佐島啓晋氏が書かれたレポートをご紹介します。

淡路島にあるニジゲンノモリは人材派遣大手パソナの経営なんです。

大阪の中心部や京阪神からの客の奪い合いという点で、明石市と淡路島は同じくらいの距離と移動時間なのでライバル関係なんです。

本稿は経済学部、経営学部、社会学部、政治学科の学生さんにお勧めです。

 

 

実は私中島は、毎日新聞さんの取材で、

ジブリパークは巨大な公園の中に美術館というタイプのテーマパークで、ムーミンバレーパーク(埼玉県飯能市)が似ている、と答えました。

佐島氏はニジゲンノモリも巨大な公園の中に美術館というていぷのテーマパークと教えて下さいました。

 

 

 

 

 

明石市長の暴言辞職とニジゲンノモリ・パソナの影

 

 

佐島啓晋

 

 

2022年10月12日の明石市議会泉房穂市長に対する問責決議案が可決され、法的根拠はないが2023年4月30日の任期満了で引退することになった。

泉市長は子育て関連の政策などは多くの市民から支持を得ていたが、2019年の市職員に対する暴言で辞任したあとの市議会議員への暴言であっため引退を決断した。

 

 

 

 

泉市長は2011年4月の統一地方選挙で民主・自民推薦候補をわずか69票差で当選した強運の持ち主である。

泉市長は、地元の公立高校から東京大学教養学部入学、NHKやテレビ朝日のディレクターを経験した。

のちに政治家になるために司法試験を受験してみごと合格し、比例復活ながら国会議員となる。

その後社会福祉士の資格を取得し明石市長となった。

 

 

 

 

よく、初当選した政治家が「これから勉強します」とよく言うが、政治家ならば立候補する前に政治課題にたいする調査・研究は事前にするだろう。

税金を給与とする市職員や市議会議員にたいして行政や議会の怠慢が我慢できなかったのかもしれない。 

 

 

 

 

2013年6月14日に「大胆な金融政策・積極的な財政政策・民間の投資を喚起する成長戦略」の三本の矢を柱としたアベノミクスが始まった。

実際には低所得者層に対する最低賃金の引き上げや介護に重点を置く福祉政策に重点が置かれ、子育てを行う世代にはあまり恩恵がなかった。

特に世帯年収1,000万円前後の世帯には、税や社会保障費が過大な割に、還付には所得制限で受けられないケースが多いからだ。

そこに目を付けた泉市長は子供の医療費や給食費の無償化などの政策を所得制限なしで行い、となりの神戸市からターゲットとした30代前後の移住を成功させた。

 

 

 

 

民主党政権下の所得制限なしの高校無償化や子ども手当は、出生率も出産人口も減らし続けたアベノミクスよりもまともだったと筆者は感じる。

さて、「子育て日本一の市」を達成した泉市長であるが、最も恐れていたのが海の向こう側の淡路島である。

 

 

 

 

関東の人には淡路島は離島と思っているだろうが、高速道路で明石市や神戸から10分程度で行ける距離なのである。

これも民主党の政策の高速道路無償化政策により、確かに無料にはならなったけれど、ETCの利用や夜間料金の割引などで物流網が整備され、アマゾンの台頭などにより物価を抑える効果はあったといえる。

 

 

 

 

その関西圏でもっとも成長率が高いともいわれている淡路市に2020年9月に大手人材派遣会社パソナが移転するとの発表があった。

 

 

 

 

淡路島には兵庫県立淡路公園がありその中に、大型テーマパーク「ニジゲンノモリ」が2016年12月に100%パソナ資本で設立されている。

ニジゲンノモリは2022年にオープンするジプリパークと同じように公立公園の中にあるので、入園料は無料だが、各テーマパークに入場するためには3,000円程度の入場料が必要となる。

 

 

 

 

ただ、ゴジラやドラゴンクエスト、ナルト、クレヨンしんちゃんなどの人気キャラクターをそろえており、個々のパークの質も高いので、市民向けの割引や年間パスポートなどで子育て層の開拓は促進されるのではないか。

 

 

 

 

近年、幼児向けの屋内・屋外の有料プレイルームの需要が高く、東京ドームシティやよみうりランドなどのテーマパークの近くに作られ集客に一躍かっている。

2022年9月10日にニジゲンノモリでもクレヨンしんちゃんのエリアを拡充させ、子供のあそび場としての位置づけの強化を図っている。

また、手塚治虫の「火の鳥 ナイトウォーク」から鬼滅の刃のナイトウォークとなった。

鬼滅の刃のナイトウォークはまだ行ったことがないが、火の鳥ナイトウォークを体験した経験では、どこからでも鬼が出てきてもおかしくない場所だけに、その恐怖感は想像しただけで震えがくる。

 

 

 

 

泉市長のTwitterのフォロワー数は367,410人(2022年10月29日現在)と政治家としては異例の数で有名である。

しかし「パソナ」についてのコメントが炎上したことがある。

漁師の家庭で育った泉市長には、迫りくる淡路島と大企業パソナの陰を相当に意識していたのではないか。

筆者は、淡路島に船で行ってバスで帰ってきたが、天候が変わりやすく波が高くて大揺れになった。

そのスリルは並みのジェットコースターの比ではなかった。

 

 

 

 

その淡路島が高速バスでは軽快に10分程度で渡ることができる。

市民の理解だけでなく、議会とも協調体制になければ淡路島にすべてもって行かれるのではないのだろうか。

テーマパークの存在は、近隣の市町村、特に財政難の政令指定都市を中心に住民の流出が増すことであろう。

大阪都構想はわずかな差で敗れたが、もしユニバーサルスタジオジャパンが大阪市ではなく、寝屋川市であったら寝言をいってられないくらい、大阪市の人口流出は激しいものになっていたと考えられる。