモタれたとはいえダノンデサイルを交わすまでには至らず。昨年程度の相手なら交わし切っていたかもしれないが、それでも勢いでは恐らくこちらの方が上だったし、展開バイアス無視で差し込んでくるのだから器の一端は見せたと思う。賞金的に今のままでは恐らくクラシックはきついのでどこかで権利取りか賞金加算をしなくてはいけない。ダービーを最大目標に定めるなら青葉賞とか京都新聞杯ローテがいいかなと思うけど、皐月賞も含めて走りたいとなると共同通信杯で勝つ事が前提になるか。この辺は完全に厩舎力が問われるところ。威勢のいいコメントを良く出す厩舎だけにちょっと不安ではあるが…。3着コスモブッドレアはスタート自体はそんなに速くなかったものの、押してしっかりと位置を取った事が好走に繋がった。今回の内容では相手が強くなっても頑張れますとはちょっと言えないんだけども、母方がトムフールの血が入るなど結構立ち回り上手な血統で、今回はそっちの良さも出せたのかなと思う。後ろにいるよりは前にいる方が展開に恵まれやすいし、もう少しテンにスッと出れば先行馬としての安定感が出ると思う。距離を延ばしてもいいと思う。4着ハヤテノフクノスケはコスモブッドレアを見る形の3番手でいい感じで運べたし、一旦は3着馬に並びかけるところもあったのだが、坂で勢いが劣勢になり差が開き、そのまま詰められず。血統の全体像で言うと坂を登るパワーは十分あるように思うのだが、現状の力差なのか状態なのか、ちょっと解せないところではある。体重は大幅に増えたが太め感はなく、兄がカミノホウオーというところを踏まえると2000が気持ち長いかも、という可能性も。5着ニシノフィアンスはノーザンテーストが強い感じの足元で曲飛。まだ緩さを抱えているように見えるし、ノーザンテースト的な体質を受け継いでいるとしたら本格化はもっと先だろう。距離は2400くらいあってもいいと思うが、広いコースが合うかは何とも言えない。3番人気のバードウォッチャーは7着。道中は中団インからの追走で折り合い面は問題なかったが、ゴーサインに反応できず差を詰められなかった。器という点では明らかにアーバンシックに後塵を拝す形になってしまったが、少し太く緩さもあるし、ブラックタイドの割には結構しなやかでストライドだなという印象を持った。バイアスを鑑みてインを手放さない判断だったのだろうが、中山なら外を回す方が合うタイプなのかもしれない。残り100くらいからはほとんど流していたのでダメージはそんなになさそうだし、成長待ちだが現状は東京に出てきたら面白そう。9着ドゥレイクパセージはパドックから煩くていかにも堀厩舎の馬だなあという印象だったけども、レースでは良い感じで運べていたし、しっかり勝ち馬を見るところに収まったのは鞍上の上手さも感じた。その鞍上も言っていたように今回は決め手の差で劣ったかなという負け方。もう少し積極的に運べれば前進があるか。

 

続いて日経新春杯。

 

本命のレッドバリエンテは6着。個人的には出たなりで運んでいくのかと思ったが思った以上に位置を取りに行っていた。レースの流れとしてはリビアングラスとディアスティマがそれぞれ出鞭を入れながら先行争いをする中、外からシンリョクカも並びかけてくるというまさかの三つ巴。結局はディアスティマが先手を取ったがリビアングラスもそんなに離れずに追走。おかげで5F通過は12.7-10.4-10.6-11.9-12.7の58秒3という到底12F戦とは思えないようなペースとなり、5Fが58秒台、5Fまでに10秒台のラップが2つ入るのは19年以来で、20年~14年の間では19年のみ。Twitterでも書いたけど、このメンバーと頭数でこういう入りになるとは思いもしなかった。このハイペースの中でレッドバリエンテは向こう正面から押っつけという感じで付いて行くのに精一杯に。それでも大きく失速はせずに頑張ってはくれたが、上位馬とは追走力の違いをまざまざと見せつけられる結果となった。ラストの脚がある馬だしもうちょっと出たなりで自然な追走をしてくれても良かったとは思うんだけども、恐らくスローになると踏んで少し早めの競馬をしようとした意図があっただろうし、位置を取りに行ったのが失敗というのは結果論でしかない。このペースを事前に推察しろというのは難易度が高く、今回は策がハマらなかっただけで鞍上を責めるのは酷。前走がスロー過ぎていい経験とは呼べないレースだった事を踏まえると、今回の方がかなり今後に活きてくるはず。京都がダメとは思わないので京都続戦でも気にしたいが、ラストまで踏ん張ったところを見ると時計は掛かってくれた方が良いかもしれない。

 

勝ったのはブローザホーン。中団の外から追走する形でこれまでの買ったレースと比べても位置は後ろ。こういう中団辺りから競馬をしたがるのは菅原騎手の長所であり短所でもあり、正直かなりペースに左右される競馬をよくする。このハイペースを全体で追走したことによってほとんどの馬が我慢比べをするような形になったので、今回はこの中団待機策が上手くハマったところはあっただろう。本来はサトノグランツの後ろを取った方が良いが、ハーツコンチェルトの後ろになったのはある意味正解だった。ただこの馬は2500や2600で勝ち上がってきたようにステイヤー体質で、中団待機勢に向いた展開も良かったのは確かだが、上がりが速くない消耗持続戦は望むところ。事前にそういうレースだと予測できなかったので印を下げたが、この展開なら位置はどこであれば上位を窺えただろうし単なる位置の利だけではない好走だ。エピファネイアは気の良さで早期から良く走るしパワーで中京を得意とする、というのは初年度産駒とかではよく聞いた話だが、血統を見るとボリクリ×ハビタットなので実は京都に対する適性も十分持っていて、菊花賞でコントレイルを追い詰めたのはエピファネイア産駒のアリストテレスだった。牝系を遡るとAloeに辿り着く良血で、テヘランやシーバードなど重厚でスタミナに富む血が入っているのでこの辺がステイヤー的要素なのだろう。天皇賞春を目指していく馬だろうが、昨年のように時計が速くなった時にどうなるか、という課題は残る。また厩舎は2月で解散なので転厩先がどこなのかというのも馬を作る上では重要な要素。長距離馬としての資質は確かだが先行き不確定な要素も多く、外的要因に左右されそうだ。

 

2着サヴォーナは8枠から4番手のインに潜り込み、序盤の入りとしてはこれ以上ない形。抜け出すところまで綺麗に行けただが、最後は位置の差と斬れる脚がないところが出た感じ。母方が重厚なスタミナを持っていてそれが強く出たタイプ。このペースで持ち味は発揮できた。逆に言えばこのクラスになってくると勝ち切るまでにもうワンパンチ欲しい印象もある。距離的には3000M級もこなすし、京都より阪神で見てみたいという個人的な感想もあるので、賞金加算の意味でも阪神大賞典への出走を願いたい。3着サトノグランツはこれまでの後方追走から中団5番手と当社ではかなり前目での競馬。上手に下ってきたというよりはディアスティマが随分と早めに失速して勝手に近づいてきた印象が強く、それで勝てないところはちょっと不満。どんどんハイペリオン体質になってきているのかなと思うし、阪神で走らせた方がハマるタイプになっていると思う。サヴォーナも似たような感じだが、この着順を見てもスッと前受けできる出来ないの差がある。4着ハーツコンチェルトはサトノグランツに並びかけに行きながら一度も前に出ることが出来なかった。京都で最後の一押しが出来ないところがハーツだなあ(みつを)という感じ。成長はしていると思うけど京都はやっぱり合っていない印象が強く、春は大阪杯から宝塚記念を目指すというローテが無難ではと言いたくなる。ただ今のままでは賞金が足りないと思うしファン投票の宝塚はまだしも、大阪杯を目指すならどこで賞金を加算するのかちょっと悩む。招待されればドバイという手もあるが…。5着カレンルシェルブルは毎回、先行出来ればな、という思いを持つのだがこのペースでも中団だと差しに構えてチャンスを狙う道以外ないのかもしれない。最後は距離も長かったか。8着リビアングラスは行こうとして行けなくて、引くのも少し遅れてしまった。そもそも外からシンリョクカが競りかけてこなければもう少し判断良く行けたかもしれないしあんなペースでもなかったかもしれないが、溜めて良さを出す馬ではないから前に行きたい気持ちはわかる。今回は鞍上込みの人気もあっただろうが、菊花賞が本当にいい出来で鞍上のペースコントロールも100点をあげていいレベルで、これ以上ないレースと状態だった。そこと比較されてしまうとどうしても『落ちるレース』が多くなると思うし、控えると前走の様に3勝Cでも差し切れないようなタイプでしぶとさが売り。菊花賞4着が独り歩きして人気は毎度先行しそうだが、当時のパフォーマンスをするには色々と仕上げていかないときついというのを頭に入れておきたい。10着シンリョクカはまさかの先行策で乱ペースを生み出した張本人。以前と比べて前進気勢が出て折り合いに気を使うようになったのは昨秋からだが、鞍上はエリ女でコンビを組んでいたしその辺の事情は分かっていたはず。もうちょっと丁寧に乗るという事を考えて欲しかった。馬体は大きくなってようやく本格化の域。今回の先行策がガス抜きになるのか、それとも前向きさになるのか。今は分からない。

 

 

早いもんで来週で中山開催は終わり。1月もあっという間ですねえ。明日で折り返しか。