2013/12/6 安全保障委員会議事録 | 中丸啓オフィシャルブログ Powered by Ameba
中丸委員 日本維新の会、中丸啓でございます。本日はよろしくお願い申し上げます。

 本日、この委員会を開催していただくに当たりまして、私と民主党の野党筆頭理事と申し入れをさせていただきまして、開催していただきました。委員長には感謝いたしております。

 残念ながら、民主党さんは、理事は非常にこの委員会に出たいと思われていたと思うんですけれども、党の方針ということできょうは来られていない中で、我が党は、国家の安全保障にかかわること、参議院等でいろいろあるにしても、それはそれ、これはこれ、粛々と進めるべきだという党の判断のもとに、きょうは質問をさせていただきます。

 今回、この委員会を開く一番きっかけになっているのは、委員の皆さん御存じのように、中国による防空識別区の設定があった。

 マスコミ等では防空識別圏という言葉を使われておることも多いと思いますが、先ほど大臣の答弁で識別区とはっきりおっしゃっていただいたので、その違いはなかなか国民の皆様にはわからないと思いますので、あえてこの場をおかりして言わせていただければ、我が国が設定している防衛識別圏は領空に接続する公海上に設定しているものであり、公海であるという認識のもとでやっているものであります。しかし、中国の設定してきた防衛識別区は、これは明らかに、もちろん我が国の領土である尖閣上空も含まれておりますけれども、あたかも領空のような、武力行使も辞さないというようなことを公海上に勝手に設定してきているということは、絶対に許すべきではない、言語道断な行為だというふうに思います。

 そういう中で、四十四年したら云々とかということも発言されているようですが、そもそも、外交上の問題はちょっとおいておきまして、小野寺防衛大臣にお伺いしたいんですけれども、私は、これは軍事バランスといいますか、中国の軍事的思惑だったり政治的思惑だったり、さまざまなものがあって今起こっていると思うんですけれども、この根本原因というのをどのようにお考えか、お聞かせ願えればと思います。

小野寺国務大臣 今回の防衛識別区は中国が一方的に設定したということであり、そしてまた、私どもとしては認められないということは、これは委員と共通の認識だと思っております。

 その上で、中国の考え方、意図というのは、推しはかるのは大変難しいことでありますが、中国は前々から海洋強国の建設を標榜ということ、これはやはり、経済成長に伴って、今後、軍事にもさまざま力を入れていくということの一つのあらわれが継続しているというふうに思っております。

 そして、先月、十一月ですが、開催されました三中全会におきまして、海空辺防の防衛管理メカニズムの調整、正常化を決定しております。実際、昨年九月の空母遼寧の就役や、海軍艦艇部隊による太平洋進出の常態化、今般の東シナ海防空識別区の一方的な設定に見られますように、今の中国の行動を見ますと、海洋に関する活動を急速に拡大、活発化させるというようなことを私どもとしては承知をしております。

 この目標の一つとして、自国本土から可能な限り遠方の海空域で敵の作戦を阻止するという体制を構築する、このようなことがよく分析をされております。

 いずれにしても、私どもは、中国の意図とはかかわらず、我が国の領土、領海、領空を断固として守っていく、そういう体制を継続し、また、常に緊張感を持って対応するということが防衛省に与えられた役目だと思っております。

中丸委員 ありがとうございます。

 私が根本原因という言葉を使わせていただいたのは、例えばなんですけれども、よく私はドラえもんの話を委員会でさせていただくんですが、今回、国際的に見ても、非常に乱暴なことをやってきたという認識は大臣もお持ちだと思います。その中で、乱暴なことをするというと、ジャイアンなわけですね。我が国は今どういう存在かといいますと、ちょうどのび太君みたいなところに当たるんじゃないかな。

 というところで、まず日米同盟ということで、アメリカに対して、安保の範囲内であるという発言をもらったりとか、こういうことをやっているわけではありますけれども、ドラえもんの漫画は、別に私は宣伝マンでも何でもないんですが、のび太君が、彼は非常に正義の心を持っていまして、正しいことは正しいと、強いものにも向かっていく、その姿勢があるからこそ、ドラえもんは助けに来るわけですよね。それがなければジャイアンにやられっ放しになるというところではあるんですけれども、時にその勇気と正義がジャイアンさえも一緒に行動したりすることになる、私は、我が国はそういった存在であると信じています。

 根本原因のお話なんですけれども、やはりジャイアンが俺のものは俺のものと言う理由は、相手が自分より弱いと思うからなんです。さまざまな要因はあると思いますが、非常にシンプルに国民の皆様にわかりやすくお伝えするとすれば、あの空域は、俺のものは俺のものということを主張しているからこそ、必ず報告をしろとか、提供しろとか、中国の武装力が防御的緊急措置を行う、いわば武力行使を行うよということまで、ジャイアンでいえば、殴るぞということまで言っているわけです。

 私は、この根本原因は、先ほど申し上げたように、この二十年間、非常に国防予算もふえてきた中国という国が、それなりの軍事力を持って、さらに外へ外へと出ていくために着実に行ってきた。それが、従来尖閣海域で我が国の海上保安庁の艦船と中国政府が送ってきている海監の船が並行してにらみ合っているような状況が、領空で、また公海上の空の中で行われる可能性が出た。それが防衛識別区であり、我が国が領空を守るために識別をしている識別圏と大きな違いがある部分だというふうに思っております。その認識は、先ほどからの小野寺大臣のお言葉からも、御理解いただいているというふうに私は思います。

 その中で、実際に、我が国の航空自衛隊を含んで、対領空侵犯が行われたときの武器使用権限とか、もちろん正当防衛も含んで、そういった設定はあるんですが、それはあくまで領空もしくは領空を目指してきたものでありまして、防空識別圏に進入したものではないと思います。

 極端な議論になるかもしれませんが、防空識別圏内に中国軍の航空機、戦闘機のようなものが進入してきた場合に、我々は、まずそれを識別する、それで、スクランブルをかけるや否やという判断をしていくということになるんですけれども、向こうは、識別圏に進入したという事実をもって、まるで自分の領空のように、武装力を持った防御的緊急措置を行う。もっと極論を言えば、向こうは撃つよと言っているのに、こっちは、領空ではないから、領空侵犯でなければ何もできないということになったりです。レーダーをあけておけとか、無線のスイッチを入れておけとか、言いたい放題やっているわけです。

 ある意味、尖閣沖で行われている海上保安庁とのにらみ合い以上に危険度が増す。先ほど大臣の御答弁でもございましたけれども、空の上は、撃墜しかないわけですよね、出ていってもらうか。私は、非常に危険度が伴うものだという危惧をしているんです。

 自衛隊のパイロット、搭乗員の皆様にも御家族がおられます。その皆様の命を守ることも国家としての責任だと考えますけれども、そういった中での安全措置を最大限にどう確保するかについて、小野寺大臣の御所見をお聞かせ願えればと思います。

    〔委員長退席、中山(泰)委員長代理着席〕

小野寺国務大臣 どの国がジャイアンで、どの国がのび太君で、そしてしずかちゃんがどの国かということはなかなか判断しがたいんですが、みんなそれぞれ味があるキャラクターだと私は愛しております。

 その中で、今のお話でありますが、当然、自衛隊員も人間、人の親でもあります。あるいは、家族もあります。そういう中で、今この瞬間も、危険の中でも決意を持って、日本の安全保障を守るために努力をしている隊員がたくさんいるということであります。

 そして、私ども、特に私、防衛大臣は、その指揮命令権の中にありますので、やはり万が一にも何らかの問題が起きないことがまず大切だと思います。そのためには、一つは、常日ごろの備えをしっかりとしていくこと、警戒監視も含めてであります。そして、万が一のときに隊員が判断に迷わないように、行動基準等をしっかり明確にしておくこと、そして、何より外交的な努力、これは今回のNSCの発足にも一つ大きな後押しになりますが、外交努力を外交当局と一緒になって行っていくこと、こういうことが大切だと思っております。

中丸委員 ありがとうございます。

 今の大臣の御答弁で、非常に前向きな、決意にも満ちた御発言だというふうに理解をさせていただきます。

 今おっしゃられたように、現場が判断に困らないようにしっかりとしたものを出していく、これは非常に大事なことだと私も思います。それは、制服組だけでなくて、やはり我々政治家が、特に大臣、それから安倍総理が腹をくくっている、現場に任せるよということを強く発表、もちろん、表向き、できる、できないは別にして、そのお心を持っていただいているということは、私は今感じさせていただきました。

 まとめといいますか、この件に関して言わせていただければ、日米同盟を、連絡も密にして、そういった意味では、情報交換の基準もしっかり定めていただいて、深化させ、連携する、訓練も含めて、非常に大事なことだと思います。しかし、その基準の中の一番根本にあるのは、やはり我が国の領土、領空は、自分の国は自分で守るという決意をしっかりと我々政治家が示していくことであると思います。

 そういう意味で、今回の防空識別区に関してのことでいえば、スクランブル発進も、今判明ができているだけでいえば、もうロシアを超えて、今中国が一番多いわけでございますので、そういった実態、近年急激に高まっている緊張をできるだけしっかりと守るという決意をしながらも、私たち日本維新の会も、別に摩擦を起こしたいわけではございません。できるだけ外交手段も使っていただきつつ、硬軟合わせわざで、そういう事態にならないような配慮、しかし、もしなったときに、しっかりと隊員の皆様の命を守る適切な判断ができるように、お願いを申し上げたいと思います。

 領空の話もなんですが、当然、陸海空と各国、もちろん中国も軍隊を持っているわけでございます。

 島嶼部の防衛に関して、二五大綱の中にも入ってくると思いますし、次期予算の中にも入ってくると思うのですが、機動戦闘車というものを新たに開発していこうというお話があるんです。見た目は、戦車のキャタピラ部分をタイヤに変えて八輪にしたというような外見だと思うんですけれども、この機動戦闘車の有効性について、大臣の御認識をお聞かせいただければと思います。

    〔中山(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

小野寺国務大臣 従来の戦車の場合、これは、すぐれた防護力、そして攻撃力を持っておりますし、我が国の技術は世界最高水準にあると私どもも理解をしております。

 その中で、例えば、一般道、あるいは長距離を走る場合、どうしても移動の面で、従来の戦車というのは一定の制限が出てまいります。その中で、今回、機動戦闘車というものを開発させていただきました。これは、すぐれた攻撃能力、防護力を持ち、そしてまた機動力を持つという意味で、有用な、新しい装備だと思っております。

中丸委員 ありがとうございます。

 私が防衛省の方々とか個人的にいろいろ調べたもので言わせていただきますと、従来の七四式の戦車が三十八トン、九〇式が五十トン。それで、重たくなり過ぎたということで、軽量化で、一〇式、最新鋭のものが四十四トンという中で、現状、試作車両ではありますけれども、機動戦闘車は二十六トンという重量なんですね。これは、重量がこれだけ、極論を言えば、九〇式の約半分の重量であるということは、戦車というのは、鉄板、装甲板に覆われたものでありますから、はっきり言ってしまえば、軽量化のために装甲が非常に薄くなっているというふうに推測できるわけでございます。

 そして、これをどういうふうに運用するんですかという質問を防衛省さんの方にしたら、ゲリコマ対応ということで、市街地戦、それから島嶼部での対応ということで、これは軽量化したので航空機C2で運ぶことができるということなんです。

 C2一機に対して一両搭載できるはずだというふうにおっしゃっていたんですが、例えば尖閣で考えた場合に、このC2というのは舗装路の滑走路が要るんです、着陸するのに。当然、尖閣諸島には滑走路はございませんし、滑走路で運んで島嶼部の防衛というのは、お答えできる、できないはあると思いますけれども、政府参考人の方にお伺いします、どのあたりを想定されているんでしょうか。

徳地政府参考人 お答え申し上げます。

 機動戦闘車、これはまだ現在開発中のものでございますけれども、今日の我が国をめぐる厳しい国際安全保障環境に鑑みますと、非常に広大な領域であって、かつ多数の島嶼のある南西地域において、島嶼防衛のための態勢を強化するということが必要と考えておるところでございます。

 そして、御指摘の、今開発中の機動戦闘車でございますけれども、島嶼部への侵略事態におきまして、敵部隊の侵攻様相といたしましては、艦艇からの着上陸であったり、あるいは空挺降下といったような形での侵攻が考えられるわけでございます。

 その場合に、敵部隊が既に集結あるいは組織化してしまいますと、大きな脅威ということになりますので、このような敵部隊の展開の前に事前展開をして、その敵部隊、侵攻部隊を撃破することが重要であるというふうに考えておるところでございます。

 もちろん、機動戦闘車というものはそれなりの重量と大きさのものでございますので、運ぶ手段がなければ、当然そこには持っていけないわけでございますけれども、逆に言えば、機動戦闘車だけで守るというわけでもございませんので、そこは、それぞれの地形あるいは侵攻の様相に応じて適切に対応をしていくということになると考えております。

中丸委員 どのあたりという質問だったんですけれども、えらい長い御答弁を頂戴しました。

 はっきり言いますと、尖閣で役に立たないということでございます。これを、例えば石垣だったりそういったところに着陸するという大前提でいけば、一回につき一両持っていくぐらいなら、はなから配備しておいた方がいいというお話なんです。

 非常にフレキシブルにできそうな図面があるんですけれども、相手が空挺団で来た場合とかというお話もありましたけれども、そうすると、非常にわかりやすく御説明すれば、戦車というのは、砲身があって、それで角度を決めてやるわけなんですけれども、一〇式なんかだと、それをネットワークで共有できたりするんですけれども、まず、そういう装備がない。ない上に、この形しかなくて、例えば島嶼部の裏側に上陸している相手に対して攻撃しようと思うと、対面でないと戦えないわけですね。そうすると、普通は、こういう弾道を描く迫撃砲、そういうものになるんですけれども、参考までに今の世界標準でいえば、こういった八輪の上に戦車の上を載っけるような形ではなくて、ここに、水平発射から、かなりの角度の発射ができる、要は迫撃砲と両方の領域を備えたような、しかもネットワークされて、私が実際にロンドンで見たものに関して言えば、六発同時着弾までできる、そういったすばらしい機能を持ったものが今世界の最先端で開発をされています。正直、そこから見ると、私からすると、なぜ今これが必要なのかというのがよくわからないなというところがあります。

 あと、もう一つ大きな問題は、これは百五ミリ砲という砲塔を積んでいるんですけれども、百五ミリ砲は、実は七四式と共通でございます。はっきり言えば、弾も共通で使用できます。

 これを聞かれるのは防衛省の皆さんは嫌かもしれませんが、はっきり言って、百五ミリ砲というのは非常に強力でございます。例えば、市街地でのゲリコマ、ゲリラやコマンドーに対して対応するのであれば、ビルの一室を占拠しているゲリラを吹き飛ばすのに百五ミリを使えば、ビル全部が吹っ飛ぶというふうに、簡単に言えばですよ、考えていただければいいと思うんです。

 私は、例えば、このタイプでもいいとすれば、四十ミリ、七十五ミリでも十分通用すると思うんですけれども、なぜ百五ミリなのか。四十ミリ、七十五ミリというのは検討はあったか否か、ちょっとお聞かせいただけますか。

徳地政府参考人 お答えをさせていただきます。

 機動戦闘車につきましては、先ほど大臣からも御答弁ございましたとおり、それなりの火力を有するとともに、機動力というものを重視して、このようなものを今開発しておるわけでございます。それから、列国の類似の装備品を見ましても、多くのものは百五ミリということになっております。

 そういうことを総合的に勘案しまして、今の開発としましては、やはり百五ミリの施条砲というものを装輪車の上に載せるという構想でやっておるわけでございます。

中丸委員 百五ミリ、はっきり言えば、七四式が今後かなりの数で、戦車の数を減らしていくという方針が二五大綱に盛り込まれるというふうになっていると思います。

 では、ちょっと質問をかえさせていただきまして、この運用は、機甲科がやるんですか、砲兵科がやるんですか。これは一体どこの科がやる予定で考えられていますか。

徳地政府参考人 機動戦闘車につきましては、現在開発中のものでございます。これが、数年先、開発が完了した際に、どのように配備をするか、それから、仮に配備をするとなった場合に、陸上自衛隊のどの職種において、どのような部隊をつくって運用するかということにつきましては、まさに今後の防衛力全体のありようについての検討の一環でございます。

 現在、年末の新たな防衛計画の大綱の策定に向けまして、陸上自衛隊全体の体制についても検討を行っておるところでございますので、その一環として検討しておるところでございます。

中丸委員 要は、戦車を三百両、今から削減していこうと。

 私の調べたところによると、機動戦闘車は戦車ではないと。要は、戦車は財務省からも削減という話になっていて、三百両を削減する、かわりに機動戦闘車を二百五十両調達する。大体似たような数なわけですね。あくまで、これは戦車じゃない、戦車のようで戦車じゃないと。

 お値段のことを言いますと、四億円から五億円ぐらいで調達できるというふうに言われているんですが、これまでの、いろいろなものを入れれば、恐らく、これに例えばネットワーク機能とかを入れていくと、七、八億ぐらいまではいっちゃうんじゃないかなと私は思っているんです。

 これは、何を非常に危惧しているかというと、小野寺大臣は多分見られたことはないかもしれませんが、この機動戦闘車の裏側なんです、下側。

 見たらびっくりしますよ。ほとんどトラックみたいな内容です。要は、むき出しです。これは、地雷とかがあるところとかは全然だめだし、岩場なんか走ったら、全部ひっかかります。普通は、防御があって、しかも、それが三角形になるんですよね、こういうのは。何でかというと、何か爆発したときに、それを散らすためにそういうのをつけるんです、世界標準は。そういうのが全くない。むき出しです。ぜひ一度、下も見ていただきたいなと思います。

 ちょっと時間がなくなってきましたので、機動戦闘車のお話はまた次回に続きはさせていただきますが、ぜひ、島嶼部を考えれば、やはりヘリで輸送のできる軽装甲車、小型で非常に機動性の高いもの、それでいて、ある程度の破壊力を持ったものを考えていただいた方が、私は実用的ではないかなと思います。

 島嶼部防衛でもう一つ私が懸念を持っているAAV7という、今まさに採用に当たっての調査が行われている、いわゆる水陸両用艇があるんですけれども、私は、前回も大臣に質問をさせていただきまして、参考購入が、指揮通信型と回収型と、何パターンかに変わったというお話は聞いていますが、やはり基本は全部AAV7なわけです。

 これは、島嶼部というんですけれども、前も言ったと思うんですが、一番問題は、岩礁とかサンゴ礁のあるところの上を渡れないんです。渡れないから、では、そういう場合は、サンゴ礁をのけるわけにいかないですから、どうするのかというと、LCACに積んで持っていくというわけです。LCACで運ぶのであれば、別に水陸両用艇である必要は全然ないわけなんですね。

 これは、実はいろいろな装備で、いろいろなバージョンというのもあるんですけれども、非常に大型でもございまして、以前から、連結型のバイキングと言われる方式が、各国導入を進めていますので、そういった形の方が間違いなく効率がいいと私は思います、実物を見た者としては。

 ただし、それも含めて参考品として研究をしていただきたいんですが、先ほどの試作品と言われた機動戦闘車もそうですが、試作品をつくっている段階で、もう二百五十両の調達とか、このAAV7に至っては、参考品を購入しつつ、今後、六十六両程度、最低でも、中隊であれば二十二両程度買うということになると思うんですけれども、買うことありきで参考品も試作品もじゃなくて、もう少しその段階での検討は幅広くやっていただきたいというふうに思うんです。

 政府参考人にお伺いします。AAV7の検証に当たって、他機種の参考品購入、もしくはそういう調査を行うという計画はあるか否か、お聞かせください。

徳地政府参考人 水陸両用車につきましては、先生御指摘のとおり、AAV7、その中のRAM・RSというものを調達することにしておりまして、二十六年度から各種の検証を実施するということとしておるわけでございます。

 そして、参考品として購入する段階におきまして、これまで、水陸両用車に求められる海上機動力その他の性能、それから諸外国の運用実績、こうしたものを踏まえまして、所要の検討を行ってきたところでございます。そして、性能あるいは効率的な予算執行、さらには、できるだけ早く取得ができるものということで検討をした結果、先ほどのAAV7につきまして、これをアメリカからFMSで取得するという方向で、今交渉をしておるところでございます。

 そして、まさにこれは、今申し上げたような検討を経て参考品購入したものでございますので、今のところ、これ以上、参考品としてほかのものをということは考えておりません。

中丸委員 時間がなくなりましたので、また次回とさせていただきたいと思いますけれども、参考品はあくまで参考品なので、ということは、参考品がだめだった場合のことも考えておかないといけない。それ一機種に絞り込んだ参考品というのは、正直、今の世界情勢、各国の軍の装備を見れば、あり得ないということをはっきり申し上げまして、大臣には、もう一度そういった検討を、また質疑の場でもさせていただきますので、お願いを申し上げまして、中丸の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。