中国南部の海南島は「東洋のハワイ」とも呼ばれる中国屈指のリゾート地です。
そこに恒大集団が作った巨大な人口の島「海花島」があります。
海花島は東京ドーム170個分の面積に総工費約3兆円をかけ、約10年以上の歳月をかけ、ホテルや水族館などを次々と建設してきました。
島内を走るバスに「全世界の人が憧れる文化旅行の聖地」と書かれています。
ところが、島を歩いてみるとその理想とはかけ離れた世界が広がっていました。
客の姿があまり見られず、閑散としているようです。
対岸はコテージエリアですが、まだ一棟も営業されておらず、まるで廃墟のようになっています。
恒大集団が多額の負債を抱えて経営危機に陥ったため未完成のまま放置されているようです。
こちらが童世界海洋楽園というテーマパークです。
その中にある水族館は営業しているものの、水を抜かれた水槽もあります。
こちらは世界各地の街並みを再現したという商店街は既に閉店した店が目立ち、まるでゴーストタウンです。
その一角にある日本料理店、宮戸川さんです。
名物は鰻です。
世界各国のレストランが集まってくるので是非出店してほしいと言われ、厨房の備品類や、
内装も恒大が負担し、三顧の礼で迎えられたそうです。
海外出店できるのは夢だったと店主はおっしゃいます。
ところが、賑わったのは春節などの期間だけだそうです。
厳しい経営状態だそうです。
周りのお土産店は撤退してしまったそうです。
島には恒大集団の無計画な開発の跡が残されているそうです。
海を挟んだ島にはマンションが立ち並んでいます。
工事が止まったままです。
全部で39棟が建築規制に違反し、地元政府から撤去要求されています。
恒大集団は海花島でこれまで400棟以上のマンションを開発してきたそうです。
そのほとんどが販売済みだそうです。
40万元(720万円)で買った物件が35万元(630万円)でも売れないそうです。
2021年のピーク時には1平米2万元以上で売られていたが、今はどんどん下がっていて、急いでお金が欲しいオーナーは9000元でも売っているそうです。
経済成長を目指して急速に進められてきた不動産開発の歪みが出ています。
習近平国家主席は異例の3期目という長期政権を目指します。