フリーランスだとする。
創り上げた作品を
「はい、できました」
と言ってそのまま納品してないだろうか？
恥ずかしながら、私は、ある。
そして、失敗したこともある。
そんなことはあり得ないミスだと言われるかもしれないが、
昔、横着をしてしまっていたことがある。
創り上げるのに精魂尽きて、
もうとにかく自分の作品を一秒でも早く依頼者に渡したかった。
「完成しました。ご確認ください」
とだけ書いて納品してしまったことがある。
「え！？それでいいじゃん」
と思った人は、過去の私と同じでかなり痛い。
もし痛い目に合ってないとしたら、
ラッキーなだけで、この先きっと痛い目に合う。
私の場合、クレームが入った。
「なんですか、これは？私はこんな文章を書いて欲しかったんじゃありません」
多くの人は技術的に問題があったからそう言われたんだろう。
と思うかもしれない。
それがとんでもない間違いなのだ。
なぜなら、あることを書き加えただけで、
クレームは飛躍的に減った。
（というかそれ以来、ほぼゼロ）
文章の内容はそれほど変わっていないのに。
（文章技術は年々レベルアップしていると信じている・・・）
書き加えたのは、作品作りに対する想いや
依頼者や受け取る相手のためにこう書きました、という説明文。
たとえばこうだ。
「今回は、起承転結の構成をわざと逆にしてみました」
「○○さんが仰っていたあの言葉を引用しました」
「優しい相手の方には、この言葉が響くと思います」
「あの音楽が好きな方なら、この一文が気に入られるはずです」
「あえて、丁寧に書いたのは・・・」
「あえて、フレンドリーに書いたのは・・」
一般の方は、いきなり文章を渡されても、
その文章がどういった意図で創られたのか、
説明してもらわなければわからない。
美容師さんだって、デザイナーさんだってそう。
なぜここをこう切ったのか、なぜここに色を入れたのか、
なぜこの色使いなのか、なぜこんなに変わった形なのか。
できる限り説明してくれないと、納得ができない。
だって、自分で理解できず、自分でできないことをプロに依頼してるわけだし。
プロとしての納品の技術は、
説明責任という名のプロとしての演出でもあると思う。
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