かっさんのつづれなるままに810

とうとう八幡児童クラブが開所した。送り迎えするから手伝ってくれ、と声をかけられてから一年余りたつ。声をかけてくださったのはKさんで、その後は奥さまが引き継がれた。奥さまは私とふた従妹にあたる。私の曽祖父は納右衛門で、大地主であった。その四男として生まれたのが祖父の正一で、明治のころ特定郵便局長を務めている。Kさんの祖母に当たる人は能右衛門の長女の登貴である。一度だけ父に連れられて、登貴の嫁ぎ先の家にお正月に行ったことがある。家は道の上の小高いところにあった。そんな不思議な縁でつながって奥さまと二人三脚で歩いてきた。奥さまと言ったらすごい人で、昼夜を分かたず奔走された。その情熱は市議をされたお父さん譲りのものであろう。その情熱にあおられてしばしば私は体調を崩した。つまり私の規則正しい生活が乱されたのである。しかし、それほど私を頼りにされていることはうれしかった。遠い親戚にあたる人だし、妹のような感じでずっと後ろからついていった。少女のような銃な心で駆け回る姿は、遠目に見てもうらやましかった。開所式は高来児童クラブと違って盛大であった。それも、奥さまの政治力であろう。7月。いよいよ私たち支援員の出番である。これだけの期待を背負って、少し任は重いが、最後のご奉公として力を尽くしたい。何よりも青年時代にお世話になった旦那さんのKさん、奥さまのためにも。また、八幡の子どもたちのためにも。