なかけん。です。
引用ではなく自分の手で書くブログが少ない、しかも1日全く書かずに空けてしまったために、色々と思うことがあり、文章がかなり長いですが、予めご了承を。



さて、今年最大の話題作であろう、「魔法少女まどか☆マギカ」。
何度かブログの中でも紹介しましたが、「魔法少女まどか☆マギカ」の登場で、「魔法少女とは何か」ということについて考えさせられました。
…というのは、概念的な意味での「魔法少女とは何か」ではなく、自分が考える「魔法少女とは何か」ということです。

本来、「魔法少女」とは、魔法という不思議な力を使って、騒動や事件を解決したり、時には自らの願望や将来をも叶えてしまうことができる少女というのが一般的な解釈でしょう。
魔 法などの不思議な力から派生して、不思議な力を授けて変身して戦うという「戦闘美少女(バトルヒロイン)」というジャンルも生まれ、昔では「キューティー ハニー」や「美少女戦士セーラームーン」、現在では「プリキュアシリーズ」が人気を博していて、私自身も初代からリアルタイムで全シリーズ見ているぐらい 大好きな作品です。

魔法少女は、かなり曖昧なジャンルであるがゆえに、幅広い解釈がなされて、その都度様々なコンセプトを持つ作品が生まれます。
「魔法使いサリー」や「ひみつのアッコちゃん」などの東映魔法少女に見る、(現在では)王道(典型的)な魔法少女
現 実の社会問題などリアリティのあるテーマを扱ったり、自分のなりたい姿にリンクできる一方でギャップに苦悩するなどという、「魔法のプリンセスミンキーモ モ」に始まるプロダクションリード制作の魔法少女アニメシリーズや、「魔法の天使クリィミーマミ」に始まるぴえろ制作の「ぴえろ魔法少女シリーズ」、 「カードキャプターさくら」など見る王道ものとは少々一線を画したテーマを扱う魔法少女
「魔女の宅急便」や「おジャ魔女どれみ」に見る純粋な魔法少女
魔法少女の概念からかけ離れたパロディチックな作風を持つ「魔法少女プリティサミー」や「ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて」「撲殺天使ドクロちゃん」「大魔法峠」などの邪道魔法少女
先述した「キューティーハニー」「セーラームーン」「プリキュア」「魔法少女リリカルなのは」などに見る戦闘美少女系(バトルヒロイン)
更に先述した「魔法少女まどか☆マギカ」に見るダークファンタジーをテーマとした魔法少女
などなど…一口に魔法少女といっても、本当にバラエティ豊富です。

それらの中で、自分が好きな魔法少女像とは何なのか、自分が考える魔法少女の作風とは何なのか、考えてみました。


私 自身、明るくファンタジックな作風、もしくは明るくてコミカルな作風を持つ作品が好きなので、もちろん魔法少女にもそういう作風のものが好きです。実際、 戦闘美少女に分類されるプリキュアでも、どんなに打ちのめされても諦めずに立ち向かい、最後には必殺技で敵を倒しきっていて、敵に敗北するということは殆 どありません。
ただ、そういう作風を持つ作品ばかり見続けていった結果、魔法少女というものは大体が明るい作風であるというのが長年固定概念として植えつけられていました。

その点、邪道魔法少女や、「魔法のプリンセスミンキーモモ」の後年視聴、「魔法少女まどか☆マギカ」の登場は、今までの価値観を180度覆すほど衝撃的な出来事でした。
魔法少女でこんな作品があっていいものか、パロディはまだいいにしろ、モモの最終回やまどかなんてメインヒロインが死亡しますからね。
モ モは展開上仕方ありませんが、まどかの第3話に関しては唐突だったわけですから、当初かなりのトラウマとなり、強い拒否反応を示しました。元々ああいった ダークな作風を見ていなかったことで耐性がなかったのもありますが、耐性がある人でも衝撃的だったのではないでしょうか。
魔法少女という正義が魔 女という悪に敗北してギリギリ生き残るならまだしも、異世界で死亡して現実においても存在を抹消させられるということがあっていいのか、お供の妖精が契約 を執拗に迫るという営業じみた胡散臭い存在であっていいのか、「魔法少女まどか☆マギカ」とは一体何なのか…暫く考え込みました。
ただ、よくよく 考えて思い返してみたら、他の魔法少女アニメでも同じようなことをやっているのではないか、「魔法少女まどか☆マギカ」ではアプローチ(見方)を変えてい るだけなのかなと思いました。妖精が契約を迫る点でいえば、プリキュアも普通の中学生に対してプリキュアになって悪の組織と戦って欲しい、妖精達の住む世 界を守ってほしいと要求しているわけですから、ぶっちゃけ「契約」ですよね。
そんなこんなで、テレビアニメの中で、ここまで視聴に関して紆余曲折したのは、「魔法少女まどか☆マギカ」が初めて、だからその後愛着を持つようになり、 結果としてブームに乗った形ともなって、同時にシャフト作品では初めてBlu-rayを購入することにつながるのですが…。


ただ、私の中で納得行かなかったことがありました。
それは、「魔法少女作品=子供向け」と決めつけている視聴者が多かったことでした。実際、「魔法少女まどか☆マギカ」も最初はそう見られていた節もありました。
子供向けでも大人も視聴に耐えうる作品もありますし、子供向けではなく完全なオタク向けな作品だってあるのに、傾向として大体そう見られていましたように、私の目からは見えました。
そして、そんな魔法少女に興味を持ってない視聴者、魔法少女を幼稚なジャンルだと決めつけていた視聴者が、「魔法少女まどか☆マギカ」だけを持ち上げているんです。
脚本の虚淵玄さん×キャラクターデザインの蒼樹うめさんというコラボレーションが異端だったというのはわかりますが、レッテルを貼って決めつけておいて、特定の作品だけ持ち上げるという行為は、自分としては許せないことですし、納得がいきません。
もっと他の作品も見てから、比較してから評価して欲しいところです。

ただ、「魔法少女まどか☆マギカ」が一つのターニングポイントになったのは間違いないです。
暗い作風でも受け入れていこう、どんな魔法少女であっても受け入れていこう…と思えるようになったのは、大きな成長だと思います。
それでも、未だに明るい作風しか見ていませんが…。


今後の魔法少女の未来像はどうなっていくのか。
私としては、王道な作品が見直されてそういった傾向の作品が現代で増えていくか、はたまた革新的な作風を持つ作品が生まれるか…と、二極化するのではないかと考えています。
というか、そうあって欲しいなと思います。

王道な作品が見直されるというのは、現代においてかつての王道と呼べるような作品が少なくなってきているというよりかは、実質皆無なののはないかということもあって、敢えてオーソドックスに挑んでみたらどうかということですね。

革新的な作風を持つ作品を誕生させるためには様々なアプローチがあると思いますが、私の意見としては、他の制作会社とコラボレーションして新たなオリジナル魔法少女アニメが続々と登場していったら面白いのではないかと思いますよ。
例 えば、魔法少女やバトルヒロインの王道を築いた東映アニメーションと、「魔法少女まどか☆マギカ」で注目を集めたシャフトがコラボレーションするとか、ぴ えろと「カードキャプターさくら」のマッドハウスとか、東映アニメーションと京都アニメーション(「Kanon」「AIR」「CLANNAD」ではアニメ 化先発・後発の関係)とか、様々な組み合わせができあがると思います。
ようは、全年齢向けアニメを中心に制作している制作会社と、深夜アニメを中心に制作している制作会社をコラボレーションすればいいのではないかということですよ。そうすれば、シナジー効果が生まれて、新しい価値観を持った作品が生まれるのではないかと思います。


では、もう現段階では全て語りつくしてしまって、これ以上話すことはないなということで、この辺で。